2016年9月2日 公開

お月見・月がテーマの絵本|秋の夜長に子どもに読み聞かせたい10冊

中秋の名月、お団子やススキをお供えして眺めるお月さまはお子さまたちも楽しみにしていますね。ここではお月見をテーマにした絵本をご紹介します。お団子の作り方や風習がわかる絵本、ユーモラスなお話などそれぞれ特徴のある絵本です。秋の夜長にお子さまと楽しく読んでみてくださいね。

美しい色使い『14ひきのおつきみ』

タイトル:14ひきのおつきみ
著者  :いわむら かずお(作)
出版社 :童心社

「14ひきのシリーズ」のお月見のお話しです。十五夜の日、14ひきは木の上にお月見台を作り、お団子やススキをお供えをして月の出を待ちます。だんだんと夕日が沈み、ぽっかりと浮かぶお月さま。

この絵本の色、特に月の色が大変美しいです。
お月さまに手を合わせて感謝の言葉を言うところも素敵です。

14ひきシリーズを知っているお子さまは、それぞれの子がどんなことをしているか探してみるのも楽しめます。

日本の風習がもとになったお話『おつきみ どろぼう』

タイトル:おつきみ どろぼう
著者  :ねぎしれいこ(作)/ 花之内雅吉 (絵)
出版社 :世界文化社

日本の伝統行事で、お月見にはよそのお月見団子をどろぼうしていいという「おつきみどろぼう」の風習をもとにしたお話です。

タヌキやネズミ、クマたちはそれぞれお月見団子を作りますが、オオカミは作りません。そこでおばあさんがオオカミにお月見団子の作り方を教えてあげて……というお話です。

お月見に関する疑問や簡単なおだんごの作り方を紹介しているお役立ちページもあります。

月からやってきたうさぎ『おつきみうさぎ 』

タイトル:おつきみうさぎ (ピーマン村の絵本たち)
著者  :中川ひろたか(文)/村上康成(絵)
出版社 :童心社

お月見の日にススキを採りに行った子どもたちとひろみ先生は、ススキ野原でうさぎを見つけて園に連れて帰ります。

お団子を作って月の出を待つと、月にうさぎがいません。みんなが連れてきたうさぎ、元気がなかったのは月に帰りたかったからなんだ……というお話です。

特に幼稚園、保育園に通っているお子さまにおすすめの絵本です。

悲しくやさしいお話『ぽんぽん山の月』

タイトル:ぽんぽん山の月
著者  :あまんきみこ(文)/ 渡辺洋二(絵)
出版社 :文研出版

お母さんうさぎが猟師に撃たれたと知らず、帰りを待つ子うさぎたち。
お母さんうさぎは月の中でお餅を搗いています。
「おなかすいたよう」と泣く子うさぎたちの声を聞いて、やまんばが自分のお団子をそっと置いて帰ります。

見返りを求めない優しさを感じられる絵本です。

夢のあるお話『ねこまるせんせいの おつきみ』

タイトル:ねこまるせんせいの おつきみ
著者  :押川理佐(作)/ 渡辺有一(絵)
出版社 :世界文化社

人間のこども園で先生の見習いをしているねこのねこまる先生。
園でお月見の準備中に、アクシデントでお月見団子をひとつ食べてしまいます。するとねこまる先生の体が宙に浮かび上がり、飛んで行った先ではウサギたちが「もうすぐ青い星が出るよ」と走っています。

青い星って何?ここはどこ?ユーモラスな絵と夢のあるお話が楽しい絵本です。

お月さまを食べたくなっちゃう『まんまるおつきさん』

タイトル:まんまるおつきさん
著者:ねじめ正一(作) さいとうしのぶ(絵)
出版社:偕成社

まんまるのおつきさまがいろいろな食べ物に見えてくる、楽しい絵本。こんがり焼けたおせんべいや、ソースを塗ったおこのみやきがとってもおいしそうです。

絵本に出てくる以外にも、他に丸いものは何かな?何に見える?と親子で会話がはずみそうですね。
満月の夜、空を見上げたらお腹がすいてしまうかも!?

月へ行けそうな気がしてくる『月へ行きたい』

タイトル:月へ行きたい
著者:松岡 徹(文・絵)
出版社:福音館書店

月を見上げて「どうやったらあそこまで行けるのかな?どのくらい距離があるんだろう?」と思ったことはないですか?この絵本に出てくる男の子も、月へ行く方法を考えます。風船を使ったり、雲にはしごをかけたりと、楽しい空想話かと思いきや、実際ロケットで行く場合は?など科学的な要素もあり、いろいろな視点から楽しめます。

地球から月までの距離38万キロを、『気球だと2年半』『小学生が3億人つながって着く』など身近で、でも分かりやすいような分かりにくいような?例えで表現されているのがおもしろいですね。

パパママとお子さまとで、他にどんな方法があるかな?とオリジナルの月への行き方を考えてみるのも楽しそうです。

子どもが夢中になる『パパ、お月さまとって!』

タイトル:パパ、お月さまとって!
者:エリック・カール(作) もりひさし(訳)
出版社:偕成社

『はらぺこあおむし』で有名なエリック・カールの作品。エリック・カールは、豊かな色彩と貼り絵が特徴の、世界的な絵本作家です。

夜空に浮かぶ美しいお月さまがほしいと娘にせがまれたパパは、長いはしごを使って、高い山の上から夜空を月に向かってのぼっていきます。無事に月をとることができ、喜んだ娘は月と一緒にあそびますが、月はどんどん小さくなって最後には……。

ながーいはしごや、ページいっぱいに描かれたお月さまが、ダイナミックな仕掛けで表現されていて、子どもが夢中になりそう。寝る前の読み聞かせにもおすすめの1冊です。

心があたたかくなるファンタジー『おつきみ』

タイトル:おつきみ
著者:あまんきみこ(作) 黒井 健(絵)
出版社:ひさかたチャイルド

今日は十五夜。えっちゃんと猫のミュウは夜のお月見を楽しみに準備中です。
すすきを飾った頃、空に雲が広がってお月さまが隠れてしまったから大変!えっちゃんとミュウはおもちゃばこに乗って、黒い雲へと向かいます。

淡いあたたかい色彩が美しい、心がほんわかする物語です。

月の満ち欠けの不思議に答える『月の満ちかけ絵本』

タイトル:月の満ちかけ絵本
著者:大枝史郎(文)/佐藤みき(絵)
出版社:あすなろ書房

月の満ち欠けや、月に関するいろいろなことが、分かりやすく説明されている絵本です。
「どうして月は形が変わるの?」とお子さまが疑問に感じ、月に興味を持ったら、ぜひ読んであげたい1冊。

「なぜ秋にお月見をするようになったのか?」などお月見の意味についてもわかります。

1日1日の月の形、名前などが丁寧に紹介されていて、月にこんなにたくさん名前があったなんて!と驚いてしまいますね。
読むと毎日月を見上げたくなる、そんな1冊です。

伝統行事を大切にする心を育てましょう

ひとくちに「お月見」「月」がテーマといっても、さまざまなお話がありますね。心があたたまるファンタジーから、月についての知識が深められるものまで、いろいろな月の絵本があるので、お子さまの興味に合わせて選んでみてください。

お月見の前からお子さまと一緒に読んで、お月見を楽しみましょう。お団子やススキの準備も忘れずに。日本の伝統的な行事を大切にしたいですね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

くまこ くまこ  絵本が好きで、絵本と音楽のコラボもやっています。