2017年2月12日 公開

美食の国フランス高級チョコ「ヴァローナ」の博物館で学んだこと

スイーツ大国フランスの高級チョコレート「ヴァローナ(Valrhona)」。フランス・ローヌ地方にはヴァローナのチョコレート博物館があり、 スイーツについて、子どもから大人まで楽しんで学べる展示物がたくさん。グルメなフランス人の背景をレポートします。

チョコレート好きなフランス人

Subbotina Anna / Shutterstock.com
チョコレートはフランス人の大好物。バレンタインやイースター、クリスマスなどイベント時だけでなく、日頃から身近なスイーツとして存在しています。

パリなどの大都市だけでなく、小さい田舎の街にチョコレート屋さんがあるのも珍しくありません。

ヴァローナのチョコレート

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日本でもデパートや百貨店で販売されている「ヴァローナ」のチョコレートは、1922年、フランス・ローヌ地方の菓子職人が創業しました。

チョコレートの原料となるカカオの原産地や種類にこだわり、厳選された素材を使用した最高級品質のチョコレートは、世界中のグルメたちに愛されるとともに、数多くの有名パティシエにも選ばれ、使用されています。

チョコレート博物館 Cite de Chocolat(シテ・ドゥ・ショコラ)

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ヴァローナのチョコレート博物館では、トップクラスのチョコレートの作り方を紹介。またチョコレートのほかにも様々なスイーツについて学べて、観光スポットとしても大人気です。

この博物館があるのは、フランス・ローヌ地方。ワインの産地で有名な閑静な街、タン=レルミタージュの丘のふもとにあります。こちらを訪れれば、きっとヴァローナの世界観を知ることができるでしょう。

グルメなカップルや老夫婦、親子連れのファミリーまで、フランス各地からあらゆる年齢層の人が訪れています。

館内に入ると、受付には子どもから大人まですでに多くの人であふれていました。
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チョコレートが食べ放題

スパイス入りのチョコレートを試食できるコーナー。
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いかにもチョコレートの博物館らしい、茶色を基調としたデコレーションの館内には、自由にチョコレートを試食できる場所も用意されています。思う存分チョコレートを味わうことができるのがうれしい限り!食べ過ぎには注意してくださいね。

試食できるのはミルクチョコレート、ブラックチョコレート、ホワイトチョコレート、スパイス入りのチョコレートなどなど……。まるでワインのテイスティングをするように、ミルクの風味やらカカオの苦み、渋みなど、味覚を最大限に使ってそれぞれのチョコレートの個性や特徴を比べられるようになっています。

味覚だけでなく、五感を刺激する展示物がたくさん

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トップクラスのチョコレートを堪能したら、今度は実際のカカオ豆にについて学べます。美味しいカカオ豆の見分け方や世界中のカカオの産地についてなど、興味深い展示が豊富にあります。

展示されているカカオの実には、見るだけでなく、実際に触ってみることもできます。

魅惑のスイーツの世界

音から何のお菓子か当てる展示。音感を刺激?

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こちらの展示物では、チョコレートを使ったお菓子の感触や音が体験できます。嗅覚や触覚など人間の持つ五感を刺激する仕掛けが施されており、大人から子どもまで楽しめます。

設置されている穴に手を入れると、ムースチョコレートやガナッシュなどチョコレートを使ったお菓子の感触を体感できる展示は、何の感触なのか当てるクイズ形式になっており、子どもも大興奮!

触感を体験できる展示

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また、館内にはチョコレートだけでなく、クロワッサンやパン・オ・ショコラなどのヴィエノワズリー(菓子パン)のほか、ケーキなどのお菓子の展示もされています。

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より詳しく理解できるアトリエ

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館内では、スイーツの具体的な作り方を理解できる教室も開催されています。もちろん子どもも参加可能で、幼稚園児や小学生など、幼い年齢の子も多く参加していました。

筆者が驚いたのは、参加している子どもたちのその知識の豊富さ。アトリエの先生から出される質問に、積極的に答えていて大変びっくりしました。

お菓子作りに関するボキャブラリーにしろ、食材を嗅ぎ分ける味覚の鋭さにしろ、大人顔負けの博識さ!これは、フランスの子どもたちが食に関して興味、関心が高いからこそ、といえるのではないでしょうか。グルメ大国フランスは、こういった子どもたちによってこれからも支えられていくのでしょう。

アトリエの最後には、ご褒美ともいえるお待ちかねの試食タイム。頭もお腹もいっぱいになれる、大満足の時間でした。

チョコレートで子どもの味覚と好奇心を刺激

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甘いものを食べると虫歯になるので、食べ過ぎてはいけないなど、ネガティブなイメージもありますが、味覚を豊かにする上では欠かせない存在。子どもならなおさら、甘いものが大好き!という子も少なくないはず。

チョコレート博物館は、甘いものを危険視して排除するのではなく、子どもの味覚と好奇心を刺激して、上手く付き合っていく方法を教えてもらえるような空間でした。

「食べること」を親子で楽しむ

生きる上で欠かせない「食べる」ということ。子どもたちが食べることを楽しんだりより深く理解することのきっかけや学びの機会を作っていくことはとても大切なことではないでしょうか。

感じ、学び、楽しみながら食べることで、よりよい人生を送る……。ヴァローナのチョコレート博物館は、フランス人の人生哲学が詰まったような場所、といえるかもしれませんね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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早野沙織 早野沙織  在仏3年目、フランス人旦那と二児(2歳と0歳男児)とアルプス地方グルノーブル市在住のママライター。慶応義塾大学法学部卒業。現地から日本ではあまり知られていないフランスの地方・育児事情をお届けします!