2018年11月1日 公開

タヌキの絵本を楽しもう!「化ける」姿が印象的な絵本5選

絵本の中の「タヌキ」といえば、はっぱを頭にのせて化ける姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし同じ「化ける」話でも、そのストーリーはさまざま。ここでは、タヌキが「化ける」お話の絵本を5選ご紹介します。お気に入りの一冊を見つけてくださいね。

親子の会話が弾む絵本

タイトル:ぽんたのじどうはんばいき
著者  :加藤 ますみ(作)、水野 二郎(絵)
出版社 :ひさかたチャイルド
たぬきと言えば、葉っぱを頭に乗せて、何かに変身する姿を思い浮かべる方も多いはず。この絵本に出てくるたぬきは、葉っぱを相手の欲しいものに変えてくれます。

たぬきのぽんたは、ある日自動販売機を作りました。お客さんが持ってきた葉っぱのお金を、自動販売機の後ろにかくれたぽんたが欲しい品物に変えてあげるという仕組みです。

ところが、たぬきの女の子が欲しいといったものは「お友だち」。さてぽんたは一体どうするのでしょうか?

ぽんたの優しい気持ちが、ほっこりとさせてくれます。ぽんたの機転のきかせ方も見どころです。絵本を読みながら、「〇〇ちゃんならどんなものが欲しい?」とお子さまにたずねてみてはいかがでしょうか。親子のコミュニケーションが深まりそうですね。

小さなお子さまも楽しめる

タイトル:はんぶんタヌキ
著者  :長新太(作)
出版社 :こぐま社
タヌキがいろいろなものに変身するお話です。次々に変身を繰り返すのですが、なぜか半分はタヌキのまま。

「ばけますよ、ばけますよ」という言葉とともに、タヌキが変身するという繰り返しで構成されています。小さなお子さまは、繰り返しの言葉やストーリーが大好き。きっと最後まで飽きずに楽しめるでしょう。

大人にすると、「なんてナンセンスでわけのわからないお話なんだろう」と感じるかもしれません。しかしこのナンセンスさが、お子さまには魅力的にうつるのでしょう。

言葉がまだよくわからない小さなお子さまも、イラストをながめるだけで楽しい気分になれる絵本です。

偏見を持たないことの大切さを伝える

タイトル:こぎつねコンとこだぬきポン
著者  :松野 正子(文)、二俣 英五郎(画)
出版社 :童心社
きつねもたぬきも、化けたりだましたりと「ずる賢い」イメージを持たれがちな動物です。

この絵本に出てくるきつねのコンとたぬきのポンは、どちらも友達がいませんでした。ある日、そんなふたりが偶然出会います。しかしどちらの両親も、「ずる賢い」というイメージのせいで友達になることに大反対。しかしとある事件がきっかけで、家族ぐるみの付き合いに発展します。

相手のことをよく知らないのに、偏見を持ってしまった経験はありませんか?そのせいで、仲良くなれる機会を逃していたとしたらもったいないことでしょう。

この絵本を読むことで、偏見を持たずに仲良くすることの大切さや、友達のありがたみが伝わります。幼稚園や保育園などで集団生活が始まると、お友達との関わりは一気に増えるもの。そんなときに読んであげてほしい絵本です。

一緒に呪文を唱えたくなる

タイトル:ようかいえんのばけくらべ
著者  :白土あつこ(作・絵)
出版社 :ひさかたチャイルド
主人公は、ばけだぬきのばけた。彼を取り巻く愉快な妖怪たちのすがたを描いた「ようかいえん」シリーズの一冊です。

山へ遠足に出かけた妖怪たちは、汽車ごっこで遊ぶことにします。そこで、ばけたくんの出番。汽車に化けようとすると、なんと向こうから別の汽車がやってきました。どうやら正体は、お山に住んでいるばけだぬき。どっちが上手に化けられるか、ばけたとお山のたぬきの勝負が始まります。

妖怪の物語といっても、子どもを怖がらせるような内容ではありません。幼稚園児のほのぼのとしたやりとりを、等身大に描いています。「ばけばけはっぱでどろりんぱ!」の呪文を一緒に唱えて、絵本の世界に入り込んでみてくださいね。

悪いことをすると報いを受ける

タイトル:かちかちやま
著者  :いもと ようこ(文・絵)
出版社 :金の星社
「かちかち山」は、ちょっぴり残酷なお話。しかし最近のかちかち山の絵本は、表現がマイルドになっているものも多くあります。「せっかくの昔話、原作に忠実なものを読んであげたい」と考えるパパママもいるかもしれません。

そんなときおすすめなのが、この絵本。いもとようこさんのふんわりやさしいイラストとは裏腹に、ストーリーは原作に忠実で、残酷なものとなっています。

しかし、ストーリーの残酷さがイラストで中和されており、怖がらせすぎずにすみそうです。残酷なぶん、悪いことをすると報いを受けるということがストレートに伝わるのではないでしょうか。

親子で絵本を楽しみながらしつけにも活用

たぬきの絵本には、「化ける」ことがテーマのお話もたくさんあります。しかし同じ「化ける」ことがテーマながら、人生の教訓が描かれたものやほのぼのしたものなど、その内容はさまざま。

お子さまに伝えたいメッセージなどを考慮しつつ選ぶと、しつけにも役立ちそうです。親子で絵本の楽しさを共有しつつ、知育などにも上手に活かしてみてください。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

3分でわかる知育マガジン「Chiik!」

RECOMMEND この記事を読んだあなたにオススメ

十二支を学ぼう!2021年の干支は「辛丑(かのとうし)」

十二支を学ぼう!2021年の干支は「辛丑(かのとうし)」

新しい年が近くなると次の干支が気になります。今回は知っているようで知らない干支と十二支の違いや、2021年の干支「丑(うし)」についての豆知識を紹介します。
「ことばあそび」のおすすめ絵本4冊と子どもと楽しむコツ

「ことばあそび」のおすすめ絵本4冊と子どもと楽しむコツ

赤ちゃんや幼児の発話を楽しみながら促すことができる「ことばあそび」の絵本。おすすめの絵本を4冊と読み聞かせのコツを体験談も交えて紹介します。
LOA
【初心者向け】英語絵本の選び方&楽しみ方を体験談を元に紹介

【初心者向け】英語絵本の選び方&楽しみ方を体験談を元に紹介

お子さまの英語の導入に絵本を取り入れてみませんか?絵本にはイラストもあり、CDや動画などの力を借りれば英語の読み聞かせが得意ではないパパママでも気軽に触れ...
今読みたい絵本がわかる!絵本好きがたどり着いた指南書3冊

今読みたい絵本がわかる!絵本好きがたどり着いた指南書3冊

絵本の探し方がわからない、何を選べば良いかわからない……。そんなときは、絵本紹介本が一番!今、読みたい絵本に親子でたどり着ける、とっておきの指南書3冊をご...
海賊をもっと知りたい!ドキドキの冒険が楽しめる映画や絵本

海賊をもっと知りたい!ドキドキの冒険が楽しめる映画や絵本

子どもたちは海賊が大好き。ですが「海賊って何?」と聞かれると、わかりやすく説明するのは少し難しく感じます。そんなときは、海賊の生活がわかる本や映画を一緒に...

KEYWORDS

WRITER

rinoyuzu rinoyuzu  はじめましてrinoyuzuです。高校生の娘と息子がいます。以前は教員をしていました。これまでの経験を活かしながら、記事を書いていきたいです。みなさまのお役に立てるとうれしいです。