2016年10月24日 公開

フランスの子どもは何でも食べる?フランスの食育事情

「フランスの子どもは何でも食べる」という本が人気で、日本でもフランスの食育が注目されているようですが、本当かな?と思っている方も多いと思います。頻繁に家族や友達で集まり、3-5時間に渡る食事を楽しむフランス人。その間、子どもたちはどう過ごしているのでしょうか。フランスのある日曜日の家族の食卓を現地からお伝えします。

食事のお手伝いをさせる!

igor kisselev / shutterstock.com
フランスでは、2歳くらいから子どもが食事のお手伝いをするように勧められています。
フォークやスプーンなどのカトラリー、もしくはナプキンをテーブルに並べる、といった簡単な内容ですが、子どもたちは積極的に食事の準備に参加します。

これによって、「今から食事の時間なんだ!」と自然に認識するようになるようです。それまでの自由時間から食事の時間への切り替えとして、お手伝いの時間を設けることが重要です。

食前のおつまみに生野菜?

Africa Studio / shutterstock.com
フランスの週末の食卓は、食前酒から始まり、順番に前菜、主菜、チーズ、デザートと本格的なコース料理を家庭でも準備します。

大人たちはまず、ソファで食前酒を楽しみます。おつまみとしてソシソン(サラミのような乾燥ソーセージ)の他に、人参やミニトマト、ラディッシュなどの生野菜を出されることが多いです。

このとき、子どもたちは嫌がらずに、生野菜をカリカリとおやつのように食べます。おつまみとして出すことで、おやつ感覚で野菜を食べさせることができます。しかも、お腹がすいている状態なので苦手意識を持たずに食べられるようです。

全ての品目をひと口は食べる!

Maryna Pleshkun / shutterstock.com
大人が食べる食事のミニ版を用意します。

大人たちは前菜、主菜、チーズ……と長い時間をかけて食べますが、子どもたちは前菜のタイミングでこのミニ版をワンプレートで食べます。このとき、一品一品の量は少ないですが、全品お皿に盛ることが重要です。

バランスよく食べさせるためだけではなく、子どもに「自分だけ特別扱いではないんだ」ということを認識させるためです。

食べなくてもいいけど、家族の食事を邪魔しないで!

Olena Yakobchuk / shutterstock.com
それでもやっぱり好き嫌いはありますよね。
そんなときは、ひとくち味見して、それ以上は食べなくてもいいのがフランス流。あまり無理をして食べさせようとすると、子どもの中に苦手意識が生まれてしまい、親もストレスになります。

御法度は大人が食事を楽しむのを邪魔すること。
大人たちの食事と会話が最も大切で、「その場を邪魔しないこと」が教育として徹底しているようです。それでも駄々をこねる場合は、5分ほどひとりで部屋に籠らせるなど、子どもに自分の立場をはっきりさせることがおすすめされています。

自分の分を食べたらデザートの時間まで席を離れても遊んでもいいのですが、大人の食事の邪魔は絶対させない、というのが鉄則です。

団らんの時間と食事の時間の区別をハッキリと!

Monkey Business Images / shutterstock.com
子どもが駄々をこねて食べたがらなかったり、食事中に動き回るのは、食事時間と自由時間の区別がはっきりしていないからだと言われています。毎回の食事で自由時間、お手伝いの時間、食事時間、自由時間、という風に食前食後の流れを習慣にしてあげることが大切です。

またフランス人は食事中の会話や議論が大好きなので、食事をしながらテレビをみたり、スマホをいじり続けることがあまりありません。大人自身も食事と自由時間の区別をしっかりできていることが、子どもに影響するのかもしれませんね。

フランス流!子どもが何でも食べるようになるコツ

Oksana Kuzmina / shutterstock.com
フランス流食育事情、いかがでしたか?今日から真似できるテクニックがたくさんありますよね!

今回お伝えしたフランス人の食卓の内容は、実際にいくつかのフランス家庭でお食事したとき、共通して見られる傾向です。毎回、フランス人の子どもたちの食事中のお行儀の良さには驚かされます。

親の食事への向き合い方が、子どもの食事への向き合い方にあらわれているんだと実感させられます。日々のことだと面倒がらずに、親がブレないことが大切ですね。

フランスの子どもはなんでも食べる〜好き嫌いしない、よく食べる子どもが育つ10のルール | カレン・ル・ビロン, 石塚 由香子(まちとこ), 狩野 綾子(まちとこ) |本 | 通販 | Amazon

1512
タイトル:フランスの子どもはなんでも食べる~好き嫌いしない、よく食べる子どもが育つ10のルール 著者:カレン・ル・ビロン 著 / 石塚由香子(まちとこ) 、 狩野綾子(まちとこ) 訳 出版社:WAVE出版
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

3分でわかる知育マガジン「Chiik!」

RECOMMEND この記事を読んだあなたにオススメ

学習能力UP!英才食育につながるつくりおき料理って?

学習能力UP!英才食育につながるつくりおき料理って?

体によく、記憶力や集中力がUP、そしておいしい! そんな料理が作れたら嬉しいですよね。「学習能力をあげるつくりおき」をテーマに開催したChiik!×出張つ...
野菜嫌いを克服するために、食育大国フランスで学んだ6つの方法

野菜嫌いを克服するために、食育大国フランスで学んだ6つの方法

野菜嫌いの子ども、多いですよね。「緑のものは全く食べない」といった子どもに、野菜を食べさせるにはどうしたら?と頭を悩ませてはいませんか。美食の国・フランス...
管理栄養士が解説!知ってる?「毎日くだもの200グラム運動」

管理栄養士が解説!知ってる?「毎日くだもの200グラム運動」

「毎日くだもの200グラム運動」をご存知ですか?1人1日200g以上の果物の摂取を推進する運動です。近年の研究により、果物にはがんや生活習慣病に対して予防...
食事が大好きになる♪子どもの食べる意欲を引き出す工夫5選

食事が大好きになる♪子どもの食べる意欲を引き出す工夫5選

食事の時間になってもなかなか子どもが食べてくれない……。そんなときに使える、子どもの食べる意欲を引き出す工夫を5つご紹介します。食事を楽しめるようになれば...
親子で楽しい箸育!正しい箸の持ち方やおすすめ商品をご紹介

親子で楽しい箸育!正しい箸の持ち方やおすすめ商品をご紹介

私たちの生活に欠かせない、お箸。子どもにはきちんとした「箸育」で、正しいマナーを教えてあげたいですよね。そこで今回は、正しい箸育の方法と、おすすめの子ども...

KEYWORDS

WRITER

kaori kaori  在仏9年目、パリ在住。慶応義塾大学文学部卒業、フランスの大学院で日本語教育学を学びました。現在、フランスのラグジュアリー・ブランドに勤務しつつ、日本語学校を運営しています。現地からフランス流の子育て情報をお届けします!