2016年12月17日 公開

【冬至】夜が特に長い日は、おうちで英気を養おう

冬至(とうじ)といえば、日本の季節行事の中でもご存知の方が多いものかもしれません。ですが、毎年12月21日〜6日頃の期間を示す二十四節気のひとつ「冬至」として認識されている方は少ないのではないでしょうか。食卓にかぼちゃが並ぶ、お風呂に柚子を浮かべる……なぜこんな行事があるのか、その理由をご紹介します。

「冬至」とはなんのことをいうのでしょう?

二十四節気とは、中国ではじまった季節を4等分するために1年を12の中気と12の節気に分けたもので、日本には江戸時代に伝わりました。季節が合わない部分を補足するために区分に「雑節」が設けられ、それが日本の旧暦となりました。
その中の「冬至」は、次の節気「小寒」の前日までの日をいい、「冬至日」である12月21日は、太陽が最も南に上るので、昼が1年のうちで1番短く、夜が1番長い日といわれています。

「冬至」にかぼちゃを食べるのはなぜでしょう?

カレンダーを見て「冬至」とあれば、かぼちゃを煮て食べなければ!と思う方も多いのではないでしょうか。
昼が1年のうちで最も短い日となれば、日の照る時間が最も短く、太陽の力が最も弱まる日とされています。そのため、魔よけとして「冬至」の「と」のつく食べ物である「とううり(かぼちゃ)」を食べると、万病の元である風邪を引かないとされてきました。場所によっては、「ん」のつく食べ物を食べる風習もあるようです。

「冬至」の七十二候の意味を知ろう

七十二候は「初候」「次候」「末候」となっていて、二十四節気のそれぞれの節気をさらに約5日ずつ3つに分け、そのころの天気や動物の様子を表すものとなっています。
中国で作られたものを、日本の季節に合うように江戸時代の暦学者により改訂され、「本朝七十二候」がつくられました。
「冬至」の七十二候は……

「初候」 〈乃東生 (なつかくれくさしょうず)〉 夏枯草が芽を出す
「次候」 〈麋角解 (おおしかのつのおつる)〉 大鹿が角を落とす
「末候」 〈雪下出麦 (ゆきわたりてむぎいづる)〉 雪の下で麦が芽を出す

最も太陽の力が弱い様子を、なんともよく表わしていませんか?

「冬至」に柚子湯に入るとどうなるの?

お風呂に浮かぶ柚子は、香りもよく、お風呂に果物!という状況にお子さまも大喜びだと思います。
そんなときに、しっかりと柚子湯に入る理由を話してあげましょう。
一般的には、冬至に柚子湯に入れば風邪を引かないと言われていますが、柚子は季節の果実であり、身体を温める効果があるとされています。良い香りにゆったりとした気分でお風呂につかることもでき、大切にしたい行事のひとつです。
一説には、ゆずは「融通(ゆうずう)がきく」からとも言われています。

はじめてふれる二十四節気と七十二候

タイトル:はじめてふれる日本の二十四節気・七十二候〈4〉冬 熊穴に蟄る
著者  :文 根本 浩 ,絵 小林 絵里子
出版社 :汐文社

「冬至」について学んだところで、次にくる「小寒」や「大寒」の意味などにも興味がわいてくることと思います。
本を見れば、1年の巡りや暦の意味を知ることとなり、毎日が少し変化するように感じます。ぜひお子さまと一緒に本を見たり話したりして「二十四節気・七十二候」についてもっともっと知りましょう。

暦の行事を深く知って、日常生活に取り入れる

「冬至」には、ただやみくもにかぼちゃを食べるだけより小豆粥も良い、それなら小豆も煮てみよう、などと暦の意味を知れば豊かな気持ちが芽生えてきます。
年中行事に詳しくなれば、お子さまも自然と暦に理解が深まり、日本の伝統も絶やすことがなくなるでしょう。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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micky micky  念願のママになり、毎日楽しみながら一人娘の子育てをしています。