2017年9月25日 公開

わが子を世界のリーダーに!スーパーグローバルハイスクールとは?

「スーパーグローバルハイスクール(※以下SGHと略)」とは、文部科学省が指定する高等学校等において、グローバル・リーダー育成に資する教育を施し、将来、国際的に活躍できる人材を育成する学校のこと。具体的な取り組みやカリキュラム、身に付けられる力、求められる力を詳しく紹介していきます。

SGHの生まれた背景

potowizard / Shutterstock.com
不況といわれて久しい日本。経済危機から脱するために、国際マーケットの競争で勝ち抜き、学術研究、国際貢献などにおいても世界に引けを取らず、リードできる国を目指したいわけです。そこで、「まずは世界で活躍できる人材の育成を」という結論から、SGHの構想が生まれました。
そのためには、世界基準の教育が必要なことは明白で、学校のあり方をまずは変えよう!ということになったわけです。

山積みの課題を抱える世界で日本は……

Aris Suwanmalee / Shutterstock.com
現在、世界各国は経済・文化・観光などの面で交流が進み、深いつながりが生まれています。

しかし、一方で、経済格差問題、難民・移民問題、宗教やテロの問題が起きています。さらに、地球温暖化に関わる環境問題、領土紛争、民族紛争など、各国それぞれでは解決できない、世界で共通して立ち向かうべき重大な問題や取り組むべき共通課題があります。

違いを認識して話し合うのが問題解決の鍵

世界のさまざまな問題を解決するためには、その問題に関わる各国が協力しあって解決していくしかありません。そのために行われているものとして、サミットが挙げられるでしょう。つまり、先進国首脳会議と呼ばれる、世界のリーダーとされる主要国の集まりですね。

2017年は、5月下旬にイタリア・タオルミーナにて、G7タオルミーナ・サミットが開催され、安倍総理が出席。日本、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、カナダ、EU等のリーダーが参加していました。

背景が異なる国同士が納得できる解決策を考えるためには、お互いの国の違いを知ることが大切になってきます。将来、国際的に活躍できる人材とは、この多様性を知識として知っている上で、問題を理解し、コミュニケーションが取れる能力を身に付けることが求められるのです。

その人材育成を担うのがSGHというわけです。

SGHってどんなとこ?

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現在文部科学省から、SGHの認定を受けているのは全国で123校。この先、さらに数が増えるのではないでしょうか。

その目的として挙げられているのは、「国際化を進める国内の大学のほか、企業、国際機関等と連携して、グローバルな社会課題を発見・解決し、様々な国際舞台で活躍できる人材を育成すること」。また、「人材育成のために質の高いカリキュラムを開発・実践すること」だそうです。
もちろん、小学校から中学校、高校の学校教育でも、社会科や総合学習で、世界の問題をどのように解決したらよいかを学ぶ機会は与えられています。

しかし、さらに深く世界の問題を考える中で、生徒の社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身に付けさせ、将来、国際的に活躍できる人材を育成するのが「SGH」なのです。

実際には……SGH群馬県立中央中等教育学校の場合

群馬県立中央中等教育学校では、「【地球市民としての日本人】の育成を土台としたグローバル・リーダー育成」を行うため、英語を使ったコミュニケーションや世界の多文化の現状を学べます。さらに政治、経済、ビジネスのグローバルな社会課題を大学、企業、国際機関と連携して、講義、ゼミ形式で学ぶ機会が与えられます。

特徴的な活動として行われているのが、国際経済やグローバルビジネス、環境問題などについて学ぶ海外フィールドワーク「ハワイ研修ゼミ」です。この研修は、中央大学やハワイ大学との連携により実施され、現地の高校生との交流・研究内容の発表が行われています。

未来を見据えた進路選択を視野に

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今の子どもたちが生きる未来は、どうなっているでしょうか。

日本では少子高齢化が進み、一方で、世界の人口は、2050年には90億人を突破するとされています。

また、インターネットと人工知能の発達により、今は存在していない新しい職業が生まれるとされています。そのための適応能力と、新しい職業を選択できる力を身に付けることはとても重要になってくるでしょう。

これからの社会で求められる「活躍できる力」とは……

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2020年には大学入試が大きく変わり、学力よりも、実際に社会で活躍できる力が求められてきます。

その代表的な力が、困難やトラブルを自分で解決し最後までやり抜く力や、物事を筋道立てて考え、状況を考慮しながら判断していく力です。

これらの力は一朝一夕には身に付きません。学生時代から積み重ねてはじめて身に付くものです。

SGHなら……国際社会で活躍できる力が身に付く

お子さんに、国際社会で活躍できる力を身に付けさせ、世界のリーダーへと羽ばたかせたいなら、コミュニケーション能力や問題解決力を学べる、SGHはとても魅力的な学校となることでしょう。

興味を持った方は、地域の指定校や取り組みを調べておくことをおすすめします。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

大木茂行 大木茂行  元ロンドン日本人学校教諭。J-SHINE小学校英語指導者。ファイナンシャルプランナー。群馬県出身。教師歴25年の中で、公立小学校・中学校・特別支援学校・海外日本人学校などの教育現場で子ども達を育ててきました。小6と中3の2児の父親でもあります。子育て中の皆様に語学や金融などにまつわるお話を中心にお伝えできればと思います。どうぞ宜しくお願いします。