ゴーレム効果とは?
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ゴーレム効果とは心理効果を示す言葉で、アメリカの心理学者ローゼンタールにより提唱されました。周囲からの期待が本人の成績に影響を与えるのであれば、その逆も然りという考え方です。教育現場を具体例に挙げてみましょう。
教師や親など周りの人間から期待されなかった生徒は、パフォーマンス能力が低下し、スポーツや学業の成績も下がる傾向にあるとされています。その結果を受けてさらに周囲からの評価が下がり、自分のモチベーションも下向きに。結果、悪循環に陥ってしまうという現象です。
大人の場合、上司からの悪い評価や批判が部下のやる気を失わせ、本来の成果を出せなくなってしまうことがあります。ゴーレム効果は、周りからの評価に本人の能力が合わせてしまう心理的行動だと言えるでしょう。
ゴーレム効果を克服するために
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ゴーレム効果を克服するには、自己肯定感を高める機会を増やして自信を回復させなければなりません。比較的ハードルが低い目標を立てて、それをクリアすることを繰り返しましょう。このときクリアしたという結果のみに目を向けることが大切です。
あるいは、自分に対してポジティブな言葉かけを行うことにも、一定の効果が期待されています。「自分はまだまだ成長できる」「自分はがんばっているから大丈夫」「結果が出るのはこれから」など、前向きな言葉を自身にかけることで、やる気が向上する可能性は高まるでしょう。
ゴーレム効果に陥らせないための注意点
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相手をゴーレム効果に陥らせないためには、ネガティブな言葉で批判し続けないように注意します。叱咤激励もときには必要ですが、相手の自信を失わせるようでは逆効果です。子どもの教育にも同じことが言えるでしょう。
ダメだったことばかりに目を向け、「ダメな子」だと決めつけても悪影響しかありません。指導や注意をする場合には、悪い部分だけでなく良い部分にも目を向けてあげてください。「どうせ」「できるはずがない」のような言葉はかけず、「次はもっと上手にできるよ」「前よりも上達したね」などポジティブな言葉かけをするように意識しましょう。
ピグマリオン効果、ハロー効果とは
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ゴーレム効果に似た言葉に、「ピグマリオン効果」や「ハロー効果」という心理学用語があります。ピグマリオン効果は、ゴーレム効果と同じく期待効果を表す言葉。しかし意味としては真逆で、"良い期待をされた生徒は知能テストなどで成績がアップしやすい" というものです。
ハロー効果は、ひとつの目立った特徴に引きずられて、全体の評価が歪む現象を表します。肩書きを見た途端、その人に対する印象が変わることなどがハロー効果の分かりやすい例です。ゴーレム効果やピグマリオン効果は、自分の行動が相手へ影響するのに対し、ハロー効果は自分だけで物事が完結するという点に違いがあります。
ゴーレム効果に陥っていないかチェックして
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子どもの教育や成長に関わるゴーレム効果やハロー効果。後者を上手に活用して、子どもの健やかな発育をサポートしてあげましょう。ネガティブな言葉で批判ばかり続けていても、子どもの能力を伸ばすことはできません。ゴーレム効果を発動してしまっていないか、普段の注意の仕方を一度チェックしてみてください。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。