2018年3月5日 公開

毎日読み聞かせしたい!親子で楽しむ絵本「こんなこいるかな」

個性あふれる魅力的な12人のキャラクターたちを描く「こんなこいるかな」は、1986年からNHK教育テレビ「おかあさんといっしょ」内で放送され、アニメから生まれた人気絵本シリーズです。十人十色のキャラクター12人をご紹介します。

親になって初めて知る「こんなこいるかな」の魅力とは

via photo by author
アニメが放映されていたのは、30代の筆者が小学生だったころです。親になった今、絵本を読み返すと、キャラクターたちは、わが子そのもの。毎日、「やだもん」のように「いやだ、いやだ」と言ったり、「もぐもぐ」のように「お腹空いた~」と空腹を訴え、おやつをせがんだり。

でもときには、「ぴかっと」のように、大人では思いつかないアイデアでまわりを楽しませたり、「はっぴ」のように、やさしい心で人を思いやったり。

わが子はどんな子なんだろうと、キャラクターに重ね、共感しながら、読み進めていく楽しさが待っています。

また作者・有賀忍さんは、絵本のあとがきに『子どもたちに「きみがいるからおもしろい」ということを伝えたかった』と書いています。

その言葉通り、子どもはみんな個性的です。一人一人違うからこそ、輝けるー。そのことに、「こんなこいるかな」を読むと、気付かされました。

子育てに忙殺される日々では、わが子の性格を親にとって「いい」「悪い」と単純な線引きをしがちに。しかし、子どもの性格を個性として認め、どう伸ばしていくのかが、親として大事な役目なんだなと、身の引き締まる思いがします。

ぜひ親子で読んでみてください。そして、「あなたはあなたでいいんだよ」とメッセージを伝えてみてください。12人の中から好きなキャラクターを見つけて、キャラクターの名前を子どもの名前に変えて読むと、より盛り上がりますよ!

【1】いやだ いやだの やだもん

タイトル:こんなこいるかな【新装版】1 いやだ いやだの やだもん
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
やだもんは、何を言ってもいつも決まって返事は「いやだもん」。お友だちと公園で遊び、薄暗くなっても、砂遊びに夢中のやだもんは一人帰らず。でも大変なことになってしまい…。

子どもに「なんで、やだもんはいやなのかな~?」と聞きながら読み進めてみると、意外な答えが返ってきて面白いですよ。イヤイヤ期の子どもにおすすめ。

【2】こわがりやの ぶるる

タイトル:こんなこいるかな【新装版】2 こわがりやの ぶるる
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
こわがりやのぶるるは、とっても弱虫。いつも「こわいよう」とブルブル、ガタガタと震えてばかり。夜寝ようとしたら、どこからか音が!恐る恐る様子を見に行くと…。

筆者の3歳の息子も極度のこわがり。「夜、おばけが出たら、どうする?」と聞いてみたら、「布団の中に隠れる」とか。息子にも、最後はぶるるのようにちょっと成長してほしいものです。

【3】いたずらっこの たずら

タイトル:こんなこいるかな【新装版】3 いたずらっこの たずら
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
いたずら大好きのたずらは、お友だちにいたずらばかり。朝から晩まで、どんないたずらをしようかな~と大忙し。今日は、こねこのみゃーにいたずらを仕掛けて大成功!もう一回仕掛けようとするけれど…。

子どもは、いたずらが好きです。「でも、やりすぎると痛い目に遭うぞ~、いたずらもほどほどにね!」という、メッセージを子どもに伝えるのに最適ですよ。

【4】わすれんぼうの ぽっけ

タイトル:こんなこいるかな【新装版】4 わすれんぼうの ぽっけ
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
わすれんぼうのぽっけは、毎日忘れ物ばかり。今日は、くだものやさんにバナナとリンゴを買いに…。でも行ったはいいけど、何を買うのか忘れちゃった!?

「何度言ったら、分かるの!?」と、ついつい子どもを怒りがちですが、このお話を読むと、子どもは何かに夢中になると忘れちゃうものなんだなーと、反省。大きな心で見守りたいものですね。

【5】くいしんぼうの もぐもぐ

タイトル:こんなこいるかな【新装版】5 くいしんぼうの もぐもぐ
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
食べることが大好き!くいしんぼうのもぐもぐは、朝から晩までずーっと食べてばっかり。ぺろとみゃーがもぐもぐを外遊びに誘っても、食べ物で膨らんだお腹がつっかえて、外に出られない!仕方なく、お家で遊ぶことにしたけれど…。

呆れてしまうほど食べてばかりのもぐもぐですが、愛嬌があり憎めない存在です。子どもと一緒に「もぐもぐはしょーがないね~」と笑いながら、読みたい一冊。

【6】ちらかしやの ぽいっと

タイトル:こんなこいるかな【新装版】6 ちらかしやの ぽいっと
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
散らかしやのぽいっとは、なんでも散らかし放題。一緒に遊ぶぺろが、仕方なくお片付けするはめに。「いつも片付けさせるんだから…」と困っていると…。

わが家の「ちらかしやのぽいっと」にお困りのパパママにぴったりの一冊。「お片付けするといいことがあるんだよ」と伝えてみては。

【7】あいでぃあまんの ぴかっと

タイトル:こんなこいるかな 【新装版】7 あいでぃあまんの ぴかっと
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
ぴかっとは、あいでぃあまん。面白いことを考え出す、ゆかいな子。みんなが困っているときも、ぴかぴかぴかっと頭が光って、いいアイデアが浮かんだ!?

子どもはみんな、ぴかっとのように発想力が豊かです。親子で「ぴかぴかぴかっ」を合言葉に、新しい遊びやおもちゃを考え出すのも、楽しい時間ですよ。

【8】がんばりやの がんがん

タイトル:こんなこいるかな 【新装版】8 がんばりやの がんがん
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
がんばりやのがんがんは、何をするにも一生懸命。とても元気な張り切り屋さん。ある日、ぺろとみゃーと三人で魚釣りに。しかし、頑張ってもがんがんだけ、魚が釣れず。仕方なく帰ろうとすると、橋が壊れていて…。

リーダーシップのあるがんがんは、何事も最後までやり遂げる子です。できなくても頑張ることが大切ー。そんなメッセージが伝わってくる一冊です。

【9】まねっこの まねりん

タイトル:こんなこいるかな 【新装版】9 まねっこの まねりん
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
人のまねをするのが、大好きなまねりん。こねこのみゃーがつみきで遊ぶと、まねっこ。みゃーが公園のブランコで遊んでも、またまねっこ。ついには「まねばかりしないで」とみゃーが怒って行ってしまい…。

子どもは、まねっこが大好きです。お友だちが遊んでいるおもちゃを欲しがったり、他の子が遊んでいる遊具で遊びたがったり。でも、ケンカしても最後に仲良く遊べるのは、子どもだからこそ。読むと、心がほんわかする一冊です。

【10】しりたがりやの なあに

タイトル:こんなこいるかな 【新装版】10 しりたがりやの なあに
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
しりたがりやのなあにの口癖は、「あれ なあに?これ なあに? それ なんだろう?」。なんでも知りたがるので、いろいろなものに夢中になってしまい…!?

「なんで、空は青いの?」「なんで、ゾウさんのお鼻は長いの?」。子どもの知りたい!という気持ちは無限大です。しりたがりやのなあにのように、子どもの好奇心を伸ばしてあげたいものですね。

【11】わらいんぼうの げらら

タイトル:こんなこいるかな 【新装版】11 わらいんぼうの げらら
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
わらいんぼうのげららは、いつもにこにこ、どこでもげらげら、とっても大きな声で大笑い。バドミントンしているぺろとみゃーが失敗するたびに、「がははははー」と大笑い。そんな二人は、げららにカンカン!!

ぺろとみゃーが「ひとの失敗を笑うなんて、ひどい」と怒ります。悪気はなくとも、笑ってはいけないときがあるー。場の空気を読む必要性を、大人でも再認識させられます…。

【12】いつも しんせつな はっぴ

タイトル:こんなこいるかな 【新装版】12 いつも しんせつな はっぴ
 編著者:有賀 忍
 出版社:日本図書センター
いつも親切なはっぴは、こころのやさしい子。ある日、公園にはっぴがやってくると、砂場でミニカーがなくなったと泣いているぺろに遭遇。はっぴは、ぺろの代わりに砂場の隅から隅まで探すことに…。

自分のことより人のことを思いやる、やさしいはっぴ。お友だちが困っているときに、手を差し伸べることの大切さを教えてくれます。

毎日会いたくなる絵本!

絵本「こんなこいるかな」は、12人すべてのキャラクターに愛着がわき、毎日会いたくなる、そんな気持ちになるシリーズです。ぜひ子どもと語り合いながら、親子で楽しんでみてくださいね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

あさの ひろみ あさの ひろみ  長野県出身。エディター兼ライター。東京の大学卒業後、出版社でマンガ編集者の経験を経て、一時帰郷。地元の新聞社で情報紙の記者としてローカルネタを取材する日々を送る。その後、転勤族の嫁となり、都内周辺をウロウロ。2015年に息子、2017年に娘を出産。わんぱくすぎる息子には枠にはまらない人になってほしいと願いながら日々、育児に奮闘中。