2018年6月13日 公開

すぐあきらめる子どもが心配……親ができる声掛け・対処方法

失敗が怖くて尻込みしてしまう……。親としては、うじうじめそめそしている子どもの姿を見ていると心配になりますよね。周りに積極的な子どもがいると、なおさらではないでしょうか。すぐにあきらめてしまいがちなタイプの子どもに、親ができる声掛けや対処法を考えてみませんか?

「はじめて」が怖いのは子どもも大人も一緒

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たとえば新しい職場の初出勤日。緊張しますよね。「はじめて」のシチュエーションや物事に対して、緊張したり恐怖心を感じるのは、ごく自然なことです。

大人でもドキドキしてしまう「はじめて」に、子どもだってドキドキ、ビクビクするのは当たり前のこと。特に、子どもにとっては出会うもののほとんどが「はじめて」で、大人が思っている以上に緊張していると考えていいでしょう。

「はじめましてのものは怖いよね。ママもはじめては怖いよ」と伝えてあげることで、少し落ち着いてくれるかもしれません。

子どもの感情を頭ごなしに否定しないことが大切です。

「はじめて」では失敗するのが当たり前だと伝えて

Sergey Novikov / Shutterstock.com
筆者の息子(小1)は、幼稚園に入る前から「はじめて」を怖がるタイプでした。理由を尋ねると、「だってうまくできないもん」と答えたことがありました。

そもそも、はじめてなのに成功する方がすごいことですよね。わが家ではフィギュアスケートをテレビ観戦していたときに、「みんな、いきなりこんな風にジャンプしたりクルクル回れたりしたわけじゃないんだよ」と伝えました。

また、筆者は5歳からピアノを習っていたので、「ママも最初は何にも弾けなかったんだよ」と話したこともありました。

まだはじめてが怖いという気持ちがぬぐえない息子ですが、「いっぱい練習して、何度も失敗して、そうしてできるようになることはいっぱいあるんだよ」というメッセージを、これからも何度も伝えていきたいと思っています。

親はどんと構えて!心配なそぶりを子どもに見せない

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子どもは、親の顔色を本当によく見ているものです。親が「大丈夫かな」「失敗しないかな」と不安がっていると、その気持ちは子どもに伝わってしまいます。

保育園や幼稚園へ入園した当初、お母さんと離れるときに号泣してしまう子どもに対して親ができることは、「笑顔で半ば無理やり送り出し、ダッシュで立ち去る」ことだという話を見聞きしたことはありませんか?

何かに挑戦するときも同じです。子どもが内心不安に思っているなと感じても、「大丈夫!やれるよ!」「失敗してもいいんだよ!やってみようよ」と笑顔で応援してあげましょう。

「失敗どころ」はチェックだけ。転ぶ経験は大切

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近年の親で多いといわれるのが、子どもの失敗体験のチャンスを摘んでしまうタイプです。転ぶ前に手を差し出してしまったり、転ばないように障害物を取り除いてしまったり。そのときは子どもが痛い思いをせずに済むためいいかもしれません。しかし、親は子どもの人生において、永遠に障害物を取り除いてあげられますか?

小さなうちの失敗体験は、内容もささやかなものが多いものです。折れた骨が治るときに丈夫になるように、傷ついた心は、その分強くたくましくなっていきます。

親に必要な力は、取り除く力ではなくて、見守る勇気。「あ、失敗しそうだなあ」というポイントに気づいても、命にかかわらない限りはぐっとこらえて見守りましょう。

失敗してしまったら、そこから学べばいい。

実際に、「あれ、そうやってやる方法があったの!?」と親がびっくりしてしまう対処法を子どもが編み出すこともあるものですよ。

「ママがやって」の言葉を受け止めすぎない

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子どもがすぐに「ママがやって」と言ってくる――そんなとき、どう返していますか?

場合によっては、全部が全部子どもだけでできるものではないかもしれません。しかし、だからといって何でも親が手を出し続けていると、いつまで経ってもひとりでできないままになってしまいます。

「まずやってみて、それでもできなかったらママを呼んでね」と促すことが大切です。「ここまではできたね。次はきっと全部できるんじゃない?」「3歳のときは難しかったけれど、上手になったね。さすが4歳さんだね!」など、ポジティブな声掛けを意識したいものです。

友達・兄弟姉妹と比較しない

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周りのお友達はどんどんチャレンジしていくのに、うちの子だけいつも最後までうじうじしてばかり……。特に保育園や幼稚園に入ると、どうしても同じ学年の行動的な子どもたちの姿が目に付いてしまうものですよね。

また、兄弟姉妹間で打たれ強さや必要となる勇気の大きさが全然違うこともあるでしょう。筆者の息子たちも、めそめそする長男に対して、次男は果敢に挑んでいくタイプです。

このとき、つい言ってしまいそうになるのは、「みんなできているから大丈夫だよ」という言葉。親としては、励ましの意味で使っているつもりでも、言われている子どもにとっては、「自分はダメなんだ」という気持ちになってしまう可能性のある言葉ではないでしょうか。

「あの子はできるのに、なんであなたは……」という言葉だけが比較表現ではありません。大人にもタイプがいろいろあるように、子どもも全員が無鉄砲に挑戦できる子ばかりではないのです。

「あ、この子は怖がりだな」と感じる子どもにこそ、少しずつでも挑戦するチャンスを作るように心がけ、危険を先取りしないように気をつけられるといいですね。

「ママは子どもの頃、緊張してできなかったんだよ。やってみようって思えたの、すごいね!」など、何かに挑戦できたときは、その結果ではなく、「挑戦できた」ことを認めて褒めることも忘れずに!

長所と短所は裏表!子どもの個性を受け入れて

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何でも積極的に挑戦できる子どもだけが良いわけではありません。すぐに「怖い、嫌だ、やめておく」と言い出してしまう子どもは、その分慎重に物事を進められるという良さを持ってもいるのです。

親が無理やり子どもの背中を押し続ける必要はありません。大切なことは、恐々としながらも、子ども自身が「やってみよう」と思えたときにチャンスの芽を取り除かないこと。そのときに、「いいじゃん。やってみなよ!」と軽く背中を押せることなのはないでしょうか。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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卯岡若菜 卯岡若菜  さいたま市在住のフリーライター。2学年差の食欲オバケの息子ふたりを子育て中。元書店員・雑貨店員で、絵本・児童書・子供のおもちゃが好き。ほぼワンオペ育児の中、母ひとりでもガマンせずに子連れであちこち出かけています。