学童終了?!放課後の生活はどうする?
共働き家庭の場合、子どもが小学校に上がると同時に時短勤務が終了する方も多くいます。すんなりと学童保育に入れれば安心ですが、昨今では学童保育の空きがないという地域も増えています。この放課後の子どもの預け先の問題は「小1の壁」のひとつとして、共働き家庭に重くのしかかってきます。
そして試行錯誤して「小1の壁」を乗り越えたと思った矢先、「小4の壁」という新しい問題に直面する家庭もあります。
2015年に児童福祉法が改定され、学童保育はそれまで「小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童」を対象としていましたが「小学校に就学している児童」全てが対象となりました。
しかし、未だに多くの地域では定員の関係で受け入れが小学3年生までの学童が多く、小学4年生からは放課後は一人で留守番せざるを得ない子どもが出てきます。
さらに、夏休みなど長期休みをどうするかという問題も。長い期間、日中は子どもだけで過ごさなくてはいけないとなると、生活面での心配事も増えてしまいます。
学童の受け入れがあっても子どもが嫌がる場合も
学童の受け入れが全学年対象の場合でも、成長に伴い、さまざまな理由から子ども自身が学童に行きたくないと意思表示をするケースがあります。
9〜10歳の子どもは「ギャングエイジ」と呼ばれる世代です。この頃から特定の友達やグループと好んで付き合うようになり、仲間意識が強く芽生えるようになります。
それが放課後の過ごし方にも影響が出てくるといわれています。これまで、当たり前のように学童に通っていたのに、仲良しグループの友達が学童にいない場合は行くのを嫌がることがあります。
また、自分より年下の児童が多いと学童に行くのがつまらなく感じてしまい、嫌がることも。子どもの希望と家庭の事情を鑑みて、学童を続けていくかどうかを考える必要があります。
放課後の過ごし方の工夫
学童に行かなくなった場合、放課後はどのように過ごさせたら良いのでしょうか。まず考えられるのが、新しく習い事をはじめるか増やす方法です。
サッカーや体操などのスポーツ、そろばん、ピアノ、習字。近頃ではプログラミング教室などもあります。また、中学校受験を視野に入れている家庭では、この時期から塾通いをさせることも多いようです。
習い事に一人で通わせる場合は、子どもが自分でスケジュール管理をする必要があります。何曜日はどの習い事でどこに通うかをきちんと把握し、開始時間に遅れないよう時間を読みながら行動しなければいけません。
最初は、スケジュールを書いたボードを使ったり手助けしてあげると良いかもしれません。一人でできるか心配な面もありますが、自己管理能力を育てる絶好の機会にもなります。
毎日、放課後を習い事で埋めることも考えられますが、それでは子どもも疲れてしまいます。子どもの様子を見ながら、親子でよく相談して決めたいですね。
共働き家庭の長期休みの過ごし方
学童終了後、もう一つの大きな悩みは長期休みです。日々の放課後とは比べものにならないくらいの長時間、子どもだけで過ごす必要が出てきます。
親のいない間、どのように過ごさせるかしっかりと考えておかなくてはいけません。祖父母の家に長期間預ける家庭もあれば、民間学童に一時的に通わせる、サマーキャンプに参加させるなど試行錯誤している家庭が多いようです。
他にも、地域でやっている夏休みプログラムや校庭開放にプール開放、児童館などに毎日行かせる家庭も。
悩みの種でもある長期休みですが、この時期だからこそできること、身につけられることがあるので、有意義なものに変えられるといいですね。
一人で過ごす場合は親子での約束事が不可欠
放課後や長期休み中は子どもが一人で過ごす時間が増えるだけに、過ごし方のルールを親子でしっかりと決めておかなければいけません。
たとえば不用意に鍵を出さない、家に入るときは中に誰もいなくても「ただいま」と言いながら扉を開ける、近隣の危険な場所には近寄らないようにするなど、身を守るためのルールを親子で話し合っておきましょう。
また、お友達のお家で遊ぶことも多々出てくると思います。その際、相手のお家に失礼がないように最低限の礼儀作法なども身につけておきたいです。
最初はお互い不安ですが、その中でいろいろなことを乗り切り自分でできることも増えるでしょう。日頃から、親子でしっかりとコミュニケーションを取り、家庭の方針・ルールをきちんと共有しておくことが安全・安心に繋がります。
任せられることは任せる!子どもを信じることも大切
共働き世帯が直面する「小4の壁」は、放課後の居場所や過ごし方など生活面に関わることも多いです。お留守番や習い事までの往復を、子どもだけでさせるのは不安だと思います。しかし、子どもを信じて任せてみると、危ない目に合わないためにはどうしたらいいか、時間通り習い事に通うにはどうしたらいいかなど、子どもは自分でしっかり考えて行動するようになります。
心配はつきものですが、親子でよく話し合ってルールを決め、少しずつ子どもに「自分で」やらせることを増やしていく。それが、生活面における「小4の壁」を乗り越えることに繋がるのではないでしょうか。
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