2018年2月13日 公開

児童書のベストセラー「はれときどきぶた」シリーズおすすめ5選

1980年の出版以来、子どもたちを魅了し続ける「はれときどきぶた」シリーズ。空からブタが降ってくるシーンに衝撃を受けたパパママも多いのではないでしょうか?シリーズ10作品はそれぞれとてもおもしろいですが、中でも筆者のおすすめの5冊を紹介します!

本のおもしろさを教えてくれる「はれぶた」シリーズ

「はれときどきぶた」(以下「はれぶた」)シリーズの主人公は小学3年生の畠山則安くん。「はれぶた」シリーズでは、則安くんのちょっとした考えから、どんどんおかしなことが起こっていきます。ハチャメチャが大好きな子どもたちは、どんどん物語に引き込まれていきます。また、小学生の悩みや不満が随所で表現されているので、共感できる部分も多いでしょう。

そんな「はれぶた」シリーズは、子どもたちに「物語っておもしろいな」と感じさせる魅力に溢れています。

はれときどきぶた

タイトル:はれときどきぶた
著者:矢玉 四郎(作・絵)
出版社:岩崎書店
「はれぶた」シリーズ1作目。則安くんは、お母さんが隠れて自分の日記を読んでいることを知り、恥ずかしさと怒りがこみ上げてきます。お母さんを驚かせたい則安くんは、「トイレに大蛇」とか「えんぴつを天ぷらに」など、でたらめばかりの日記を書くことに。すると、日記に書いたことが現実になっていきます。

小学3年生ともなれば、親に知られたくないことが出てきますよね。そんな等身大の男の子の姿に共感しつつ、奇想天外な展開に驚き、笑わせてくれます。さらに、自由に発想することのすばらしさを教えてくれる1冊です。

ぼくへそまでまんが

タイトル:ぼくへそまでまんが
著者:矢玉 四郎(作・絵)
出版社:岩崎書店
「はれぶた」シリーズ4作目。妹のパンツを服につけたまま学校に行って、クラスで笑われてしまった則安くん。恥ずかしいことは漫画に描いて、自分で笑えば気分が良くなると考えます。漫画を描いて楽しい気分になった則安くんは、どんどん面白い漫画を描くように。すると、お母さんが怪獣になるなど、漫画に描いたことが現実になってしまいます。

恥ずかしいことや失敗をどうやって乗り越えるか?失敗を受け止めることが難しい子どもの本棚に、そっと置いてあげたい1冊です。

ゆめからゆめんぼ

タイトル:ゆめからゆめんぼ
著者:矢玉 四郎(作・絵)
出版社:岩崎書店
「はれぶた」シリーズ5作目。夢を見るのが楽しみな則安くんが眠っていると、人に見られないように夢を配るはずのゆめんぼが、なぜか目の前に。則安君は、ゆめんぼが落としていった福引で大当たりをする夢を見たら、それが正夢になったのです。それで、マウンテンバイクをもらう夢を見るためにゆめんぼを捕まえようとします。すると、夢と現実の区別がなくなって奇妙なことが起こりはじめます。

寝ている間に見る夢は、ときには楽しく、ときには恐ろしく、そして、現実では起こらないことがたくさん。筆者の小学生の息子もよく夢について話をします。そんな夢に興味を持ちはじめた子どもに読んでもらいたい1冊です。

はれときどきあまのじゃく

タイトル:はれときどきあまのじゃく
著者:矢玉 四郎(作・絵)
出版社:岩崎書店
「はれぶた」シリーズ9作目。いろいろな人から「あまのじゃく」と言われた則安くん。パソコンであまのじゃくの意味を検索すると、パソコンの中からあまのじゃくが出てきます。あまのじゃくは、世界をあまのじゃくにする「アマノジャク王子」に則安くんを任命。街に出て則安くんが念じると招き猫が人を追い払ったり、携帯電話が巨大になったりとあべこべなことが起こります。

素直になれずにあまのじゃくな行動をしてしまう子どもは多いですよね。また、本当は正しくないことでも、周りの友達に流されてしてしまうこともあります。そんな子どもたちが「いいこと」と「悪いこと」の判断の方法を考えるきっかけになる1冊です。

はれたまたまこぶた

タイトル:はれたまたまこぶた
著者:矢玉 四郎(作・絵)
出版社:岩崎書店
はれぶたシリーズの10作目は、則安くんではなく妹のたまちゃんが主人公。たまちゃんの前に、「おふろぶた」や「すなぶた」など、いろいろなこぶたが現れる6本のショートストーリーと詩が含まれています。

小さなたまちゃんが主人公なので、これまでの「はれぶた」シリーズを読むには難しい幼児でも楽しめる1冊です。オノマトペがたくさんでリズムがいいので、読み聞かせにもおすすめします。

「はれぶた」シリーズはあとがきも大切

「はれぶた」シリーズは大笑いしながら読めるめずらしいタイプの児童書です。まじめなお話が苦手な子どもにとって、読書の入り口となるかもしれません。そして「はれぶた」シリーズは面白いだけではなく、小学生のモヤモヤを解決するヒントがたくさん出てきます。

ですから、物語を読んだ後は忘れずに作者のあとがき(はれたまたまこぶたを除く)を読んでほしいです。物語に込められた子どもたちへのメッセージを改めて知ることができますよ。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

LOA LOA  カナダ在住の英日翻訳者・フリーライター。Web媒体で子育てや語学学習についての記事を多数執筆。8歳の息子が0歳のときからはじめた絵本の読み聞かせは、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。これまでに息子と読んだ絵本や児童書は、日本語、英語、フランス語を合わせて数千冊。息子が笑顔になる絵本を見つけるのが喜びです。