2019年10月5日 公開

ペットボトルで雲を作る簡単実験!お天気を身近に感じてみよう

雲って何でできるのかな?お天気ってどうなってるの?と親子で考えながら、お家で簡単実験をしてみませんか?ペットボトルを使えば、空に浮かぶ雲と同じものを自分で簡単に作ることができるんです!気象予報士・水渡敬子さんによるペットボトル実験講座からお伝えします。

ペットボトルで雲を作ろう!

via photo by Mie Shida

私たちの日々の暮らしに密接に関わっているお天気。昨今ではアプリやネット情報が充実し、簡単に時間ごとの気象情報に触れることができるようになりました。

でも、子どもたちにとって空には「不思議」がい~っぱい!教科書やネットから学ぶより、まずは体験・体感してから知識を深めることが大事なのではないでしょうか。

今回は、気象予報士で「K’s天気」代表の水渡敬子さんに、雲作りの実験と雲の不思議について、教えていただきました!

3児の母で気象予報士の水渡敬子さん。関西の研究者ファミリーに育つ。神戸大卒。九州大学大学院にて大気海洋環境システム学専攻・理学修士。気象予報士として第一線で活躍後、妊娠出産を機に24時間体制の現場からは退く。産後は自身の培ってきたデータ解析や予報士・保育士としての知識や知恵を生かし、子育て支援の仕事に従事。現在は、教育プログラムの開発を行いながら、母親向け講座など、広く天気に関する啓もう活動を行っている。
via photo by Mie Shida

準備するもの

via photo by author

●炭酸飲料の空きペットボトル
透明でツルッとしたもので、500ml程度のものが扱いやすいです。水やジュースのペットボトルは破れて危険なので、炭酸飲料が入っていたペットボトルを用意してください。

●炭酸用ペットボトルの栓
商標名「炭酸抜けま栓」「ソーダフレッシュ」など。100円ショップにも置いてありますが500円程度で買える品物がおすすめです。

※パウダータイプのスプレー
炭酸用の栓が手に入らない場合はこちらをご用意ください。

●少量の水

●アルコールスプレー(除菌スプレー等)
空気中のゴミチリの役割を担います。

●液晶温度計
ペットボトルの中に入るサイズの温度計があると良いです。

●色の濃い紙
雲がはっきり見えるように使うのでペットボトルよりやや大きいサイズのものがあると良いです。

※実験は必ず大人の方と一緒に行いましょう。

雲を作る実験をやってみよう!

実験1:気圧と温度の関係を調べよう

via photo by Mie Shida

それではいよいよ実験開始です!まずは、雲が出来上がる仕組みを理解する下準備として、気圧による温度変化を調べてみます。

【1】空のペットボトルに液晶温度計を入れて、温度を測ります
 <28℃>


【2】温度計を入れたまま、炭酸用の栓をしてシュポシュポする(空気を押し込む)
※パンパンになるまでやるのがポイントです!

【3】温度計を見てみると……
 <30℃>

シュポシュポする(=空気をたくさん入れる=気圧を高める)と、温度が上がることが確認できました!

via photo by author

実験【2】ペットボトルに雲を起こそう

via photo by Mie Shida

【1】ペットボトルに水を少しとアルコール(シュっと1回分)を入れる
※水は空気中の水分、アルコールは空気中のチリやゴミの代わりです

【2】炭酸用の栓をしてシュポシュポする(空気を押し込む)
※パンパンになるまでやるのがポイントです!

【3】栓をあけると……
くも!!!雲!!!!真っ白な雲が見えました!実験大成功です!

※人がいる方に向けて栓を抜かないこと。また、ふたを開けたあとはにおいを嗅がない、残った水も飲まないようご注意ください。

via photo by author

炭酸用の栓がない場合の実験方法

via photo by author

【1】ペットボトルに水数滴とパウダータイプのスプレーをシュッと1回分入れる
【2】ペットボトルに指でぎゅっと圧力をかける
【3】手を離すと、
うっすら白い雲ができるのが見えました!!

【実験の考察】なんで雲ができるのかな?

Pongchart B / Shutterstock.com

空気中には目に見えない「水蒸気」がたくさん存在します。水蒸気は温度が上がると空気中にたくさん溶け込み、温度が下がると少ししか溶け込めません。

今回の実験では、ペットボトル内に空気を入れて温度を上げてから、ふたを急に開けることで温度が下がり、溶け込んでいられなくなった水蒸気の粒が雲のように見えるようになりました。

ちなみに、ちりやほこりなどがあると水蒸気は集まりやすくなります。実験では、その役割としてアルコールスプレーを使いました。

空は、地上に比べて気圧が低く気温が低いです。温かく湿った空気が上昇気流に乗って上空にやってくると、ふくらんで温度が下がり、空気中の水蒸気が冷やされ、雲となるのです。
参考URL:雲ができる仕組み
こちらのページに詳しい解説が紹介されています。

空を見上げて子育てしよう!

Vladiczech / Shutterstock.com

雲の形や空の様子、虫や動物の行動からお天気の変化を予測することを「観天望気(かんてんぼうき)」というそうです。

例えば、子どもたちにおなじみの飛行機雲もすぐに消えれば晴れ、広がってくるとお天気が下り坂のサインなんです!お子さまと一緒に空を眺めながら、そんなお話ができたらステキですよね。

Chiikの過去記事ではそんなことわざの数々を、今回、実験を紹介してくれた水渡先生のFacebookページではお天気にまつわるさまざまな情報を公開していますので、ぜひ訪れてみてください。

以上、ペットボトルで雲を作ろう!実験レポートでした。
↓↓↓観天望気のヒントがたくさん!Chiikのこちらの記事もお見逃しなく!
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

福岡すみれ 福岡すみれ  東京都在住、3人のやんちゃな男の子のママです。外遊びが大好きな息子たちと日々いろいろな公園を巡りつつ、3度の食事(とおやつとお酒)を何よりも楽しみに過ごしています。