2018年5月14日 公開

距離感を詰めるのは、諸刃の剣?人間関係の構築はじっくりと。【転妻てんてこ育】第5回

転勤族の夫、長女「おみ」(2013年生まれ)、長男「ゆうし」(2015年生まれ)と暮らす、毎日がてんてこまいの幡池未由(はたいけみゆ)です。連載「転妻(てんつま)てんてこ育」、5回目は転勤後の人間関係の構築についてお伝えします。

失敗した経験から学んだ!?人付き合いの方法とは……

春は、新しい生活がはじまる季節です。引っ越し先や子どもの保育園・幼稚園、学校などで人間関係の構築に悩んでいる……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、人との適切な距離感をつかむのは難しいですよね。

今回のテーマは、「人間関係で失敗した経験から学んだ、人付き合いの方法」です。13年間で5回の引っ越しをし、コミュニケーションスキルに自信のないわたしでも、無理なく人間関係を構築できた方法を紹介しています。人見知りしがちな人も実践しやすいので、新しい場所・土地で、人付き合いトラブルを減らしたい方は、ぜひ読んでみてください。

焦って失敗!さみしい気持ちから、いろいろ話していた

引っ越しする前の生活が充実していた上に、今まで住んでいた中でもワーストレベルに不便な田舎へ……。転勤に慣れていなかったわたしは、引っ越し直後、寂しさや虚しさでいっぱいでした。

早く誰かと仲良くなりたい気持ちから、支援センターやベビーマッサージ教室など、子連れで行けるあらゆる場所に出かけ、まわりの人たちと話題をつなげて交流を深めようと、聞かれたことについて素直に答えていました。それが、後々わたし自身を苦しめることになるとは、わかっていなかったのです。

自分たちが楽しめればOK?対象者はネタにされる!?

わが家の場合、夫は普段も朝から夜遅くまで、土日祝日・大型連休も仕事です。わたしは、ほぼ毎日、ワンオペで育児・家事・仕事をしています。

田舎でわたしのような境遇は、珍しいこともあってか、家庭事情や夫の勤め先など、プライベートについて、踏み込んで聞かれるようになりました。聞いてくれた方は純粋に興味を持っていただけで、悪気はなかったのかもしれません。でも、どこかモヤモヤが消えません。

そのモヤモヤは、一方的にわたしの情報を言わされている状況だったからだと、気づきました。わたしにはあれこれ聞いてくるものの、相手は当たり障りのないことしか言わなかったのです。

自分が相手に不快感を抱いていたことに気づいてから、わたしも言いたくないことはぼやかすようにしました。

さらに、原因を考えてみました。相手に踏み込まれやすい状況を作っていたのは、実はわたし自身でもあったのだと。良かれと思い、聞かれたことに対して真摯に答えていました。でも、地元の人にはないおもしろネタを持っていると思われ、いいように利用されていたのかもしれない……と今では思います。

孤独感を紛らわせたかったわたしは、スキだらけだったのかも。踏み込まれたくないところに土足で入られてしまいました。

自分を守れるのは自分だけ!人間関係の構築はじっくりと

それ以降、転勤先で関わる人たちとは、短期間で距離を縮めすぎないように気をつけています。

そして、やたらと話しかけてくる人にも要注意!わたしは、補正下着販売のネットワークビジネスを持ちかけられたことがありました。寂しい気持ちにつけこんで、商品の販売や契約につなげようと狙っている人もいるのかもしれません。

そういった下心がないにしても、適度な距離感がわからずに急接近してくる人は、要注意人物のことも。事前情報に乏しい転入者なら、知り合う前から地元の人と何かしらのトラブルを起こしていても、自分を受け入れてくれそうだと思われている場合があるからです。

ただフレンドリーなのか、下心があるのか。まずは慎重に見極めて、誤った判断はなるべく避けたいものです。

人間関係の構築を焦らないために意識したこと

これらの経験から、今では次の3つのことを心がけています。

・なるべく聞く側に回り、自分から不要なことは話さない。
・聞かれて答えたくないことは、別の理由を加えるなどしてぼかす。
・聞かれてばかりだと感じたら、こちらから話しても問題ない話題を入れてほどよい雰囲気を保つ。

「陰でうわさ話をされるのがイヤだから、こっちの情報はなにがなんでも言わない!」とガンコになっていた時期もありました。しかし、かたくなになればなるほど余計に興味を持って聞いてくる人もいるし、心を閉ざしたままではピリピリした印象を与えてしまい、メリットは特になし。

わたしの場合は、適度に距離をキープしつつ、心のドアを少し開けておくくらいがちょうどいいようです。

さらに、近くに仲良くなれそう人がいなければ、いなくても大丈夫だと思える環境を作るようにしています。

・インターネットで共通の趣味仲間を見つけ、交流する
・習い事をする
・一時的に地元に帰る
・仲の良い友人に会いに行く

わたしが地元を離れたばかりのころは、今のようにインターネットをうまく使えず、関わりを地元の人に限定していたのが、そもそもの失敗でした。

地域によって気候が異なるように、人もさまざま。残念ながら、相性が合わない場合もあります。合わないものは合わないのだからしょうがないと一旦あきらめて、他の方向に目を向けてみましょう。

わたしは、インターネットで転妻仲間や仕事仲間の人たちと出会えたおかげで、今では随分気楽に過ごせていますよ。

最後に

人間関係の構築をとにかく焦らない!この一言に尽きます。特に転勤の周期が短い人の方が、焦る傾向にあるようです。2〜3年ごとに転勤があるわたしも、何度も焦って失敗して学びました。

自分に興味を持ってくれることは、ありがたいです。しかし、自分が利益を得るために接している人も少なくないことを、念頭に置いてください。

お互い、もともとの環境が違うから、理解されずにあれこれ言われ、悔しい思いをすることもあります。そんなときは好きなことをしたりおいしいものを食べたりして、サラッと流してしまいましょう!この記事を読んで人間関係の悩みが軽減していただけたら、幸いです。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

幡池 未由 幡池 未由  ライター・イラストレーター。2013年・2015年・2018年生まれの子どもがいます。12年で5回転勤、次回の転勤時期・赴任地は未定。元気な子供たちとの生活や方言、カルチャーショックを楽しみながら、田舎暮らし転妻生活しています!