2016年10月3日 公開

旧暦でも新暦でも!【重陽の節句】で菊の季節を楽しもう

子どもに伝統的な日本の行事を伝えていきたいと考えているパパママもいらっしゃるのではないでしょうか。9月9日(旧暦10月9日)の「重陽の節句」もぜひお子さまに教えてあげたい節句の一つです。「菊の節句」の異名を持つこの行事の由来や内容などをご紹介していきます。

重陽の節句っていつ?何を祝うの?

重陽の節句は、「ちょうようのせっく」と読み、毎年9月9日頃か、または旧暦に合わせ10月9日頃に行う行事です。

平安時代に中国から伝わってきた【五節句】のうちの一つで、別名を【菊の節句】や【栗の節句】とも言います。

五節句という単語は聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんが、七草粥を食べる日、ひな祭りに端午の節句、そして七夕に並ぶものと説明を受ければイメージがしやすいでしょう。

中国では菊は邪気払いの効果があるとされ、旧暦で10月頃に咲く菊を飾って、子孫繁栄や不老長寿を願っていました。

新暦の9月9日にも重陽の節句を行うのは、奇数は縁起の良い数と伝えられており、中でも一番大きな陽数【9】が重なる9月9日を、陽が重なると書いて【重陽の節句】と定められた背景からです。

どんなことをする行事?菊の節句の楽しみ方

前述の通り、重陽の節句の主役は菊の花です。旧暦に行うのであれば、旬の菊の花を楽しんでみましょう。
大人であれば、菊を漬けこんだり、菊の花びらを浮かせた日本酒をいただくのも風流ですが、子どもでも楽しめる楽しみ方を覚えておきましょう。

おすすめは、「菊の被せ綿(きせわた)」という儀式。重陽の節句の前日に菊の花を用意しておいて、花の上に綿をかぶせて一晩おき、当日の朝になったら菊の香りをまとった綿を使って体をきれいにします。この儀式は長寿を願うために行われています。

使い終わった菊は、一日飾って愛でた後、お湯に浮かべて菊湯にしたり、枕カバーに詰めて菊枕にしたりするのがよいでしょう。

このほか、この季節には各地で菊を持ち寄って優劣を競うコンクールや菊人形展、菊まつりなどが開催されるので、家族で参加してみるのも楽しいですよ!

風情を楽しむなら食べ物にもこだわろう!

もっと重陽の節句を楽しみたい!そんな人は食べ物にもこだわってみましょう。

食用の菊で作ったおひたしやサラダ、お吸い物などを食卓に並べてみたり、栗ご飯を炊いてみたりするのが一般的な楽しみ方です。

手ごろに手に入るものでは、菊の形をした和菓子などもおすすめです。

子どもに教えるならこんな風に……行事や由来の伝え方

子どもに重陽の節句について伝えるときは、特別感の出やすい被せ綿の準備をしながらがおすすめです。

用意をしているときっと「それなあに?」「なにをしているの?」と覗きに来るでしょう。そうしたら、説明のチャンスです。

「明日は重陽の節句っていう行事があるから、その準備をしているんだよ」「○○君がお風邪をひいたりしてしんどい思いをしない様にお願いをする日なんだよ」「菊の花は明日一日飾っておこうね」

などと、分かりやすくポイントを押さえて教えてあげましょう。

毎年続けることが大切!

毎年この行事を続けて、何回も繰り返すことでやっと、この季節は菊の花の行事の季節、と覚えてくれることでしょう。ひな祭りや端午の節句と関連付けて教えてあげると、物事のつながりを考える力もつきますよ。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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