2017年9月15日 公開

ラッキィ池田の『「思わず見ちゃう」のつくりかた』には子育てのヒントがいっぱい!

子どもの奇想天外な話やおふざけに、思わず引き込まれることが多々あります。自由で豊かな子どもの創造性を上手に育んであげるには?夢と希望にあふれる子ども心に親が寄り添うには?振付師・ラッキィ池田さんの新著にはそのヒントがいっぱいです!

ラッキィ池田さん著の『「思わず見ちゃう」のつくりかた』

タイトル:「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」
著者:ラッキィ池田
出版社:新潮社
NHKの「いないいないばぁっ!」や「にほんごであそぼ」、アニメ「妖怪ウォッチ」、特撮テレビドラマ「宇宙戦隊キュウレンジャー」など、数々の子ども番組で振付を担当するラッキィ池田さん。子どもでもすぐに踊れて、つい真似したくなる動きを考えさせたら、ラッキィさんに敵う人はいないかもしれませんね!

振付師として活躍して30年以上。常にヒットを飛ばし第一線で活躍し続けるヒミツは「子どもスイッチ」にあるようです。

新著『「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」』では、大人の事情に振り回されず、子どもが持つ自由で豊かな想像力を維持するポイントとして、この「子どもスイッチ」というキーワードが何度も登場します。

思わず見ちゃう、楽しくておもしろいアイデアはどうやって作る?子どもスイッチってどこにあるの?大人も持ってる?

この本には、読み手によって、育児書にもビジネス書にもなる内容が書かれています。きっと、Chiik!読者のパパやママなら、育児において気付かされること、ヒントがもりだくさんだと思ってもらえるはずです!

大人が無理に押さなくても子どもは常にスイッチON状態

MIA Studio / Shutterstock.com
子どもは全身に子どもスイッチがあり、常にON状態。だから、見るものすべてが新鮮で、なんてことないものがおかしくて、次から次へとやりたいことが湧いてきます。

大人になると、そうはいきませんよね。社会の常識から外れないようにといろんなブレーキが作動して、子どもの頃のような考えや行動はできなくなるもの。でもそれもなんだかつまらないものです。
子どもたちと遊んでいると、仲間から外れて自分で遊びを考えて、楽しそうに遊んでいる子どもがいます。この子たちは決して心を閉ざしている訳ではなく、自分の新しい発想や考えで、仲間たちを自分に引き寄せようとしているのです。その「頑固な子ども力」に触れると、いじらしく、それ以上に可愛く思えてしまいます!
via 「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」
筆者の娘は、どちらかというと大勢の中にいるより一人二人と少人数で遊ぶ方が好きなタイプです。気にし過ぎかもしれませんが、親としてはもっと社交的になってほしくて、友だちの輪の中に連れていってあげたりしたこともありました。

大抵うまくいきません。

最近気付きましたが、一生懸命一人ぬり絵をしていると、「私もしようかな」とそばに来てくれる友だちもいるのです。ラッキィさんが言っているのはこういうことか、とハッとしました。大人の解釈で「娘はつまらないんじゃないか」と思い込んでしまい、せっかくの娘の趣味を奪おうとし、スイッチをOFFにしようとしていたかもしれないと猛反省です。

時には子どもと一緒に変顔、ヘンテコダンス

Anutr Yossundara / Shuttterstock.com
外では控えめな娘ですが、家に帰ると一転、お転婆娘になってしまいます。

突然「ママ見てー」と変顔したり変なポーズをとったり、机やソファの上からジャンプで飛び降りたり。忙しい夕方にやられると正直イライラするし、怒鳴ってしまうこともあります。

それでも懲りずに呼び続けられることもよくあるのですが、そのたびに、後で!忙しいの!と言っているうち、「こちらの事情」を察するようになってきました。それを成長として喜ぶべきか。この本を読んで、自分は間違っていたなと痛感しました。

大人には「何やってるんだ?」と不可解に見えても、子どもは楽しくてしょうがないし、その楽しいという気持ちを身体全体で表現して分かち合おうとしているんですよね。危ないことやいけないことはちゃんと注意しつつ、子どもを笑わすために一緒に変顔やヘンテコダンスで「楽しい」時間を過ごす。そうやって子どもの心を育ててあげることが大事だと、この本から教えてもらった気がしました。

ラッキィさんの「思わず見ちゃう」は子どもに大ウケ!

本の刊行イベントとして、先日、神楽坂にある「la kagu(ラカグ)」にて、「親子でダンス&レクチャー 『子どもスイッチ』を押そう!」が開催され、筆者も参加してきました。

via photo by Chiik!編集部

ラッキィさんの踊りに子どもは釘づけ
via photo by Chiik!編集部
イベントでは、「わ~お!体操」や「妖怪ダンス」などをラッキィさん直々にレクチャーしてくれたのですが、ラッキィさんと参加者とのやりとりで筆者も娘も気に入ったのは「指が11本になる」というもの。

「じゃあ、キュウレンジャーのキュータマダンシング知ってるよね。これ踊ったら、なんと、指が1本増えるから!」

そんなこと言われたら、子どもはもちろん大人でも「思わず見ちゃい」ますよね。

種を明かすと、指を折りながら1から数え、8を飛ばして11まで数える、というそれだけなのですが子どもには大ウケ! 「8飛ばしてるよー」「11本じゃないよ、10本だから!」子どもたちはおのおのラッキィさんにツッコミます。中には真剣に抗議している風に見える子も!とにかくラッキィさんの注目の集め方、子ども心の掴み方がすばらしい!と思いました。

ラッキィさんは大人が「ERROR」を見せることで、子どもが自ら気付いて指摘する力を伸ばしてあげることができる、と語っています。うちの子のように人前でもじもじするタイプには、もってこいのアプローチ法だと思います。これ変だよね、違うよね、というものをわざと見せることで発言のチャンスを与えて距離を縮める。ついでになんだかおかしい。積極性を育ててあげるのにも役立つのかなと感じました。

経験を重ねても「怖いもの知らず」の精神を

KPG_Payless / Shutterstock.com
成長する、大人になるということは、それだけ経験を重ねるということです。その経験が、プラスに働くこともあればマイナスとなることもある。失敗や他人の目を気にして思うように行動できなくなるのは、経験がもたらすマイナスの側面だと言えそうです。

今、小さい子どもが持っている「怖いもの知らず」のチャレンジ精神や柔軟な思考力を、どうしたら維持してあげられるか。親自身も子どもスイッチを押して一緒に今を楽しむことが一番効果的な方法かもしれません。

『「思わず見ちゃう」のつくりかた 心をつかむ17の「子ども力」』が育児中の身にこんなに突き刺さるとは、読み始める前は想像もしていませんでした。子どもの可能性を広げるためにも、ぜひ手に取ってもらいたいおすすめの一冊です。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Akari Itoi Akari Itoi  出版社、料理企画会社を経て独立。WEBメディアを中心に企画からライティングまでこなすコンテンツディレクターとして活動中。得意ジャンルはグルメ/クッキング/子育て/幼児教育/受験。東京在住。石川県出身。2児の母。調理師/食育指導士/JHBS講師/パンコーディネーター取得。