2017年7月4日 公開

赤ちゃんのはじめてのスプーンの選び方、練習方法は?

離乳食のスタートは、スプーンですくったおかゆから。食べることに慣れてくると、次はスプーンやフォークを使って「自分で食べる」練習のスタートです。いつから練習を始めればいいのか、どんなスプーンがいいのか悩んでいるパパママに向けて、選び方や練習方法をご紹介します。

スプーンの練習をするのはいつごろから?

Oksana Kuzmina / Shutterstock.com
赤ちゃんの食事とスプーンは切っても切り離せません。最初はパパママに食べさせてもらうだけですが、手づかみ食べを覚え、スプーンやフォークを使って食べるようになり…と段階的に成長していきます。

離乳食のスタートは生後5カ月~6カ月前後。スプーンの練習は、離乳食完了期の1歳~1歳半で始めることが多いようです。手づかみ食べが上達し、手でつまんでこぼさずに食べられるようになったな、と感じたら自分で食べる練習の始めどきです。

これはあくまでも目安で、まだ練習には早めの段階でも、お子さんが興味深そうに眺めていたらスプーンをもたせてあげてもいいと思います。筆者の子どもは、離乳食中期ごろにスプーンを持ちたがる時期があったので、おもちゃ代わりに手に持たせて、他のスプーンで食べさせていました。子どもの「やりたい!」も大事にしながら、スプーン練習をスタートさせましょう。

スプーンの正しい持ち方までの変化

Arkom Suvarnasir / Shutterstock.com
大人がスプーンを持つときの正しい持ち方は、ペンを持つときのように「親指と人差指の間に柄を挟む」のが当たり前。いわゆる「鉛筆持ち」です。でも、赤ちゃんがいきなり大人と同じように持つことはできません。

以下の3つのステップで正しい持ち方へと変化していきます。手の使い方の発達に合わせて鉛筆持ちに近づいていくので、赤ちゃんの様子を見ながら次のステップへの移行をサポートしてあげましょう。

1:上から握る「上手持ち」からスタート

まずは、上からわしづかみにする持ち方からスタート。大人がやるとお行儀が悪い持ち方ですが、最初はこの持ち方が自然です。まだ手首を上手に返せないので、腕全体を動かしながらスプーンを口に近づけます。

2:「下手持ち」ができるようにサポート

上手持ちで上手に食べられるようになったら、下からギュッと握る「下手持ち」ができるようにサポートしてみましょう。個人差はありますが、2歳になる頃には、下手持ちで上手に食べられるようになることが多いようです。

3:箸の練習にもなる「鉛筆持ち」

下手持ちで上手に食べられるようになったら、親指と人差指の間に柄を挟む「鉛筆持ち」を促します。この持ち方を練習することは、スムーズなお箸デビューにも役立ちます。コツを掴むまでは難しいので、最初は失敗しても大丈夫。正しい持ち方で食べられるようになるのは3歳以降と言われているので、焦らず気長に練習しましょう。

初めてのスプーンの選び方

Katharina Scharle / Shutterstock.com
離乳食をスタートするときのスプーンは、「食べさせやすさ」がポイント。食べ初めの赤ちゃんの小さな口に合うようなサイズ感のものを用意しましょう。柄が長いものだと、食べさせやすいです。筆者の経験からすると、シリコン製のものがオススメ。口に入れた感触が柔らかいので赤ちゃんが嫌がらないのと、ペースト状の離乳食がすくいやすいからです。

赤ちゃんが一人で使うスプーンは、「握りやすさ」「口への運びやすさ」がポイント。まだ器用に手を使えないので、サポートしてくれるスプーンを選びましょう。持ち手に滑り止めがついていたり、手に合うようにカーブが付いていたりするものがオススメです。また、深さのあるスプーンは、上手持ちや下手持ちでもこぼさず食べやすいです。

記事の最後で、オススメの商品情報をご紹介しているので、参考にしてくださいね。

スプーンの練習方法

Evgeny Atamanenko / Shutterstock.com
育児書を読んでいても、赤ちゃんにどうやってスプーンを教えればいいのか悩んでしまいますよね。まだ口では説明できないので、赤ちゃんの上達を見ながら、段階を踏んで教えてあげると上手くいきます。

どの段階にも共通することですが、スプーンの練習中は食卓の周りがとても汚れます。食べこぼしの掃除がとってもストレスになるので、食事の前に床に新聞紙を敷いて環境を整えておくことをオススメします。スプーンから中身がこぼれても大丈夫なように、肩までカバーできるようなエプロンも準備すると、洗濯の負担も減ります。

赤ちゃんはママの真似をするのが大好きなので、パパママがスプーンで美味しそうにご飯を食べる姿を見せてあげてください。

毎日3回の食事で練習しなくてはならないという決まりはないので、パパママと赤ちゃんの調子がいい時に練習するようにして、無理なく続けてくださいね。

スプーン練習の進め方は、以下のとおりです。

1:初めは大人が食べさせる

赤ちゃんは自分で食べ物をすくえないので、まずは大人がスプーンに食べ物を入れてあげましょう。食べ物をすくったスプーンを赤ちゃんと一緒に握り、大人が手を添えて口まで運びます。

2:使い方を示しながら、使わせる

スプーンを口に運ぶイメージができたら、自分で口まで運ぶ練習です。食べ物の入ったスプーンを皿の上に置き、その先を赤ちゃんにしてもらいましょう。最初は、テーブルの上などにたくさん落としてしまうと思います。数回様子を見て、それでも難しそうなら、1のように手を添えてサポートしてあげましょう。

この「スプーンを口まで運ぶ」という動作を練習する過程で、口に入る前に中身がこぼれて大変かもしれません。その時は「食べ物を刺したフォーク」で口まで運ぶ練習をするのもオススメです。

3:徐々に自分で使わせる

こぼしながらでも大丈夫なので、口まで食べ物を運ぶことができたら、すくうところから1人でチャレンジさせてみましょう。

スプーン練習と並行して、手づかみ食べもそのまま続けよう

Mcimage / Shutterstock.com
普通は、スプーン練習を始めると、手づかみ食べは卒業!と思うかもしれません。でも、スプーンの練習をする過程で、それと並行して手づかみ食べをたくさん練習させてあげるのが大切です。

赤ちゃんは、右手や左手を使って食べることで、食事の楽しさや自分の一口の量などを学んでいきます。これは、遊びでは身につかないので、食事の時間に練習する必要があります。

スプーンの練習をしているうちは、おにぎりなど、手づかみ食べがしやすいメニューも食卓に並べましょう。そうすることで、まだスプーンは使いこなせなくても、本人が手づかみ食べで自由に食べられるので、ストレスを感じずに食事ができます。

スプーンの練習をしやすい食事

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スプーン食べの練習をするときには、スプーンで食べやすい食事を準備してあげることが必要です。具体的には、以下のメニューがおすすめです。毎回準備をするのは大変ですから、1日1回でも取り入れて練習するようにしてください。

・お粥
・ヨーグルトやプリン
・スープ(とろみを付けると、より食べやすいです)
・シリアル
・固形の場合は、柔らかい食感のもの
 (柔らかく煮た野菜や、豆腐ハンバーグなど)

やけどしないように、練習するメニューの温度には注意してください。固形のものをスプーンに乗せて食べさせるときには、一口よりやや小さめにしてあげると食べやすそうでした。赤ちゃんの好きなメニューを使うと、喜んで練習してくれます。

子どもがスプーンを持つのを嫌がる時は?

Oksana Kuzmina / Shutterstock.com
慣れないスプーンを嫌がって、スプーン練習に意欲的ではないお子さんもいるかもしれません。パパママとしては、焦ってしまいますよね。

赤ちゃんの興味がないとスプーンを持ってくれないので、まずは、赤ちゃんが持ちたくなるのを待ちましょう。赤ちゃんはパパママの動きに興味津々なので、スプーンで楽しそうに食事をする姿を(ちょっと大げさに)見せてあげると、「自分もやりたい!」という気持ちになりやすいです。

また、スプーン自体をいろいろ変えてみると、しっくりくる1本が見つかることがあります。赤ちゃんによっては、大人と同じスプーンにしたら急に食べ始めたり、柄の長さを変えたら上手に食べるようになったり…という子もいます。その子にとって使いづらいスプーンだったり、パパママと同じスプーンで食べたかったりして、スプーンを嫌がっているのかもしれません。

フォークの練習も同じ時期から行う

Waraporn Chokchaiworarat / Shutterstock.com
スプーン練習と並行して、フォークの練習もスタートしましょう。スプーンのように、ひっくり返してこぼれることがないので、まずはフォークで「口に運ぶ動作」を練習してもいいですよ(筆者は、先にフォークの練習からスタートしました)。

フォークで練習するときも、スプーンと同じで、
・まずは、パパママが手を添えて
・次に、食べ物を刺した状態のフォークをお皿に置いて、自分で食べさせて
・自分で食べ物を刺して、口に運ばせて
という段階を踏みます。短く切った麺類をすくって食べる練習もしましょう。

フォークは、先端が尖っているので、振り回すと危険です。練習の際には、目を離さないようにしましょう。この時期には、立ったり、歩いたりしながら食べてしまうこともありますが、フォークを持ったまま動き回らないように見てあげてください。

では、初めてのスプーン&フォークにおすすめの商品をご紹介します。

なみなみラインで食べさせやすい

商品名:リッチェル おでかけランチくん 離乳食スプーンセット
販売元:リッチェル

スプーンの2本セット。一方は柔らかい素材でできており、もう片方はスープを飲ませやすい形になっています。パパママがごはんを食べさせてあげやすいよう、赤ちゃんの口元がよく見える、波打った形になっているのが特徴的。

2本とも電子レンジ消毒や薬剤消毒が可能なので、離乳食初期におすすめです。専用ケースもついているので、おでかけのときにも便利ですよ。

ストッパー付きの安心設計

商品名:ピジョン はじめてのフィーディングスプーン
販売元:ピジョン

離乳食初期におすすめのスプーンセット。ペースト用とスープ用の2本セットになっています。

まだ小さい赤ちゃんの一口サイズにちょうどいい大きさで、口に当たる部分は柔らかい素材でできているため、口当たりも良好。

また、スプーンが奥まで入りすぎないようストッパーがついている点も、パパママにとってうれしいポイントです。はじめての離乳食も安心して取り組めます。

大きくて握りやすいグリップ付きの持ち手

商品名:フォーク&スプーンセット FDOX6104200
販売元:OXO Tot

自分で食べる練習をはじめた頃におすすめのセットです。まだうまくスプーンとフォークを使えない段階でも持ちやすいよう、取っ手にはカーブが入っています。

また、取っ手が口に運びやすい長さになっていたり、食べ物が落ちにくいようスプーンが深めにつくられていたりと、子どもが使いやすいような工夫がたくさん施されています。

指先が不安定でもしっかり持てるカーブ形状

商品名:リッチェル キンプロ にぎにぎスプーン・フォーク
販売元:リッチェル

子どもが食べやすいように、取っ手がカーブになっています。握り部には滑りにくい素材を使用。口に食べ物が運びやすい角度になっている点もポイントです。

まだまだ自分で食べるのが苦手な子どもの練習用にぴったり。かわいい専用ケースもついているので、持ち運びにも便利です。

食べ物がこぼれにくい

商品名:エジソン フォーク&スプーン はじめてでもじょうずに食べられる
販売元:KJC

子どもの食事の練習にぴったりなスプーンとフォークのセットです。取っ手はラバー素材で滑りにくい作り。

適度な深みと2つの角度、フォークについているギザギザの突起が、食べ物をしっかりキープしてくれます。

スプーン食べを練習しながら、笑顔で食事を楽しもう

Evgeny Atamanenko/shutterstock
離乳食も完了し、スプーンを使って食べられるようになると、食事の時間が一層楽しくなります。こぼしながらも一生懸命練習する姿は可愛らしいですし、成長した姿に思わずうるっとしてしまうことも。

離乳食初期から自分で食べられるようになるまで、子どもの発達に合わせたスプーンやフォークが数多く販売されています。記事を参考に、お気に入りの1品を選んであげてくださいね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

海野りんご 海野りんご  宮崎県在住の新米ママです。関西の国立大学卒業後、大阪で就職。結婚を機に宮崎に戻り、フリーライターとして活動。2017年5月に出産し、育児に試行錯誤中!同じ悩み・疑問を抱えるママたちの役に立つような記事が書けるよう、日々アンテナを張っています!