2017年2月18日 公開

移民にも優しい!オランダのレセプションスクールとは?

移民も多いオランダでは、オランダ語を話せない子どものために、専用のレセプションスクールがあります。学校では子どもたちはどのように過ごしているのでしょうか。小学校入学に合わせ、4歳から通えるクラスの様子、慣らし通学など、我が家のケースをご紹介します。

日本人がオランダで現地校に通うためには……

オランダ移住1年目の筆者には、13歳、6歳、4歳の息子がいます。

オランダには、インターナショナルスクール、日本人学校をはじめとする各国の学校もあり、オランダ語以外の言語で教育を受けることが可能です。

我が家は現地に馴染み、根付いてほしいという思いがあるため、オランダ語で学べる環境を選ぶ方針に。しかし、移住直後は、まだオランダ語を話すことができなかったため、レセプションスクールと言われる言語習得に重点を置いた学校を選び、通わせることにしました。

このレセプションスクール、筆者の住むデンハーグ市だけでも小中学校合わせて24校あります。オランダはそれだけ、移民の多い国なんですね。

Robert Hoetink / Shutterstock.com

オランダ語習得のためのレセプションスクール

レセプションスクールは、オランダ語を学ぶこと、そしてオランダの文化に触れることが大きな目的です。言語教育を専門的に学んだ教師が揃い、早くオランダに慣れ、生活できるための訓練を受けることができます。

実際に移住1カ月後から長男が中学生のためのレセプションスクール、次男が小学校のレセプションスクールに通いはじめましたが、3カ月ほどで、学校で起こる日常的な事柄について、オランダ語で対応したり、先生に説明ができたりするほどになりました。

通学開始年齢によっても異なりますが、大抵は1年程度で基礎的な学びを終えて、一般校に転校することが可能です。

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レセプションスクールも4歳から

2016年12月に4歳になった筆者の三男坊。オランダの小学校に通う年齢になりました。

4歳はまだ義務教育ではないのですが、集団生活を送らせたい、同じ年代の子どもと遊んでほしい、早くオランダに慣れてほしい、という思いから、次男と同じレセプションスクールに入学することになりました。

遊びが勉強!

工作、塗り絵、糸かけ、手を使った遊びを毎日たくさん行っています。
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4歳はまだまだ小さい!慣らし通学からスタート

入学の申し込み後、担任の先生と相談のうえ、誕生日の1カ月ほど前から、週3回、半日の慣らし通学をさせることになりました。慣らし通学については、学校により対応が異なります。

また、息子が通っている1、2年生の合同クラスを見渡しても、学校でお昼寝をしているお子さんがいたり、ママが一緒に授業に参加していたり、半日で帰宅したりと、それぞれのお子さんのペースにあわせて、保護者と相談しながら学校が個別に対応しているといった様子です。

オランダの小学校の授業時間は学校により異なりますが、息子の通う学校は4歳から12歳まで、8時15分から15時15分が授業時間。市町村により異なりますが、移民向けの学校は1時間ほど通常校よりも授業時間が長いことが多いです。学校と提携している学童保育もあり、利用する場合は学童職員が学校に迎えに来ます。

クラスの様子

1-2年生の合同クラス。4歳から6歳の子どもがさらに能力別に分けられます。
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たったこれだけ!?入学準備品も、日々の持ち物もごくわずか

ローカル校やレセプションスクールの、入学準備品はごくわずか。学校により異なることもあるようですが、制服や体操服、指定のカバンなどもありません。我が家の次男、三男の通う小学校入学時に用意したものは以下のみです。

・リュックサック
・長靴(外遊び用)
・ジムシューズ(体育館用の運動靴)
・運動着(動きやすい通常着でOK!)
・お弁当箱(タッパーでOK!)
・水筒

近くの量販店や子ども用品店などで揃えることができました。持ち物の記名も指定はなく、中古品を使う場合なども、マジックで修正したり、そのままだったり、家庭によりさまざまです。

ジムシューズ

週に2回、体育館でジムのレッスンがあります。通常のクラスの中では上履きは着用せず、外履きのままです。
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最後に

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オランダに実際暮らしてみて感じるのは、学校と行政、そして家庭との連携がきちんととれていることです。働くママも多い国ですが、保育園、学校、そして地域の子育てセンターや保健センターが、教育はもちろん子どもの健康面に関してもしっかりと管理してくれ、そして経済的な支援も多いと感じます。それが移民にも適応され、誰もが、幸せに暮らし、学ぶことのできる国。

レセプションスクールに通う我が子たちは、言葉の習得も早く、オランダ生活を楽しんでいるように見受けられます。いろいろな子どもたちを受け入れるシンプルで合理的なしくみは、子どもたちがこの地で幸せに暮らすために、とても大切だと感じています。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Hitomi Hitomi  バリ島、台湾と旅するように夫と3人の息子と暮らし、現在オランダ暮らし2年目。ライター、アロマセラピー講師。hitomiarai.infoというオウンドメディアで海外子育てや、アロマ、手作りコスメ、自然で気楽なライフスタイルを提案しています。