2019年6月29日 公開

七夕飾りの種類や意味は?子どもと楽しく飾り付けしよう

七夕飾りには「輪飾り」「吹き流し」などさまざまな種類がありますが、それぞれに意味があることをご存じでしょうか?笹飾りの意味を知ると、飾りものを作る楽しみや行事への親しみも湧きそうです。七夕飾りの意味や、七夕の笹の処分の仕方などをご紹介します。

七夕の由来


現在の七夕伝説は、いくつかの伝説が合わさってできたものです。『古事記』にも登場する「棚機津女(たなばたつめ)」という水の神様に、巫女が神聖な布を捧げて村の災厄を取り除き、秋の豊作を祈るという風習。中国の、針に五色の糸を通して供え物をし、針(縫い物)の上達を願うという「乞巧奠(きこうでん)」。そして中国に伝わる織女(しょくじょ)と牽牛(けんぎゅう)のお話が混ざっています。

江戸時代以前は、詩歌や裁縫の上達をお願いしながら和歌をつづるという宮中行事でした。当時は笹の葉ではなく、墨の馴染みが良い梶の葉に願い事を書いていたという記録があります。

七夕飾りはいつからいつまで飾る?


七夕は日本の五節句のうちのひとつで、本来は旧暦の7月7日に行う行事です。現在では、カレンダーどおりの7月7日午前1:00頃から神事が行われるのが一般的。6日の夜に飾り付けて屋外へ出し、6日の夜には引きあげます。

処分の方法

昔は笹飾りを川や海に流して、神様にお願いごとを持っていってもらうとしていました。しかし現在では住んでいる自治体の規定に沿って、ごみとして処分するのが主流です。神社によっては、お札やお守りと同じようにお焚き上げをしてくれるところもあります。

「せっかく作ったのにもったいない」と感じる方もいるかもしれません。お子さまのお願いごとを書いた短冊は保管しておくか、あるいは写真に撮っておいてはいかがでしょうか?年齢が上がるにつれて子どもの願いの内容も変化するため、成長記録にもなります。

七夕飾りの意味


子どもと一緒に七夕飾りを作りたいと考えているパパママも多いのでは。笹飾りにはいくつか種類があり、それぞれ意味が異なることをご存知でしょうか?笹飾りは折り紙で簡単に作れるものも多く、子どもに意味を教えてあげながら一緒に作ると、七夕をより一層楽しむことができます。飾りものの意味をまとめてみました。

吹き流し

吹き流しは、紙風船やくす玉に5色の色テープを貼り付け、織姫にお供えした織り糸に見立てています。織姫の機織りにちなんで、お裁縫や芸事の上達を願う飾りです。

くずかご

折り紙でくずかごを作って飾るのには、整理整頓や節約、倹約の心を育てる意味があります。くずかごのなかに、飾りものを作る際に出た紙くずを少し詰めて飾るのがポイントです。

お財布・巾着(きんちゃく)

折り紙をお財布や巾着型に折って飾ります。お財布は作り方が簡単なので、小さな子どもにもおすすめです。金運上昇を願います。

網飾り・投網

切り目のキレイな網飾りや投網は、魚を獲るときに投げる網をイメージしています。大漁・豊漁祈願のための飾りものです。

輪飾り

キレイな色でつなげる輪飾りは、みんなの夢が繋がりますようにという祈りを込めて作ります。輪つなぎと呼ばれることもあります。折り紙を細く切ってつなげるだけなので、子どもと一緒に作りやすいでしょう。

提灯(ちょうちん)

ちょうちんは、周りを明るくしてくれる道具です。みんなの心を明るく照らしてくれるように、明るい未来への願いが込められています。

星飾り

お星さまの飾りは、みんなの願いごとが星まで届くようにという意味がこめられています。晴れて星が輝き、織姫と彦星が無事に会えることを願うという説もあります。

貝飾り

魚や貝がたくさん獲れますようにという意味があります。食べ物に困らないように豊作を願う飾りものです。

菱飾り

菱飾りは天の川をイメージしています。菱飾りを飾らずに、輪飾りで天の川を表現することもあります。

紙衣

紙で作った人形や着物を飾ったものが神衣・紙衣(かみこ)です。災いや穢れの身代わりになってもらう意味が込められています。着るものに困らないようにという意味もあります。

折り鶴

折り鶴は神様に、長生きできますようにとお願いする飾りです。折り方を教わることから、習い事が上手になるようにという願いが込められているという説もあります。

織姫と彦星

2人のようにずっと仲良く、永遠の愛が続きますようにというロマンチックな願いが込められています。

笹の葉

笹の葉は先がとがっているのが特徴で、昔から魔物(邪気)を払う葉とされてきました。邪気を払うことで、願い事を叶いやすくする目的があります。

5色の短冊の意味


七夕における5色とは「青・赤・黄・ 白・黒(紫)」のことで、昔の中国の陰陽五行説に由来しています。それぞれの色に意味があり、この5色を短冊や吹き流しに使うことで、魔除けになると伝えられてきました。

昔は5色の糸を飾っていましたが、江戸時代になると当時流行していた書道の影響で、短冊に願いごとを書くようになったとされています。

5色それぞれの意味とは?

短冊を書くときには色を意識して、色の持つ意味にちなんだ願い事を書いてみてはいかがでしょうか。

青:徳を積む・人間力を高める・周囲への感謝
赤:親や祖先など家族への感謝の気持ちを示す
黄:信頼、知人・友人を大切にする。人間関係の向上を祈る
白:義務や決まりを守る
黒(紫):学業の向上

七夕は意味を知ってより楽しく

色とりどりの七夕飾りは見るだけでも楽しいものですが、お願いごとをするというロマンチックな側面もあり、子どもも参加しやすい行事です。今年の七夕祭りは、子どもに一つひとつの意味を説明しながら飾りものを作ってみてはいかがでしょうか。日本古来の季節の行事も、より身近に感じられそうです。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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コバヤシ トモコ コバヤシ トモコ  奈良県出身/フリーライター/週末釣り部/海と釣りが好き/ 優しいダンナ君と優しい中学生の双子男子のステップファミリー