カブトムシ:角の形は何に似てる?
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カブトムシの英訳は「rhinoceros beetle(リノセロス・ビートル)」。「rhinoceros」が動物のサイ、「beetle」が甲虫を意味しています。甲虫とはカブトムシをはじめ、クワガタムシ、カミキリムシ、ホタル、テントウムシなどの昆虫の総称で色々な虫が含まれますが、その特徴は背中が硬いことです。
カブトムシはサイのような大小の角を持つことから、「rhinoceros」の名がつけられています。
クワガタムシ:かっこいい角が名前の由来
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カブトムシと同じ甲虫類のクワガタムシは、かっこいい角が子どもたちに人気。英語の名前「stag beetle(スタッグ・ビートル)」もこの角にちなんでいます。
「stag」は日本語では雄鹿の意味。クワガタムシの角の形が、鹿の角に似ていることから名付けられました。ちなみにカミキリムシは、「長い角を持つ甲虫」を意味する「long horned beetle(ロングホーンビートル)」と呼ばれています。
テントウムシ:赤い色のマントは誰のもの?
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身近なところで見かけることも多く、その愛らしい姿が子どもたちに人気の昆虫・テントウムシ。アメリカでは「ladybug(レディバグ)」、イギリスなどでは「ladybird(レディバード)」と呼ばれています。
この場合「lady」は一般的な女性ではなく、聖母マリアを表したもの。テントウムシの赤い背中が、聖母マリアのマントの赤と似ていたためといわれています。「bug」は虫、「bird」は鳥を意味し、それぞれ日本語の直訳は「聖母マリアの虫」「聖母マリアの鳥」です。
トンボ:日本では縁起のいい虫だけど……
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秋の訪れを告げるトンボの英訳は「dragonfly(ドラゴンフライ)」。ドラゴンを表す「dragon」と、ハエなど飛ぶ虫を意味する「fly」が一緒になった言葉です。名前の由来はそのまま、トンボの形がドラゴンに似ているからだといわれています。
空飛ぶドラゴンと聞くとかっこいい印象を受けますが、じつは西洋ではドラゴンは悪の使者で、不吉の象徴。日本人にとってトンボは一般的に縁起の良い虫ですが、海外ではそうでもないようです。
バッタ:その活動的な様子から命名
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草の間をぴょんぴょん飛び跳ねるバッタは、簡単には捕まえられません。英訳「grasshopper(グラスホッパー)」は、そんなバッタの活動的な様子を表現したもの。草を表す「grass」と、飛ぶ虫を意味する「hopper」が合体しています。
バッタの英訳として「locust(ローカスト)」が使われることもありますが、これは群れを作る種類のバッタやイナゴを指す言葉です。
アメンボ:水上の忍者の英語名は?
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水の上をまるで歩くように、スイスイ泳いでいくアメンボ。そんな水上の忍者・アメンボはアメリカで「water strider(ウォーターストライダー)」、イギリスでは「pond skater(ポンドスケーター)」と呼ばれています。
それぞれ「水の大股歩き」「池のスケーター」、と水上を進んでいくアメンボの様子がよく分かる表現ですね。
ハチ:大きく分けて2種類
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英語には日本語のハチにあたる総称はなく、「bee(ビー)」と「wasp(ワスプ)」の2つの種類に大きく分けられます。「bee」ははちみつを作るミツバチのような、基本的に穏やかなハチです。一度刺すと針が抜けず死んでしまいます。
一方、スズメバチは「hornet」、そして「wasp」はスズメバチを含む攻撃的なハチ全般のことをいいます。「bee」との違いははちみつを作らないこと、また死なずに何度でも刺せるということです。またアメリカではその姿から、スズメバチを「yellow jacket(イエロージャケット)」と呼んでいます。
セミ:日本人には物騒に聞こえる?
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ときにはうるさいセミの鳴き声ですが、夏気分を盛り上げてくれる季節の風物詩。そんなセミの英訳をアメリカ人が発音しているのを聞くと、ちょっとびっくりしてしまうかもしれません。
英語でセミは「cicada」、アメリカ英語での発音は「シケイダ」。死刑だなんて物騒で、一度聞いただけで覚えてしまいそうな名前です。実際は「シャカシャカ(シケシケ)」という鳴き声が語源と考えられています。またイギリス英語でもつづりは同じですが、発音は「シカーダ」なのでご安心を。
コオロギ:同名のスポーツがある
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秋になると涼し気な鳴き声を聞かせてくれるコオロギは、英語で「cricket(クリケット)」。つづりも発音も同じ野球の元祖となったスポーツ「クリケット」がありますが、語源はまったく違う別の単語です。
コオロギの「cricket」はその鳴き声から、昔のフランス語「criquet(キチキチと羽音を立てる虫)」を語源としている説があります。そのほか秋に鳴く虫として代表的なものといえば、「bell cricket(鈴虫)」「bush cricket(キリギリス)」など。いずれも「cricket」が使われています。
蝶:食べ物の「バター」と関係が?
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蝶の英語名は日本でもおなじみ「バタフライ」。英語表記では「butterfly」となり、「fly」はトンボの章でご紹介したように飛ぶ虫を意味する言葉です。すると前半の「butter」は、パンに塗るバターとつづりも発音も同じということになります。
蝶とは無関係のように見えて、じつは食べ物のバターがバタフライの語源という説もあるのです。「蝶に姿を変えた魔女がバターを盗むから」「蝶の排泄物がバター色だから」など諸説ありますが、正確には分かっていません。
カマキリ:鎌をあげたポーズはお祈りの姿
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カマキリが立って鎌を振り上げ威嚇する姿は、大人から見ても少しびっくりしてしまうもの。しかし国が変われば、この姿に対する捉え方も変わります。
英語でカマキリは「mantis(マンティス)」、または「praying mantis(プレイングマンティス)」。「mantis」は預言者を意味するギリシャ語に由来したものです。カマキリが立ち上がる姿が、まるでお祈りをしている預言者のようだとして「praying mantis」と呼ばれています。
由来を知ると楽しい昆虫の英語名
身近に出会える11の昆虫の英語名をご説明しました。「昆虫名を英語で」というと難しく感じてしまうかもしれませんが、由来を知ると楽しく覚えられそうです。また同じ昆虫でも国が変われば感じ方も違い、他国の文化をうかがい知るきっかけとなるでしょう。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。