目次
プログラム学習とは
プログラム学習とは、アメリカの心理学者、バラス・フレデリック・スキナーによって開発された学習法のことです。
たとえば、「ネズミに箱の中のレバーを押させる」という目標があるとします。
この目標を達成するため、まずは偶然ネズミがレバーを押したときに、ネズミにエサ(報酬)を与えるようにします。
何度か繰り返すうちに、「レバーを押せばエサ(報酬)がもらえる」ことを学習し、ネズミは自らレバーを押すようになります。
このように、報酬(もしくは罰)に対応して行動が強化され、行動の頻度を増やす(あるいは減らす)ようになることを、「オペラント条件づけ」と呼びます。
「オペラント条件づけ」の理論を人に応用したものが、プログラム学習法です。
学習のステップを細かく設定した上で、
学習者へ問題提起
↓
学習者が反応する
↓
反応に対して即時フィードバックを行う
という流れを繰り返し、目標達成を目指します。
プログラム学習を実践するために学習者が利用する教育機器は、「ティーチングマシン」と呼ばれます。
なお、2020年度から小学校で必修化される「プログラミング学習」と、名称はよく似ていますが、全く別のものなので注意してくださいね。
学習者へ問題提起
↓
学習者が反応する
↓
反応に対して即時フィードバックを行う
という流れを繰り返し、目標達成を目指します。
プログラム学習を実践するために学習者が利用する教育機器は、「ティーチングマシン」と呼ばれます。
なお、2020年度から小学校で必修化される「プログラミング学習」と、名称はよく似ていますが、全く別のものなので注意してくださいね。
プログラム学習の基礎知識【5つの原理】
プログラム学習は、次の5つの原理で成り立っています。
1:スモール・ステップの原理
学習ステップを細かく設定し、ゆるやかに難易度が上がっていく教材をこなしていくことで、最終目標を達成できるようにします。
学習者の負担を減らし、「できた!」という成功体験を重ねることで、学習への意欲を高めることができます。
学習者の負担を減らし、「できた!」という成功体験を重ねることで、学習への意欲を高めることができます。
2:即時確認(フィードバック)の原理
学習者が問題を解いたら、すぐに正誤を判定します。
即座にフィードバックを行うことで、行動が強化・維持されやすくなります。
即座にフィードバックを行うことで、行動が強化・維持されやすくなります。
3:学習者の積極的反応の原理
プログラム学習においては、常に学習者の積極性が求められます。
「教科書を読むだけ」「説明を聞くだけ」といった、一方通行の学習で終わることはなく、必ず何らかの問題や質問が提示され、学習者が解答をすることで、次の単元に進めるのです。
そのため学習者は、集中して勉強に取り組むことができます。
「教科書を読むだけ」「説明を聞くだけ」といった、一方通行の学習で終わることはなく、必ず何らかの問題や質問が提示され、学習者が解答をすることで、次の単元に進めるのです。
そのため学習者は、集中して勉強に取り組むことができます。
4:学習者の自己ペースの原理
プログラム学習では、学習者それぞれに合ったペースで学習を進めることを重視しています。
1人の教師が大勢の生徒に向かって講義を行うスタイルでは、どうしても「簡単すぎてつまらない子」や「難しすぎてついていけない子」が出てきます。
ティーチングマシンを活用することで、それぞれの学習進度に適したコースを受講できます。
1人の教師が大勢の生徒に向かって講義を行うスタイルでは、どうしても「簡単すぎてつまらない子」や「難しすぎてついていけない子」が出てきます。
ティーチングマシンを活用することで、それぞれの学習進度に適したコースを受講できます。
5:学習者検証の原理
プログラム学習において、学習教材の良し悪しを決めるのは、教材の作成者ではなく学習者自身です。
そのため教材作成者は、学習者がどのように教材に取り組み、どの程度習得できたのかといったデータを解析し、教材をより効率的で効果的なものに改善することが求められます。
そのため教材作成者は、学習者がどのように教材に取り組み、どの程度習得できたのかといったデータを解析し、教材をより効率的で効果的なものに改善することが求められます。
プログラム学習のメリット
プログラム学習を取り入れるメリットは、主に次の4点です。
小さな成功の積み重ねで自信がつく
「自分でできそう」と感じられるレベルのスモールステップを段階的に上がっていくことで、学習者の挫折を防ぎ、前向きな学習意欲を強化・継続できます。
自分のペースに合わせて学習できる
常に自分のレベルに合った教材が提供されるので、飽きたりあきらめたりすることなく、学習を進められます。
インプット・アウトプット・フィードバックの繰り返しで学習効率が上がる
知識は、ただ覚えるだけではなく、知識を使って問題を解決できるようになって、はじめて習得したといえます。
プログラム学習では、
知識を頭に入れる(インプット)
↓
問題を解く(アウトプット)
↓
正誤判定(フィードバック)
というフローを繰り返すことによって、学習内容が確実に身につくよう配慮されています。
プログラム学習では、
知識を頭に入れる(インプット)
↓
問題を解く(アウトプット)
↓
正誤判定(フィードバック)
というフローを繰り返すことによって、学習内容が確実に身につくよう配慮されています。
学習の現在地が確認しやすい
細かいステップを少しずつ進んでいくという学習法なので、どこまで理解できているのか、どこでつまずいているのかを把握し、対処しやすいというメリットがあります。
家庭でプログラム学習を取り入れる方法
普段の家庭学習においても、プログラム学習の理論を応用できます。
簡単な問題からはじめる
子どものやる気を削がないように、まずはすぐに解けるような簡単な問題を提示してみましょう。難易度を上げるときも、焦らず、子どもにとって無理のないペースを守るのが大切です。
子どものペースを見守る
最適な学習進度は、子どもによって異なります。学校のカリキュラムに固執せずに、その子に合ったレベルの教材を選んであげるとよいでしょう。
答え合わせはその場ですぐに行う
子どもの学習モチベーションを維持するために、即時のフィードバックは欠かせません。子どもが問題を解いたら、すぐに答え合わせをしてあげたいですね。
タブレット端末の学習にはメリットがたくさん!
ここ数年、タブレットで学べる通信教育サービスが急速に増えてきました。
また、学校など公の教育現場でもタブレットの普及が進んでいます。
私たち親の世代にはなかった学習方法ですから、「タブレット学習で本当に力は身につくの?」と不安に感じる方も多いかもしれません。
タブレットを活用した学習の大きなメリットは、ご紹介したプログラム学習が簡単に実践できることです。
・レッスンや解説のあとに必ず確認テストが提示される
・自動で採点され即時フィードバックが行われる
・データが一元化されるのでどこまで学習が進んだか把握しやすい
・1人1端末が基本のため子どもの学習進度に合った勉強ができる
・AIにより学習者に合ったカリキュラムに自動的に改善される
筆者の4歳と8歳の子どもたちも、タブレット学習を行っていますが、プログラム学習を活用した教材が楽しいようで、飽きずに続けられています。
また筆者自身も、無料で利用できる、プログラム学習を参考に作られた英語教材のアプリをスマートフォンに入れて、スキルアップに活用しています。
紙での学習と併用しつつ、タブレット学習で得られるメリットもうまく活用していくのがおすすめです。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。