2018年3月15日 公開

6歳児におすすめ!発想を広げる冒険絵本5選

探検隊や海賊などになって、想像力豊かにごっこ遊びをする子どもたち。6歳前後はそんな遊びが特に盛んになる年頃です。そんな子どもたちに冒険絵本を読んであげれば、さらに発想が広がっていくでしょう。これまで数千冊の絵本を読み聞かせしてきた筆者が、6歳児におすすめの冒険絵本と幼年童話を5冊紹介します。

めっきらもっきらどおんどん

タイトル:めっきらもっきら どおんどん
著者:長谷川 摂子(作)ふりや なな(画)
出版社:福音館書店
遊び相手がいなくてつまらなかったかんたは、神社の御神木の前で大きな声でおかしな歌を歌っています。すると、御神木の穴の中からかんたを呼び寄せる声が……。穴を覗いたとたん吸い込まれてしまったかんたは、夜の山で3人のバケモノたちと出会い、風呂敷で空を飛ぶなど楽しい時間を過ごします。

この絵本には、「めっきらもっきらどおんどん」のように、声に出したくなる言葉がたくさん出てきます。ただ読み聞かせるだけではなく、子どもが絵本の中の言葉をつぶやきたくなるように促してあげましょう。

おしいれのぼうけん

タイトル:おしいれのぼうけん
著者:ふるたたるひ、たばたせいいち(作)
出版社:童心社
保育園でお昼寝の時間にケンカをしたあきらとさとしは、反省するために押し入れの上の段と下の段にそれぞれ入れられます。けれども、押し入れに入れられるのは間違っていると謝りません。すると、押し入れの中が夜の山と海に変り、二人は怖いねずみばあさんとねずみたちに追いかけられることに……。

押し入れの中にいるだけでも怖いのに、恐ろしいねずみばあさんに追い詰められる展開にハラハラどきどきです。そんな「おしいれのぼうけん」は、素直に謝ることや、大人の圧力に負けない勇気を教えてくれます。また、大人には、子どもが悪いことをしたときの接し方を考えさせてくれる1冊です。

かいじゅうたちのいるところ

タイトル:かいじゅうたちのいるところ
著者:モーリス・センダック(作)、 じんぐう てるお (訳)
出版社:冨山房
大暴れしたマックスが、お母さんに夕飯抜きで寝室に入れられると、寝室が森や海に変ってしまいます。そして、マックスは航海をして、かいじゅうたちのいる島にたどり着くのです。小さなマックスは、一体どのようにかいじゅうたちと仲良くなるのでしょうか?

世界中で愛されるモーリス・センダックの名作「かいじゅうたちのいるところ」。美しい絵と憎めないかいじゅうたちの表情にひきつけられます。この物語から、どんなことがあっても家は安心して帰れる場所ということを感じてもらいたいです。

わんぱくだんのたからじま

タイトル:わんぱくだんのたからじま
著者:作/ゆきのゆみこ・上野与志 絵/末崎茂樹
出版社:ひさかたチャイルド
砂場で海賊ごっこをしていた、けん、くみ、ひろしの「わんぱくだん」の3人組が、突然、本物の海賊になってしまいます。3人はそれぞれの長所を生かし、短所をカバーしあいながら宝探しの大冒険をします。

これまでに21作が出版されている「わんぱくだん」シリーズの1冊です。大冒険にワクワクしながら、友達と協力することの大切さを教えてくれます。

たんたのたんけん

タイトル:たんたのたんけん
著者:中川李枝子(作) 山脇百合子(絵)
出版社:学研
誕生日に探検の地図を受け取ったたんたは、帽子、お菓子、望遠鏡を買って探検の準備をしています。すると、どのお店でもひょうの子がたんたと同じものを買っています。たんたは、ひょうの子と一緒に探検をすることに……。

絵本「ぐりとぐら」の作者による幼年童話です。「ぐりとぐら」シリーズが好きな子どもたちは、きっと気に入るでしょう。これまでに紹介した4冊と異なるのは、「本当にこんな探検ができるかもしれない」と思えるところです。幼年童話なので、絵本よりは長いですが、温かく、優しい気持ちになれるお話なので、じっくり読み聞かせてあげてくださいね。

名作絵本の世界で冒険をしよう!

今回紹介した5冊は「かいじゅうたちのいるところ」(1975年出版)をはじめとし、長い間、子どもたちを魅了しています。パパママが子どものときに読んだものも含まれていたのではないでしょうか?

いつの時代も多くの子どもは「冒険してみたい」、「不思議な世界に行ってみたい」という気持ちがあります。6歳前後はそんな気持ちが特に強くなる年頃ではないでしょうか。ぜひ親子で、今回紹介した冒険の絵本と幼年童話を一緒に楽しんでください。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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LOA

WRITER

LOA LOA  カナダ在住の英日翻訳者・フリーライター。Web媒体で子育てや語学学習についての記事を多数執筆。8歳の息子が0歳のときからはじめた絵本の読み聞かせは、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。これまでに息子と読んだ絵本や児童書は、日本語、英語、フランス語を合わせて数千冊。息子が笑顔になる絵本を見つけるのが喜びです。