漢字の音読みと訓読みは何が違うの?
漢字は中国から日本に伝わりました。そのため中国語として使われる漢字と、日本語として使われている漢字には似たところもあります。しかし違っている点も多く、たとえば中国の漢字は基本1字1音です。一方、日本にはふたつ以上の音を持つ漢字もたくさんあります。
その要因として、まず漢字が日本に伝わった時期や地域により、異なった音が入ってきたことがあげられるでしょう。中国は地域ごとで、同じ漢字でも読み方が異なっていました。このようにして中国から入ってきた読み方が「音読み」です。たとえば漁という字は「りょう」「ぎょ」という2つの音読みを持ちます。
さらにふたつ目の要因が、漢字を日本語に翻訳した読み方があるため。この読み方を「訓読み」と言います。漢字の持つ意味に対応する日本語を、当てはめて作られたものです。たとえば「休」という漢字は、中国で「休む」という意味で使われていました。そこで、この漢字に日本語の「やすむ」という言葉を当てはめたのです。
つまり中国から入ってきた読み方が「音読み」、日本の読み方が「訓読み」と分類できます。
多くの訓読みには送り仮名がつく
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訓読みは、日本の言葉を当てはめているため送り仮名がつきます。この送り仮名の付け方にはルールがあり、覚えておくと判断しやすいでしょう。先ほどの「休む」という漢字を例にあげて説明します。
送り仮名は、文の中での使い方により変化します。「休む」の場合、動詞の活用形(未然・連用・終止・連体・仮定・命令)は以下のように変化します。
休まない・休みます・休むとき・休めば・休め
これを見るとわかるように、「やす」まではどの活用形でも変化しません。基本的に送り仮名は、読み方が変化するところ(「やす」まない・「やす」みます・「やす」むとき・「やす」めば・「やす」め)からつけるというルールです。
しかし一部例外もあります。たとえば「美しい」という形容詞は、「美しい・美しかろう・美しかった」というように「うつくし」まで読み方が変わりません。にもかかわらず、送り仮名は「し」からつきます。難しい、悲しいなど「~しい」で終わる形容詞は例外だと覚えておくと、間違いにくくなるでしょう。
名前をあらわす訓読みには送り仮名はつかない
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多くの訓読みに送り仮名がつきますが、一部例外があります。「川」「山」「海」などの名詞には、送り仮名はつきません。名詞は使い方によって形が変わることがないためです。ただこれにも一部例外があるので注意しましょう。たとえば「幸せ」などのような、ほかの品詞から派生した名詞は送り仮名をつけます。
熟語の読み方のルール
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漢字をふたつつなげた熟語には、読み方のルールがあります。多くの場合「音読み+音読み」、もしくは「訓読み+訓読み」となるのです。これを覚えておくと、読み方に迷ったときに役立ちそうです。
「音読み+音読み」……人工(じんこう)、入学(にゅうがく)など
「訓読み+訓読み」……草花(くさはな)、青空(あおぞら)など
ただこのルールにも、わずかながら例外があります。それが「音読み+訓読み」の「重箱読み(じゅうばこよみ)」、「訓読み+音読み」の「湯桶読み(ゆとうよみ)」です。小学生で習う重箱読みには、台所、本屋などがあります。小学生で習う湯桶読みは、高台、場所などです。
ルールを覚えて漢字の読みをマスター
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漢字の読み方はひとつではないため、「なかなか覚えられない」というお子さまもいるかもしれません。しかし法則を覚えておけば、頭に入りやすくなるのではないでしょうか。このほかにも漢字の成り立ちから覚えたり、仲間ごとに覚えたりなど、覚えやすいやり方がいくつかあります。お子さまに合うやり方を見つけてみてください。
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