2019年3月23日 公開

「梅雨とは何?」子どもにどう説明する?よくある疑問と解説

ジメジメとした梅雨は大人にとっては憂鬱な季節ですが、子どもには興味の対象になることも。「どうして梅雨には雨がいっぱい降るの?」「どうして梅雨っていうの?」と聞かれたときに、どう説明できるでしょうか。梅雨に関する疑問を、子どもにもわかりやすいように解説します。

梅雨にはどうして雨がたくさん降るの?


梅雨は本格的な夏が来る前の、季節の変わり目に訪れます。この時期には北(オホーツク海方面)の高気圧から吹く冷たい風と、南の太平洋高気圧から吹く暖かい湿った風がぶつかったところに梅雨前線が発生。冷たい風と暖かい風がぶつかることで、上昇気流が起こって雲が作られます。この雲が日本の上で停滞して、梅雨の雨を降らせるのです。

子どもに説明するときには、「高気圧」「上昇気流」をわかりやすく言い換えてあげましょう。たとえば「春のところへ夏がやってきて、戦いをすると雲ができる。戦いがなかなか終わらないと雲も増えて、たくさん雨が降るんだよ」のように説明してみましょう。

北海道には梅雨がないって本当?


上述したとおり、梅雨前線とは冷たい空気と暖かい空気、ふたつの高気圧がぶつかったところです。ふたつの高気圧のうち、どちらが強いかによって前線は北や南に移動します。しかし大抵は北の冷たい高気圧が強く、梅雨前線が北海道までくることはあまりありません。北海道に来る頃には勢力が弱まってしまうため、梅雨がないのです。

ただし、ときには北海道まで梅雨前線がやってきて、雨が降り続くこともあります。太平洋高気圧が強かったり、オホーツク海高気圧が弱かったりした場合に、7~10日ほど天気が崩れる現象です。これは「えぞ梅雨」と呼ばれています。

「梅雨入り」の時期はどうやって決まるの?


梅雨入りしたかどうかは、気象庁が決定すること。何月何日と日にちが決まっているわけではなく、毎年「〇月〇日頃、梅雨入りしたとみられます」という形で、ニュースや新聞を通じて報じられます。また「これくらい雨が降ったから梅雨入り」といった、具体的な降雨量が決められているわけでもありません。

前日・当日の天気とその後1週間の予報を見て、雨や曇りの日が多くなる頃が梅雨入りの目安です。ちなみに2018年は関東甲信で6月6日頃、2017年で6月7日頃、2016年は6月5日頃が梅雨入りとなりました。例年6月上旬頃と考えておきましょう。

「梅雨明け」はいつ頃?

梅雨明けも梅雨入り同様、気象庁による判断です。雨や曇りの日が多い梅雨の季節から、晴れが続いて暑い夏へ変わる頃が梅雨明けとされています。梅雨入りと同じように前日・当日と、その後1週間の予報から「夏の天候になりはじめた」と判断すると、気象庁は梅雨明けを発表。しかし梅雨明けの判断は、梅雨入りより難しいとされています。

判断できなかったり後日で撤回したりして、特定できない年もしばしば。2018年は関東甲信で6月29日頃、2017年で7月6日頃、2016年は7月29日頃でした。

どうして「梅雨」と呼ばれるの?

Midori/ CC-BY-SA-2.1-JP
梅雨の語源は、実は諸説あります。もっとも有力とされているのは、カビ(黴)が生える時期の雨ということで「黴雨(ばいう)」と呼んでいて、カビは印象が良くないからと同じ読みで季節もふさわしい「梅」を使うようになったという説です。

もうひとつは、「梅の実が熟す頃の雨」から来ているとする説。あるいは「くさる」を意味する「潰える(ついえる)」が変化して、「つゆ」と呼ぶようになったという話もあります。

疑問を解消して梅雨を楽しく過ごそう

雨ばかりだと外遊びにも出かけられず、子どもたちは退屈してしまいます。「梅雨はつまらないから嫌い」と感じてしまうかもしれません。そんなときに「梅雨は春と夏が戦っているんだよ」などと話してあげると、子どもたちも楽しい気持ちになれるでしょう。夏のサンサンとした晴れが勝つことを願って、てるてる坊主を作ってみるのもおすすめです。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Mariko.K Mariko.K  大学卒業後、大手雑誌社広告営業、進学塾講師を経て、結婚を期に2000年よりスペイン在住。マヨルカ島にてスペイン人の夫、中学生の娘と暮らす。バレアレス州立音楽学院高等部でパイプオルガン専攻中。東京都出身。