「賢い子ども」「成功する子ども」って?
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タイトル:科学が教える、子育て成功への道
著者:キャシー・ハーシュ=パセック(著)、ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ(著)、今井 むつみ(訳)、市川 力(訳)
出版社:扶桑社
著者:キャシー・ハーシュ=パセック(著)、ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ(著)、今井 むつみ(訳)、市川 力(訳)
出版社:扶桑社
言葉や認知の発達について、40年あまり研究を続けているアメリカの大学教授2人による共著『科学が教える、子育て成功への道』。本書はその邦訳版で、副題には、「強いココロと柔らかいアタマを持つ「超」一流の子を育てる」とあります。中には、アメリカにおける学校教育の問題点や、世界の教育改革の成功事例、これからの時代を生き抜くために必要なスキルについて、さまざまな研究データや論文を元にした情報が紹介されています。
みなさんは、「賢い子ども」と聞いて、どういう子どもを思い浮かべますか? 「成功する子ども」と聞いて、何が子どもにとっての成功なのかイメージを持っていますか?
学校で優秀な成績を納めて有名大学に入る子は、賢い子に違いありません。一流企業に就職し高収入を得ることを、成功と呼ぶこともできます。しかし、本書では、そうした一面的な賢さや成功は、このグローバル時代においてもはや時代遅れである、と言っています。
みなさんは、「賢い子ども」と聞いて、どういう子どもを思い浮かべますか? 「成功する子ども」と聞いて、何が子どもにとっての成功なのかイメージを持っていますか?
学校で優秀な成績を納めて有名大学に入る子は、賢い子に違いありません。一流企業に就職し高収入を得ることを、成功と呼ぶこともできます。しかし、本書では、そうした一面的な賢さや成功は、このグローバル時代においてもはや時代遅れである、と言っています。
もちろん、勉強はできた方がいいですし、お金もあったほうがいいに決まっています。ただ、それをゴールにしてしまうことに疑問を呈しているのです。では、現代において、子どもたちが本当に身につけなければいけないこと、学ばなければいけないことは何か。親や学校が評価しなければいけないことは何か。本書では、それを「6つのCの力」だと説いています。そして、この6つのCの力を伸ばしていくことが、21世紀にマッチした「賢さ」であり「成功」への道導になるのです。
グローバル時代を生き抜くために必要な6つのCとは?
6つのCとは、「Collaboration(コラボレーション)」「Communication(コミュニケーション)」「Content(コンテンツ)」「Critical Thinking(クリティカルシンキング)」「Creative Innovation(クリエイティブイノベーション)」「Confidence(コンフィデンス)」のこと。
本書を読んで感じたことは、それぞれの能力は、とても密接に結びついているということ。コラボレーションは、コミュニケーションなくしては生まれないし、疑問に感じたり不思議に思う経験(クリティカルシンキング)を通して新しい知識(コンテンツ)を獲得したり、想像力を高めて新しいものを生み出していくこと(クリエイティブイノベーション)ができます。
そして、さまざまな経験を通して身につく自信(コンフィデンス)。友達と協力し合って何かを成し遂げたときの満足感、作りたいものを作れたときの達成感など、結果ではなくそのプロセスに注目して子どもを認めてあげることで、子どもの自信指数が上がり、自己肯定感を鍛えることができる、と書かれています。
本書を読んで感じたことは、それぞれの能力は、とても密接に結びついているということ。コラボレーションは、コミュニケーションなくしては生まれないし、疑問に感じたり不思議に思う経験(クリティカルシンキング)を通して新しい知識(コンテンツ)を獲得したり、想像力を高めて新しいものを生み出していくこと(クリエイティブイノベーション)ができます。
そして、さまざまな経験を通して身につく自信(コンフィデンス)。友達と協力し合って何かを成し遂げたときの満足感、作りたいものを作れたときの達成感など、結果ではなくそのプロセスに注目して子どもを認めてあげることで、子どもの自信指数が上がり、自己肯定感を鍛えることができる、と書かれています。
ソフトスキルとハードスキル
本書では、こうした能力をソフトスキルと呼び、従来のテストなどで評価されるような学習能力をハードスキルと呼んでいます。また、現状の学校教育ではこのハードスキルに重きが置かれていることに警鐘を鳴らしています。確かに、学校を卒業して、社会に出てから本当に役立つ能力は、ソフトスキルであることに間違いはないでしょう。だったら、ソフトスキルを伸ばすことに学校として取り組んでほしいところですが、評価基準が難しかったり、20人30人といる生徒を一人の担任で見て、勉強以外を教えていくことは実際は難しいこと。
このソフトスキルは、学校以外の家庭での生活や遊びの中でも伸ばすことができる、と本書にはあります。そして、実際に、子育てをする親としてどう子どもに接するとよいか、という具体的なアドバイスもしています。そうです、ここで親の出番なのです! 今の学校では教えにくい、ソフトスキルを伸ばすことを、普段の生活の中で意識することが大切だということです。
このソフトスキルは、学校以外の家庭での生活や遊びの中でも伸ばすことができる、と本書にはあります。そして、実際に、子育てをする親としてどう子どもに接するとよいか、という具体的なアドバイスもしています。そうです、ここで親の出番なのです! 今の学校では教えにくい、ソフトスキルを伸ばすことを、普段の生活の中で意識することが大切だということです。
芸術が6つのCの力を伸ばす?
6つのCの力を伸ばすためには、芸術に触れることが適している、と著者は言っています。
音楽に合わせて友達と踊ったり歌ったりすることはコラボレーションの第一歩。親子で何かを一緒に作ったり、絵や写真などについて感想を言い合ったりするのもいいかもしれませんね。正解のない芸術は、自信を養うにもぴったり。子どもが落書き帳に描いた絵だって、立派な芸術! どうしてこういう色を使ったのか、何を表現したかったのか、子どもに聞きながらいちいち褒めてあげると、きっと子どもは嬉しくて、自分に自信を持ってくれるでしょうね。
筆者は、これまでもできるだけ子どもを褒めるようにしていましたが、これからはプロセスにも注意して子どもを見ていこうと思いました。音楽や工作、お絵かきもただ楽しむだけではなく、6つのCを意識して接していきたいです。
音楽に合わせて友達と踊ったり歌ったりすることはコラボレーションの第一歩。親子で何かを一緒に作ったり、絵や写真などについて感想を言い合ったりするのもいいかもしれませんね。正解のない芸術は、自信を養うにもぴったり。子どもが落書き帳に描いた絵だって、立派な芸術! どうしてこういう色を使ったのか、何を表現したかったのか、子どもに聞きながらいちいち褒めてあげると、きっと子どもは嬉しくて、自分に自信を持ってくれるでしょうね。
筆者は、これまでもできるだけ子どもを褒めるようにしていましたが、これからはプロセスにも注意して子どもを見ていこうと思いました。音楽や工作、お絵かきもただ楽しむだけではなく、6つのCを意識して接していきたいです。
プレイフルラーニングで親子で成長!
筆者の長女はとても几帳面な性格です。塗り絵をするとき、線からはみ出すことを極端に嫌います。見本通り、だまってもくもくと塗り続けます。できあがった絵はとてもきれいで、私はそこだけを褒めていました。本書を読んで、そこから一歩踏み込んでみるのが大切なのだと気付きました。
一緒に塗り絵をして、私が違った色で完成させた絵や、次女の線を無視してグルグル塗りつぶした絵を比べてみると楽しいかなと思いました。こういう色づかいも素敵よね、次女もだんだん上手になってきたよね、という会話から、もっとのびのびと、失敗を恐れずに「やってみたい」という気持ちを伸ばしてあげることができるのじゃないかな、と。
本書の中でも、こうした親子の「プレイフルラーニング」の効果について書かれています。6つのCは、何も子どもだけに求められる能力ではありません。そして、子ども時代にだけ伸ばせる能力でもありません。大人だって、これから6つのCを身につけ、磨いていく時代。子どもと一緒にプレイフルな時間を作って、ともに成長していききたいものです。
少々長い本ですが、子育て世代が参考にしたくなる情報がたくさん。ぜひ一度手に取ってみてください。
一緒に塗り絵をして、私が違った色で完成させた絵や、次女の線を無視してグルグル塗りつぶした絵を比べてみると楽しいかなと思いました。こういう色づかいも素敵よね、次女もだんだん上手になってきたよね、という会話から、もっとのびのびと、失敗を恐れずに「やってみたい」という気持ちを伸ばしてあげることができるのじゃないかな、と。
本書の中でも、こうした親子の「プレイフルラーニング」の効果について書かれています。6つのCは、何も子どもだけに求められる能力ではありません。そして、子ども時代にだけ伸ばせる能力でもありません。大人だって、これから6つのCを身につけ、磨いていく時代。子どもと一緒にプレイフルな時間を作って、ともに成長していききたいものです。
少々長い本ですが、子育て世代が参考にしたくなる情報がたくさん。ぜひ一度手に取ってみてください。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。