2016年10月21日 公開

【霜降】サクサクと霜を踏みしめて……冬の訪れを感じよう!

二十四節気のひとつ霜降は「そうこう」と読み、霜が降りてくる季節、毎年10月23日〜11月7日頃のことをを指します。一つ前の寒露の季節には凍りきらなかった朝露は完全に凍り、土の上の霜を踏みしめるとサクサクと軽やかな音を楽しむことができます。そんな霜降を七十二候とともに紹介します。

紅葉が美しい霜降の季節!山の変化が見ごろ

霜降は二十四節気で言うところの秋の一番最後にあたります。

現在一般的な暦の10月23日ごろからが霜降の時期で、実をつけ終えた木々や草花はその様子を変え、山々は紅葉を迎えます。

勢いのある夏の緑も美しいですが、紅葉に彩られた山の様子もまた格別です。
子どもには、この時期にも色の変わらない常緑樹と紅葉する落葉樹の違いなどについて話してみるのも良いかもしれません。

霜降のはじめは、霜始降(しも はじめて ふる)

霜降の初候は「霜始降(しも はじめて ふる)」で10月23日ごろからの4日間を指します。日中は温かく、心地よく過ごせる日もありますが、朝はぐんと冷え込みます。

そのため、朝は草花をキラキラと輝かせていた霜も、太陽が真上に上るころには跡形もなく消えています。この時期の美しい霜の風景は、早起きしたときの特権ですね。

しかし、霜もいいことばかりではありません。霜が降りてくるのは農作物も同じで、きちんと対策をしていないと寒さにやられて十分な収穫ができなかったりします。
農家の人にとっては、畑の寒さ対策をはじめる時期でもあるのですね。

降ったり止んだりの霎時施(こさめときどきふる)

霜降の次候は「霎時施(しぐれときどきふる)」で、10月28日ごろからはじまります。

その名の通り時雨が降る時期で、そのさまはまるで秋が別れを惜しんでいるようです。
降っては止んでを繰り返しますが、この雨は降り続くようなことはあまりありません。ひと雨降るごとに冬の気配がその存在感を増していき、気温もどんどん下がっていきます。

山がカラフルになる季節!楓蔦黄(もみじつたきばむ)

霜降の末候は「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」で11月2日ごろからです。この時期になるとすっかり冬の気温になってきて、山の景色もがらっと変わってきます。
落葉樹はこれが最後と言わんばかりに葉を赤や黄色に染め、山に彩を与えてくれます。

また、ここでいう「もみじ」は紅葉(こうよう)のことをさすので、カエデ以外の葉っぱの色の変化も全て含んでいます。

紅葉の後は落葉が待っていますが、広葉樹の落葉よりも針葉樹の落葉の方が実は多いという研究結果があるそうです。山を見ながら豆知識的に話してあげると、季節の移ろいや木々の変化や特徴について、子どもの興味をひきだせるかもしれませんね。

霜降の時期に食べたいあれやこれ!

タイトル:はじめてふれる日本の二十四節気・七十二候〈3〉秋―菊花開く
著者  :根本浩(著)/小林絵里子(絵)
出版社 :汐文社

霜降の季節に旬を迎える食べ物はいろいろあります。

例えば鮭。この季節の鮭は、卵を産むためにたくさんの栄養をたくわえて川へ戻ってきます。そんな鮭は、特別に秋味と呼ばれ、味だけでなく消化吸収にもいいとされています。

また、ビタミンCがたくさんとれて、さまざまな加工で楽しめる柿や、体を温める効果でこれから冬に向かうこの季節に嬉しいしょうがなども旬を迎えます。

もっといろいろなことが知りたい場合は、『はじめてふれる日本の二十四節気・七十二候〈3〉秋―菊花開く』を参考にしてみましょう。

霜降の季節になったら……

霜降の季節は、冬直前の冷え込みが厳しくなるタイミングです。朝晩の寒暖差の激しさもありますから、体調を崩さないように気をつけましょう。しっかりとした体調管理をし、元気な体で季節の変化を楽しみましょう。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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