2018年3月28日 公開

言葉を吸収する4歳におすすめ!まねっこフレーズが楽しい絵本

言葉の数がぐんと増え、親子や友達同士の会話も豊かになる4歳。周りの人が使う言葉をまねて、その反応を楽しむようにもなります。そんなまねっこが大好きな4歳には、親子で一緒に繰り返し読める、リズム感のいいフレーズが登場する絵本がおすすめですよ。

ついまねしたくなる!繰り返しフレーズが登場する絵本

Monkey Business Images Shutterstock.com
3~4歳は、幼稚園や保育園の年少にあたり、はじめて集団生活をスタートさせる時期です。家の中ではそれほど話さなかったのに、入園後、言葉への興味がぐんと増してお喋りが盛んになるという子どもも多いようです。

自分の意思を言葉で伝えられるようになり、表現も増え、親子や友達同士で会話が豊かになる時期でもあります。親や友達の使う言葉、テレビから聞こえてくる言葉をまねして楽しむ、という傾向もみられます。

今回は読み聞かせながらまねっこ遊びができる、楽しいフレーズがある絵本を集めてみました。思わず言いたくなるフレーズがたくさん!絵本の読み聞かせを通して、言葉の興味関心をさらに引き出してあげましょう。

作中で歌うシーンが楽しい「ぐりとぐら」

タイトル:ぐりとぐら
著者:中川 李枝子(作)、大村 百合子(絵)
出版社:福音館書店

ロングセラーの絵本シリーズの代表ともいえる、ねずみのぐりとぐらが出てくる絵本。こちらはシリーズの第一作目です。今なお不動の人気を誇る絵本で、自身が子どもの頃に好きだったというパパママも多いことでしょう。

ぐりとぐらが歌を歌うシーンで繰り返し出てくる「ぐりぐらぐりぐら」のフレーズ。この部分はどうやって読めばいいのか、と迷う方もいらっしゃるようです。確かにそのまま読むだけだと、少々つまらないかもしれません。

ぜひ、リズムや抑揚をつけて楽しさを演出してみてください。思わず子どもも一緒に「ぐりぐらぐりぐら」と繰り返したくなるはず!絵本の面白さにどんどん引き込まれることでしょう。

なぜか子どもを惹きつけるフレーズ「はなをくんくん」

タイトル:はなをくんくん
著者:ルース・クラウス(文)、マーク・シーモント(絵)、木島 始(訳)
出版社:福音館書店

冬の間に冬眠している動物たちが、次々に目を覚ましはじめます。どの動物も、みんな鼻をくんくんさせて……。

モノトーンのイラストで、一見子どもにとっては地味に思える絵本ですが、繰り返し出てくる「みんな はなを くんくん」というフレーズが印象的で、子どもを惹きつける響きを持っています。

筆者の4歳の息子は、何度も読み聞かせているうちに筆者に続いて「はなをくんくん」と真似するようになりました。今では、その直前で親が読むのを止めると、続けて「はなをくんくん」と返してくれるのが恒例になっており、コミュニケーションを楽しんでいます。

最後のシーンに突然現れる色鮮やかな絵にも注目です。

歌うように楽しめる「かぼちゃひこうせんぷっくらこ」

タイトル:かぼちゃひこうせんぷっくらこ
著者:L・ヘルシング(文)、S・オットー(絵)、奥田 継夫(訳)
出版社:アリス館

「おおくまくん」と「こぐまくん」が植えてみた種。芽が出て、成長して、どんどん大きくなって、とうとうお家より大きなかぼちゃに!

「おおきなくまはきんいろの ちいさなくまはぎんいろの」など、2匹のくまが一緒に何かをするときに、このフレーズが繰り返されます。次は何をするんだろうという期待を込めて、子どもはついつい口ずさんでしまうよう。

筆者はこのフレーズを読むとき、音程を自作で付けて歌うように読んでいます。そうすることで、お話も盛り上がりますし、読んでいる方も聞いている方も楽しめるからです。ぜひ試してみてください!

身振り手振りをつけても楽しい「おおきなかぶ」

タイトル:おおきなかぶ
著者:A・トルストイ(再話)、内田 莉莎子(訳)、佐藤 忠良(画)
出版社:福音館書店

昔からある読み聞かせの鉄板絵本の一冊です。

まねっこフレーズはもちろん「うんとこしょ、どっこいしょ」。このリズミカルなフレーズは、不思議と耳に残ります。実際に引き抜くように体を前後に動かしたり、手で引っこ抜くポーズを取ったりと、遊びながら読めるのもいいですね。

何度も読んでいるうちにフレーズを覚えて、日常生活でも、たとえばお片付けをするときに親子でつい使ってしまうなんてことも。

「まだまだかぶは~?」と語尾を上げて読み聞かせると、「ぬけませーん!」と元気に答えてくれる、というやり取りも楽しいですよ。

曜日の名前も覚えられるかも?「はらぺこあおむし」

タイトル:はらぺこあおむし
著者:エリック・カール(作)、もりひさし(訳)
出版社:偕成社

大人気のエリック・カールの絵本。なかでも、色鮮やかなイラストも魅力的なこの「はらぺこあおむし」は、知らない親子はいないほど有名な本ではないでしょうか。

おなかをすかせたあおむしが、1週間の間にいろいろな食べものを食べ続けます。食べても食べてもあむしのおなかはぺっこぺこ。この「おなかはぺっこぺこ」がまねっこフレーズで、読んでいるうちに子どもは自分で言いたくなるようです。

筆者が息子に読むときは、「まだおなかは?」「それでもおなかは?」と次のフレーズを促すようにしています。そうすると「ぺっこぺこ!」と返してくれるので面白いです。

カラフルな絵は見ているだけでも楽しく、絵本に合わせた歌もあるので、もっと小さな子どもでも楽しめます。兄弟で一緒に読むのにもおすすめですね。

まねっこフレーズを親子で楽しんで!

子どもの言葉の成長には個人差があります。こうした言葉で遊べる絵本に触れることは、言葉に興味関心を抱くきっかけにもなりますよ。

耳に残るフレーズの繰り返しは、読んでいる親も楽しいものです。リズム感も楽しい絵本の中のまねっこフレーズ、親子で楽しんでみませんか?
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

卯岡若菜 卯岡若菜  さいたま市在住のフリーライター。2学年差の食欲オバケの息子ふたりを子育て中。元書店員・雑貨店員で、絵本・児童書・子供のおもちゃが好き。ほぼワンオペ育児の中、母ひとりでもガマンせずに子連れであちこち出かけています。