2018年8月3日 公開

毎日の生活の中で数とカタチを探して楽しむ遊び方

散歩や公園、買い物などのお出かけ、料理やお風呂など日常生活の中でちょっとした問いかけやゲームを通して、数や図形、量や大きさの概念や面白さに触れられると良いなと思いませんか?わが家で実践している遊び方や方法をご紹介します。

かたち(まる・さんかく・しかく)探し

まずご紹介するのは、すべての形の基本となる、まる・さんかく・しかくの形を探す遊びです。

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お散歩や通園中に道で探す

普段の散歩や通園の途中、あちこちで「まる・さんかく・しかく」を見つけます。

まるはマンホールや車のタイヤ、しかくはレンガやタイルなど、比較的いろいろありますが、さんかくはなかなか見つからないので、発見した時は親子で大喜び!周囲をよく観察しながら、親子で競争して楽しんでいます。

ベンチの板も、自分の両腕で区切れば、たちまち「ながしかく」のできあがり!
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3歳半頃に、数の面白さに触れる知育アニメ『みんなのウミズーミ』で「ながしかく」「ひしがた」の概念を知ってからは「ましかく」と区別して発見することを覚えました。

そして、その形が見つからなければ、自分の手や指で辺を新たにつけて形を区切れるということも自分で考えついたようです。公園のジャングルジムやロープ遊具で、鋭角があればそこに指を当てて「さんかくができたよ!」と報告してくれました。

体や指でかたちを作る

指や腕、体のパーツででまるやさんかく、しかくを作る遊びです。特にお風呂の中でよく親子で課題を出し合って遊んでいるゲームです。

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腕を腰にあてて、脇の下が「さんかくになった!」など、シンプルなかたち作りを発見した後は、指で作った「さんかくとさんかくを合わせるとしかくになった!」とか、さらにさまざまな発見をしていて、親の方が驚かされることもしばしばです。

数字探し

駐車場、営業時間、速度標識など、毎日の生活の中で数字を見つけるという遊びです。数字の字形の認識や、数字列の意識に繋がります。

ちなみに、アルファベットやひらがな、もしくは色探しゲームも同様に楽しめます。

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マンションや駅のエレベーターは数字がいっぱい。いち、に、さん、と数の並びを意識する数唱の他、並び順を確認するのにも良いです。

上と下、右と左を覚えたら、右から2番目、左上、など少しずつ指示を変えてゲームを楽しめます。エレベーターは、ボタンを押すと光るので、「正解!」という感じが特に楽しいようですよ。

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看板や案内から数字を見つけるだけでもゲームになります。興味が出てきたら、意味を説明することも。単位(台数、時間、料金)に注目して、数え方や数字がどんなところに役に立ってるかに触れる良い機会でもあります。

数えられるものを探して、数を数える

生活の中で、できるだけ数える、という習慣をつける遊びです。同じ規格のものを見つけると数えられる、そうでないものは数えにくい、ということがわかってきます。

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公園は、かたち探しや色探しの宝庫ですが、数を数えられるものもたくさん。こちらも、「ピンク色のは右から何番目でしょうか?」など徐々に難易度を上げていけます。

散歩の途中でも、階段や信号、タイルや木など、数えやすいものを発見したらすぐにはじめられる遊びです。

他にも、おやつ(せんべいやクッキー、あめ)など食べ物、積み木やおはじきなどのおもちゃのほか、クリップや輪ゴムなど生活用品でも楽しめますね。

大小・長短比べ遊び

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大きさの違うものが複数あったら「どれが一番大きい?小さい?」から「どちらが高い?低い?」「どれが長い?短い?」「どれが多い?少ない?」などの問いかけをしてゲームにしています。

他にも、広い・狭い、重たい・軽い、早い・遅い、深い・浅いなど、量や速度に関する概念はなかなか難しいのですが、比べられるものに遭遇したら、声かけをしています。

靴や服などは、大きいのはパパ、中くらいはママ、小さいのは自分など、対応させて理解しやすいようですね。

仲間分けや多少判断の遊び

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ボールや積み木、ブロックなどで取り入れやすい遊びです。色や形で仲間分けをして、それをさらに、多いか少ないかの質問をしてゲームにしています。もちろん数を数えることも。

お風呂の中では、水風船をいろいろな色で作り、色分けゲーム、またはそれぞれの大きさや重さの比べっこ遊び、洗面器や水桶に移して、何個ずつあるかを数える遊びもよくしています。

ただし、ボールや積み木を使う場合は、本人が自由に遊びたい場合が多いので、他のことに夢中になっている時は無理に誘導しないようにしています。

他にお友達がいる時など、一定のルールがあると遊びやすい場合に提案すると盛り上がることもありますよ。

料理や食事は1対1対応遊びの良い機会

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料理や配膳のお手伝いやごっこ遊びは、これまで紹介した遊びを複数取り入れられます。

まるやさんかく、しかく作りから、たくさん作ったら数を数えることなど。

なかでも、一人にひとつずつ、肉団子やお皿などを配る、1対1対応は数の多少判断をする基礎になります。2、3人だとすぐにわかるのですが、大勢の親戚が集まったり、多くの子どもたちが集まったりすると、ちょっと難易度が上がるので、できるだけ意識して声がけするようにしていますよ。

収穫体験も良い機会です。長さ比べで、長短の認識、大さ比べで多少判断の機会にもなります。
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最後に

ほかのことをやっている時に、無理に数を数えさせる、比べるなど、押し付けがましくなることは避けています。しつこく質問したり、できなかった時に何度もやらせたりもしません。つまずきやすいこと、全然理解できていないな、と思ったらなるべく時間をおいて様子を見るようにしています。

あくまで遊びとして楽しめることに、親が寄り添えるといいなあと思っています。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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志田実恵 志田実恵  エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後は旅行ガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらメキシコ・バスクの料理本の編集のほか、食、世界の子育てなどをテーマにwebを中心に活動中です。