2018年5月9日 公開

グリム童話の絵本|大人も子どもも楽しめる5選

白雪姫、シンデレラ、ブレーメンの音楽隊など、グリム童話は昔から愛されているお話です。版や訳によっても違いがありますので、好きなものを探してみるのはいかがでしょう?大人も楽しめる、グリム童話のおすすめ絵本をご紹介します。

世界中で愛される、グリム童話とは……

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グリム童話は、グリム兄弟が集めた昔話です。口伝えで各地域に残っていたメルヘン(寓話、空想的な物語)をまとめ、その収録数は210話にものぼります。

1812年に初版が発行された後も改編を続け、45年後に発行された最終版では出版当初の残酷な描写も減り、子どもに読み聞かせやすい童話集へと生まれ変わりました。現在では160カ国以上の言語に訳されています。日本でも明治時代に紹介されて以降、絵本やアニメとして、また文学作品としても、幅広い世代に楽しまれています。

おおかみと七ひきの子やぎ

タイトル:おおかみと七ひきのこやぎ
著者:グリム(作) フェリクス・ホフマン(絵) 瀬田 貞二(訳)
出版社:福音館書店

いわずと知れた名作で、保育園や幼稚園の読み聞かせや劇などでも人気ですが、「知恵比べ」の面白さがあります。悪いオオカミは死に、ハッピーエンドで終わるので、小さな子どもでも親しみやすいお話です。

つぐみのひげの王さま

タイトル:グリム童話より つぐみのひげの王さま
著者:モーリス・センダック(絵) 矢川澄子(訳)
出版社:評論社

王女が高慢なその性格から身を落とし、貧しい暮らしをした後に改心して幸せになるお話です。悪口をいうことを覚えてしまった子に、おすすめの一冊といえるでしょう。

ヘンゼルとグレーテル

タイトル:ヘンゼルとグレーテル グリム兄弟の童話から
著者:藤本朝巳(訳) カトリーン・ブラント(絵)
出版社:平凡社

家を追われた兄妹が魔女に打ち勝つために知恵を絞るうちに、自立的な意識が育っていく……。

森、お菓子の家、魔女など、メルヘンの世界を象徴するモチーフが多く出てきます。こちらは、グリム兄弟と同じドイツ出身のブラントによるダークトーンの挿絵で、当時のドイツをよく表していると評価が高い絵本です。

シンデレラ

タイトル:シンデレラ
著者:バーバラ・マクリントック(再話・絵)、福本友美子(訳)
出版社:岩波書店

おしゃれな女の子におすすめしたいのが、細部の描写に優れたアメリカ人作家、マクリントックの挿絵とともに楽しめるシンデレラ。

おなじみのグリムのシンデレラストーリーですが、ヴェルサイユ宮殿やオペラ座など、ルイ14世時代のフランスを意識した装飾は、大人が見てもワクワクします。

こちらは最後に、意地悪な継姉も改心するお話になっています。

金のガチョウ

タイトル:金のガチョウ
著者:グリム(原作) バーナデット・ワッツ(文・絵) 福本友美子(訳)
出版社:BL出版

まぬけと呼ばれる子が、親切をきっかけに金のガチョウを手にし運を開き、最後には王女さまと結婚するお話。周囲の人の手がくっついてしまうコミカルな場面を子どもたちは喜びます。

ワッツはほかのグリム童話の絵本の挿絵も手掛けていますが、柔らかく繊細なタッチに人気があります。

残酷な描写が気になる?グリム童話を選ぶときのコツ

昔から語り継がれてきた童話は、人々が生きていく知恵や警告など、生きていくために必要なことが物語にのせて表現されています。そのため心理学的な研究も盛んで、関連書籍も多く出ています。

グリム童話はおどろおどろしい場面が多く、読み聞かせる際、死をはじめとする残酷な描写が子どもに与える影響について、悩むパパママもいるのではないでしょうか。

グリム童話など、昔話の残酷な場面は、死や命について子どもの無意識に語りかけます。人の命の重さ、死への恐れなどを物語の中で疑似体験することで、教育的な効果があるとされており、教育現場でもたびたび用いられます。

お子さまの好みもあるので無理強いはできませんが、原作に近いものをまずは試してみることをおすすめします。

最後に

世界中で愛されるグリム童話は、いつの時代も子どもたちに人気です。挿絵の美しさ、解釈など大人も一緒に楽しめる作品がたくさん出版されています。

お気に入りの本をぜひ見つけてみてくださいね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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Hitomi Hitomi  バリ島、台湾と旅するように夫と3人の息子と暮らし、現在オランダ暮らし2年目。ライター、アロマセラピー講師。hitomiarai.infoというオウンドメディアで海外子育てや、アロマ、手作りコスメ、自然で気楽なライフスタイルを提案しています。