2017年5月9日 公開

初めての幼年童話に!『へんてこもり』シリーズで楽しく言葉遊び

「幼年童話」を知っていますか?絵本よりは話が長く、児童書よりは文字が大きく絵が多い作品が幼年童話です。絵本から児童書へのステップとして、幼年童話は最適なのです。初めての幼年童話としてオススメの『へんてこもり』シリーズを紹介します。

『へんてこもり』シリーズの魅力

『へんてこもり』シリーズは、数多くの絵本や児童書を世に送り出している作家の高楼方子(たかどのほうこ)さんの作品です。これまでにシリーズ5作品が出版されています。

物語は、そらいろようちえんの裏にある「ヘンテ・コスタのもり」、通称「へんてこもり」が舞台です。仲良し4人組が「まるぼ」や「ぼさこう」など不思議な生き物たちと、奇妙な経験をします。

いつもの遊び場が、別の入り口から入っただけで不思議な空間に変わってしまうというワクワク感が子どもを惹きつけます。そして、思わず笑ってしまう場面もたくさんあります。

また、このシリーズには「言葉遊び」を楽しくするヒントがたくさん詰まっています。物語の中に出てくる「言葉遊び」を親子で試してみることは、子どもの言葉の成長にも役立つでしょう。

へんてこもりにいこうよ

タイトル:へんてこもりにいこうよ
著者:たかどの ほうこ(作・絵)
出版社: 偕成社
アキオ、ケケコ、ブンタ、ノンコの仲良し4人組が、へんてこもりで動物しりとりをしています。すると、言葉が思い浮かばなかったブンタが思わず「まるぼ!」と叫んだのです。もちろん、他の3人にはそんな動物はいないと騒ぎ立てられるのですが……そこにやかんのような形の不思議な動物「まるぼ」が登場するのです。物語には、その他にもしりとりの言葉から生まれたおかしな生き物たちが登場します。

この物語を読むまでは、しりとりで息子がめちゃくちゃなことを言うと「そんな言葉ないよ~」と却下していました。けれども、この物語を読んだ後は、どんな言葉も笑って楽しめるようになりました。

シリーズものは、どれから読んでも楽しめるというものもあります。けれども、『へんてこもり』シリーズは、ぜひ1作目から読んでもらいたいです。

へんてこもりのコドロボー

タイトル:へんてこもりのコドロボー
著者:たかどの ほうこ(作・絵)
出版社: 偕成社
へんてこもりで、まるぼが仲良し4人組にお菓子をごちそうしてくれると言っています。ただ、お菓子のある場所まで近道を通っていく場合は、腰に手を当てて、歌いながらスキップをしていかなければいけません。その歌を間違えると、へんてこもりの不思議な動物に連れ去られてしまうのです。さて、まるぼと4人はお菓子を食べることができるのか……。

今作にも「はなつまりばく」やバスケットボールのような「ボンクス」など、少しいじわるだけれども憎めないキャラクターが登場します。

へんてこもりのなまえもん

タイトル:へんてこもりのなまえもん
著者:たかどの ほうこ(作・絵)
出版社: 偕成社
仲良し4人組がへんてこもりへ遊びに行くと、慌てたようすのまるぼがやってきます。まるぼの仲間たちが「なまえもん」に食べられてしまったのです。それで、4人に助けてほしいとお願いします。

なまえもんというのは、博士のようないでたちで、頭に分厚い本をのせたガマガエルのような生き物。食べられた生き物の説明は、なまえもんの頭の上の本に書き込まれるのです。
でんとうむし

でんとうをぶらさげたてんとうむし。
しかしまひるにそんなものをさげているのはばかのしょうこ。
via へんてこもりのなまえもん
へんてこもりの生き物の名前は、どれも名前とイメージがぴったりです。本に書かれている生き物の説明も、なまえもんのひねくれた性格を表しています。

読み終わった後で、子どもと一緒にオリジナル生き物図鑑を作るのも楽しいですよ。

へんてこもりのきまぐれろ

タイトル:へんてこもりのきまぐれろ
著者:たかどの ほうこ(作・絵)
出版社: 偕成社
へんてこもりに住む本が大好きなホンリエーヌちゃん。今作では、仲良し4人組とまるぼが、ホンリエーヌちゃんが読んでいた本から逃げ出した「きまぐれろ」という生き物を探します。

「きまぐれろ」は、名前のとおり本当に気まぐれ。きまぐれろを探しながら「きまぐれろの歌」を仲間たちが歌うたびに、面白いことが起こるのです。
きまぐれぼうやのきまぐれろ
やさしいこだけどすぐあきる
via へんてこもりのきまぐれろ
「きまぐれろの歌」の楽譜が、本の最後のページにあります。楽譜を見て歌うのも、オリジナルのメロディーをつけて歌うのも楽しいですよ。

「優しい子たけど、飽きっぽくてじっとしていられない」きまぐれろのキャラに、共感するママも多いことでしょう。

へんてこもりのまるぼつぼ

タイトル:へんてこもりのまるぼつぼ
著者:たかどの ほうこ(作・絵)
出版社: 偕成社
仲良し4人組は、へんてこもりの不思議な生き物たちと、「ことばぐさ」を摘みに出かけます。へんてこもりでは、満月が3日間続いた次の日に、ことばぐさを摘むのです。たくさんの種類のことばぐざがあり、それぞれ名前の通りの効果があります。例えば、「ぬくぬくぐさ」を使えば体が温まり、「わくわくぐさ」を本にはさめば、本がもっと面白くなるといった具合です。そして、このことばぐさは、1種類につき1本ずつしかありません。

ことばぐさを探す一行が目的の場所に到着すると、欲しかった草は1本も生えていません。残っているのは「げんなりぐさ」や「ゲロゲロぐさ」などネガティブな草ばかり。さて、みんなはことばぐさを手に入れることができるのでしょうか?

読み終わったあとは、外に出て草花にいろいろな名前をつけて遊んでみましょう!

幼年童話も読み聞かせをしよう!

幼いころから絵本に親しんできた子どもであれば、4歳から5歳ぐらいになると絵本より長いお話にも興味を持ち始めます。そのときに、ぜひ読んであげてほしいのが幼年童話です。キャラクターが面白くて、笑いどころ満載の『へんてこもり』シリーズは、はじめて触れる幼年童話に適しています。

子どもが字を読めるようになると、読み聞かせをやめてしまう方もいるようです。けれども、自分で読める本と読んでもらって理解できる本には、まだ差があります。ですから、自分で読むにはまだ難しいかな?と思う本は、積極的に読み聞かせをしましょう!

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この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

LOA LOA  カナダ在住の英日翻訳者・フリーライター。Web媒体で子育てや語学学習についての記事を多数執筆。8歳の息子が0歳のときからはじめた絵本の読み聞かせは、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。これまでに息子と読んだ絵本や児童書は、日本語、英語、フランス語を合わせて数千冊。息子が笑顔になる絵本を見つけるのが喜びです。