2018年4月13日 公開

小1の壁とは?共働きのパパママを悩ませる問題の傾向と対策

小学校入学は預かり時間の短縮を意味します。両親は働き方の変更を余儀なくされることに。「小1の壁」とは、共働き世帯が子どもの小学校入学時に直面するさまざまな問題の総称です。子育てをする共働き世帯の前に立ちはだかる小1の壁とはどのようなものか、詳しく見ていきましょう。

共働きパパママを悩ませる「小1の壁」とは?

「小1の壁」とは、共働き世帯が子どもの小学校入学時に直面する、働き方の変更を余儀なくするさまざまな問題を指します。

早朝保育や延長保育のある保育園では、パパママの勤務スケジュールに合わせて、子どもを預けることが可能でした。保育園職員の監督下に子どもがいるという安心感があり、仕事に集中しやすい環境です。勤務時間や勤務体系も、会社側の要望に応えられる働き方ができていたのではないでしょうか。

小学校に入学すると、早朝・延長保育はなくなります。保育園と比べると、出勤時間と登校時間がずれ、そして退勤時刻よりも下校時間のほうが早くなることがほとんどです。

つまり小学校入学と同時に、大人の保護監督下にいられる時間は極端に少なくなることになります。6~7歳の子どもをひとりにすることに不安を感じるパパママが多いのではないでしょうか。

「どう働くか?」「どこに子どもを預けるか?」「学校生活に慣れるまでの精神面のサポートはどうするか?」などの社会的・教育的問題は、家族のライフスタイルを見直すきっかけにもなります。

小学校の登校・下校時間との兼ね合い

保育園は働くパパママをサポートする保育施設。早朝・延長保育を使えば午前7:00から午後8:00まで預けられる保育園もあり、パパママの通勤スケジュールに合わせた託児が可能でした。

一方、小学校は授業開始時刻が午前8:30前後、下校は通常午後3:00前後です。入学当初は午後0:00前後と早い下校が続きます。

パパママの出退勤時間によっては、登校するまでの間と放課後の数時間を子どもだけで過ごすことになるでしょう。火の元・戸締まりを1年生に任せるのはかなり心配ではないでしょうか。また、下校後、数時間をひとりで過ごさせるのも防犯上不安があります。

子どもが小学生になると、時短勤務制度が利用できなくなる会社も増えます。小学校入学半年前までに通勤時間・勤務体系の見直しを会社に相談しておくと良いでしょう。

年間を通して立ちはだかる「小さな壁」

PTA活動・保護者会・運動会・バザーなど、小学校は親が参加する行事・会合が多いです。全員参加が暗黙の了解という行事がある場合も。共働き世帯にとって、小学校の行事はそれぞれが「小さな壁」と言えるでしょう。

乗り越えるべき「小さな壁」が年間を通していくつもあるのが悩ましいところです。

特に入学して1カ月間は、お昼までの短縮授業に加えて、下校時のお迎えもあります。そのため、パパママは通常勤務がしづらくなることが予想されます。勤務先にフレックスタイム・在宅勤務制度等があれば積極的に利用しましょう。

また天候不順・インフルエンザ等による学級閉鎖による突発的な短縮授業・休校もあり得るので、勤務先に突然休みを申し出なくてはならない日も発生します。上司・同僚との良好なコミュニケーションを普段から築いておくことも大切です。

見えない部分が増えてくる

送り迎えはパパママ、保育園では先生とお友達に囲まれていた保育園時代。1日中大人の監督下で過ごすことができていた生活は小学校入学で一変します。登下校時・休み時間・留守番など「大人が見ていない時間」ができることで、危険が生じやすくなります。

上級生と一緒とは言え、子どもだけでの登下校がはじまります。学校では先生の目の届かない場所で遊ぶこともあるでしょう。小学校低学年の児童は、しっかりしてきたように見えても好奇心が自制心を超えてしまうことが多々あり、注意が必要です。

子どもの話を日頃からよく聞く、時間があるときは外遊びを見守るなど、大人の目を意識させることが重要です。交通事故・不審者による事件・迷惑行為・いじめ等がおきにくい、風通しの良い環境を作りましょう。

やっぱり安心「学童保育」

共働き世帯の多くが利用している学童保育。保護者が就労・介護・病気治療のために、子どもを保護・監督できない場合の放課後・長期休み期間中の預かり施設です。

1~6年生までの児童が対象で下校から午後6:00くらいまで預かりが可能です(自治体によって時間は多少変わります)。宿題・創作活動・季節行事・自由遊びなどをして時間を過ごします。

学童保育は公設公営・公設民営・民設民営の3種類です。

【公設公営・公設民営】
公設公営・公設民営の1カ月当たりの費用は、おやつ込みでおよそ4,000円~7,000円。

公設の学童保育施設の多くは入学前年度の11月から申請がはじまります。小学校入学を機に職場復帰・再就職をするパパママも多いため抽選になることも多いでしょう。

利用にあたっては、勤務時間・日数などの条件を設定している自治体がほとんどです。早めに就労証明書が準備できるよう就労環境を整えておきましょう。

【民設民営】
民設民営の1カ月当たりの費用は20,000円前後~60,000円前後と高めです。しかし、預かり時間に融通がきく、学習塾の要素もあるなど、公設の学童保育に比べるとサービスが充実しています。

学童保育だけじゃない!小1の壁の乗り越え方

・放課後児童クラブを利用
児童館・学校の空き教室など利用して行政が運営しています。「放課後○○クラブ」のような名称で、放課後から午後6:00前後まで小学生が遊び・学べる場所として提供されています。専門スタッフが常駐しているので安心です。

・ファミリーサポートサービスに登録
自治体の審査を受けたサポートスタッフが預かりやお迎えなどを有償で行うサービス。1時間1,000円以下で利用できる自治体が多いです。スタッフは近隣の住民の方々なので、引き渡し・お迎えがスムーズなのが利点。

・子どものできることを増やす
共働きの場合、子どもだけの留守番を避けられないこともあります。鍵の使い方・電話のかけ方をしっかり教え、実際にひとりでできるか確認をしておきます。

留守番時の決まり(火は使わない・来客が来ても出ない等)は特にしっかり教えたいところ。困ったときにひとりで冷静に行動できるように、留守番の練習をさせるのもおすすめです。

・祖父母・兄弟・ママ友など信頼できる預け先を確保する
来てもらったり預けたりできる大人が身近にいることは、親子ともに心の支えになります。相手が困っているときは手助けする、感謝の気持ちを忘れないなど、普段のコミュニケーションを良好に保つ努力が必要です。

子どもに合わせた生活リズムを保とう

小学校への入学によって、パパママも子どもも生活リズムが大きく変化します。

保育園ではあったお昼寝の時間がなくなり、日中の活動量が増えることで子どもは疲れやすくなります。重いランドセルを背負っての登下校だけでも一苦労ではないでしょうか。

明日の準備・宿題・クラスでの役割等、小学校入学と同時にやるべきことや覚えることが一気に増え、ストレスもたまりやすい時期です。早寝・早起きのリズムを崩さないよう心がけることで、体調不良を避けましょう。

子どもの小学校入学と同時に勤務スケジュールそのものが大きく変わるパパママも多いです。子どもの生活リズムを保つため、食事の時間・入浴の時間はできるだけ子どもに合わせるようにして、小1の壁を乗り越えていきましょう。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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aotanaoao aotanaoao  小学1年生の娘を育てる兼業主婦です。遊びながら知育できることを日々模索中。 英会話教材、学習テキストを使ってマイペースで家庭学習を楽しんでいます。