2018年9月5日 公開

幼少期にやってよかった3つのこと【気づいたら娘が東大生】

「小中高と公立で子どもが東大現役合格」なんていうと徹底した教育ママ・パパを思い浮かべるかもしれませんが、わが家の子育ては常に試行錯誤。悩んだり失敗してきた中で、振り返ってみて「これだけはやっていてよかった!」と思う3つのことをご紹介します。連載3回目です。

子どもの可能性を伸ばすために試行錯誤

Africa Studio / Shutterstock.com
巷では4人のお子さまを東大合格に導いた佐藤ママが話題になっていますね。たしかに、わが子全員を東大生にするなんてすごいです!でも、彼女の著書やマスコミでの発言を見て、「うちではとてもムリ……」と思った方も多いのではないでしょうか?

「1歳から公文」「母親が勉強のスケジュールを管理(大学受験まで!)」「お手伝いはさせない」など、佐藤ママの教育方針はかなり極端です。でも、もちろん、すべての東大生がそんなふうに育ってきたわけではありません。

「東大」には特別な響きがあるのか、東大に合格したというとそこにばかり注目されてしまうのですが、わが家の場合は、東大を目指して子育てに奮闘した、というのとは少々違います。筆者がフルタイムで働いていたこともあり、子どものために割ける時間は限られており、誰でもできるようなことしかトライしていません。長続きしなかったり、失敗したりしたことも数知れず……。

ただ、娘が東大に合格した今、改めて振り返ってみると、「子どもが幼いうちにやっていて、これだけは間違いなく役に立った!」と思う3つのことがあります。今回はその3つをお伝えします。

(1)絵本に触れる機会をたくさんつくる

娘が子どもの頃は、こうしてよく絵本の読み聞かせもしていました。
via photo by author
「本が好き」というのは、子どもが勉強していくうえで何かと役に立ちます。まず、基本的な「読み取る力」や語彙力が自然と身につきますし、いろいろな分野の本を読むことで知識も得られます。集中力も高まりますよね。

では、どうやって子どもを本好きにするか。わが家では毎晩、寝る前に1冊ずつ読み聞かせをしていました。読む本は子どもに自由に選ばせます。

おもちゃを買うのは誕生日とクリスマスだけと決めていましたが、絵本は好きなときに買ってあげていました。もちろん図書館も大いに活用。ちょっと年上のお友だちから読まなくなった絵本をもらったりもしました。とにかく、いろいろな絵本に触れられるようにすることで、子どもの興味を広げようと思ったのです。

そして、それらの本を子ども部屋ではなく、リビングに置くようにしていました。子どもの視界に入りやすい場所、手に取りやすい場所に置くことで、絵本を身近に感じられるようにしたかったからです。

また、筆者自身もよく本を読むようにしていました。子どもは親のやっていることに興味をもつもの。親が目の前で本を読んでいれば、子どもも真似して読むようになります。そうやって小さいうちに読書の習慣をつければ、それが大きな財産になるのです。

(2)余裕をもって、しっかり朝食を食べる

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わが家では、家を出る1時間半~2時間前には起きて、余裕をもって朝食をとるようにしています。これは単に、筆者があまり要領よく動けるタイプではなく朝の準備に時間がかかるという理由からだったのですが、おかげで娘は早起きの習慣がつき、小学校に上がってからは朝、30分ほど勉強してから学校に行くようになりました。

この朝勉の習慣は大学受験まで続きました。そして娘曰く、「朝の30分はものすごく集中できる!」そうで、かなり効率的に勉強ができたようです。たったの30分ですが、毎日続ければ相当な勉強時間になりますよね。これも、幼い頃の習慣づけが功を奏したのだと思います。

朝食を毎日食べる習慣をつけられたのも、結果としてよかったと思います。

娘が通っていた高校は都立の進学校だったのですが、この学校での生活習慣アンケートによると、なんと95%もの生徒が毎朝、必ず朝食を食べていました。一般的な高校生が必ず朝食を食べる割合は約7割というデータもあるので(少年教育振興機構「青少年の体験活動等による実態調査」より)、朝食をしっかり食べることと学力向上には何らかの相関性があるのかもしれません。

そもそも、 朝食を抜くと脳のエネルギーが不足し、集中力や記憶力が低下するとよくいわれますよね。1日のはじまりである朝食はとても大事だなと感じています。

(3)一度決めたことは最後まで貫く

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たとえばスーパーなどで、お菓子は買わない約束だったのに子どもが駄々をこねたり、親のほうも「あ、このお菓子なら買ってもいいかな」と思ったりして、結局買っちゃう……なんていうのは、ありがちなパターンだと思います。

でも、わが家では一度「ダメ」と言ったら、それを覆さないようにしていました。ときには「この子がそこまで言うなら……」と筆者が折れそうになることもありましたが、とにかく子どもの前では言うことを変えないよう気をつけていました。そうすることで、「親の言うことは絶対なんだ」という意識を持たせたかったからです。

特に2歳ぐらいまでの幼いうちは、ダメと言ったらダメ、やりなさいと言ったら必ずやらせるということを徹底していました。幼い子どもに「臨機応変」は通用しません。一度、自分のわがままが通ったら、また次も自分の意見を通せると思ってしまいます。

逆に、幼いうちに「親の言うことは絶対だ」と学習すれば、反抗期の手前ぐらいまでは、わりと素直に親の言うことを聞くようになるのです。

小学生になると、「宿題は夕飯の前に終わらせる」「毎日、漢字の練習をする」というように、勉強面での家庭のルールができてきます。決めたルールを徹底させることができれば、日々の学習もスムーズになりますよね。

わが家の場合は、小学生の頃から通信教育をやらせていたのですが、この教材を毎月必ず終わらせるというルールを決め、娘はそれをきっちり守っていました。おかげで、自分からコツコツと勉強する習慣がついたのです。

幼い頃の習慣は一生もの!

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お子さまが小さいうちは、勉強や受験との話を聞いてもピンとこないパパママも多いと思います。ですが、受験期になってから急に勉強させようと思っても、子どもは親の思うようには動いてくれません。

やはり幼いうちから良い習慣を身につけておくことが大切です。筆者自身、今振り返ってみて、良い習慣が子どもの将来への布石になると、切実にそのことを感じています。ぜひ参考にしてください。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

fuyumi fuyumi  東京都在住。大学で心理学を学び、卒業後は出版社にて編集業務を担当。現在は編集経験をいかしてフリーランスのライター兼編集者として活動中。2018年の春、小中高公立で過ごした長女が現役で東大に合格。共働きだったため夫婦ともに教育熱心な子育てをしてきたというよりも、いつの間にか本人の努力で東大!なのが本音ですが、子育てや教育を振り返る連載をはじめました。皆さんのヒントになれば幸いです。