2018年4月2日 公開

親世代の懐かしの絵本!『ちびくろ・さんぼ』を子どもと楽しもう

昭和の時代には知らない人がいないほどメジャーな絵本だった『ちびくろ・さんぼ』ですが、その頃の社会背景もあり、一時絶版となりました。しかし、十数年のときを経て復刊すると、瞬く間にベストセラーに。ぜひ、親子で一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

「ちびくろ・さんぼ」とは

軍医の夫についてインドに滞在していた、夫人のヘレン・バンナーマンがわが子のために書いたものがもととされ、のちに出版されて世界的に有名になりました。
しかしこの絵本、当時海賊版が横行し、インドが舞台のはずがアフリカを舞台にアフリカの少年の絵が使われるようになったことで、人種差別問題が勃発。1988年に、廃刊に追い込まれることになってしまいます。

その後十数年のときを経て復刊し、今では、大人から子どもまで多くの人に親しまれています。

ちびくろ・さんぼ 

タイトル:ちびくろ・さんぼ
著者:ヘレン・バンナーマン(作) フランク・ドビアス(絵) 光吉 夏弥(訳)
出版社:瑞雲舎
『ちびくろ・さんぼ』といえば、この本を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか?

ちびくろ・さんぼが新しい服を着て歩いていると、次から次にトラと遭遇します。そのたびに着ているものをトラに渡すことで、食べられずに済むちびくろ・さんぼ。しかし、すべて着ているものがなくなった時点で、またしても洋服をあげたトラが大集合!さて、どうやってちびくろ・さんぼは助かったのでしょうか。

木の周りをくるくる回るうちに、なぜかトラがドロッと溶けたバターになってしまった、という描写はあまりにも有名ですよね。
ありえないはずなのに、なぜだか美味しそうに思えて仕方ありません。「そのバターでホットケーキを食べるさんぼがうらやましい!!」と思った方も少なくないのでは?

ちびくろ・さんぼ2

タイトル:ちびくろ・さんぼ2
著者:ヘレン・バンナーマン(作)岡部 冬彦(絵) 光吉 夏弥(訳)
出版社:瑞雲舎
ちびくろ・うーふとちびくろ・むーふという双子の弟が生まれ、お兄ちゃんとなったちびくろ・さんぼ。いつも優しく面倒を見、誕生日にはお揃いの帯やお茶碗をプレゼントするほどのかわいがりようです。

そんなある日、ちびくろ・さんぼがお母さんに薪を取りに行くよう頼まれて出かけている間に、近所に住む悪いサルが、双子の弟たちをさらっていってしまいます。
一番高いヤシの木の上に連れて行かれ、泣き叫ぶ双子。お母さんとちびくろ・さんぼは心配して、2人を探し回りますが、なかなか見つかりません。
しかし、ある木の根元に落ちているお揃いのお茶碗を見つけ……。

こちらの巻でも、最後には家族揃って山盛りのホットケーキを食べています。なぜこんなにも美味しそうに見えるのでしょうか。

ちびくろ・さんぼ3

タイトル:ちびくろ・さんぼ3
著者:こじま よしみ(作) かも なおき(絵) ヘレン・バンナーマン(原案)
出版社:瑞雲舎
はちみつを採りに、ジャングルへ向かうちびくろ・さんぼ。その途中でおばあさんに毛糸を拾ってあげ、お礼にコインを一枚もらいます。
また歩きはじめると、本を売っているおじいさんに出くわし、『もうじゅうをねむらせるものがたり』という何とも面白そうな本を見つけて興味津々。先ほどもらったコイン一枚と交換して手に入れると、ジャングルの大きな木に腰を掛け、読みはじめます。
するとどこからともなくトラが大勢集まってきて……。

今回は、ホットケーキではなく、最後にスコーンが登場!はちみつをたっぷりかけて食べる描写に、やっぱりおなかが減ってきそうですね。

親子で楽しめる永遠のベストセラー

『ちびくろ・さんぼ』が書店などから消えた当時、悲しい思いをした人も少なくないのではないでしょうか?そんな記憶もあって、余計に懐かしさも倍増……かもしれません。

挿絵もカラフルでかわいく、小さなお子さまから大人まで一緒に楽しめます。
ぜひ、親子で一緒に読んでみてはいかがでしょうか。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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Natsu Yamaguchi Natsu Yamaguchi  大学卒業後、美術史を学ぶためフランス・リールⅢ大学に留学。帰国した後出版社勤務を経て、現在はフリー編集者・ライター。10歳と5歳、手のかかる2人の男の子の育児に奮闘中。趣味は長男出産後にはじめたフラダンス。