2017年11月21日 公開

一姫二太郎「育てやすい」は本当?経験者のホンネ

第一子が女の子の場合、「一姫二太郎だから次は男の子がいいわね」といわれることはありませんか?その意味は?「一姫二太郎は育てやすい」というのは本当?まさに一姫二太郎を子育て中の筆者が、本当に育てやすいのか、メリットや気をつけていることを本音で語ります。

一姫二太郎の意味

子どもが生まれると分かったとき、「男の子?」「女の子?」というのは、誰にとっても大きな関心事ですよね。最初の子どもはもちろんですが、二人目、三人目……の出産となると、兄弟姉妹の性別の組み合わせも気になります。

ところで、日本には「一姫二太郎」という言葉があります。年配の女性から、「子どもを持つなら一姫二太郎がいいわよ。」といわれた経験はありませんか?あるいは、一人目が女の子だったママは、二人目を妊娠中に「一姫二太郎になるから、次は男の子がいいわね。」といわれたことはないでしょうか?

「一姫二太郎」とは、「子を持つには、一番上が女の子で、二番目は男の子がよい」という意味の言葉です。よく「女の子一人と男の子二人の三人兄弟がよい」の意味だと誤解されるようですが、そうではありません。

「一姫二太郎」はなぜよいといわれるの?

なぜ、「一姫二太郎」はよい、といわれるのでしょうか?

一般的に、女の子は男の子に比べて「病気になりにくく、育てやすい」と考えられています。はじめての子育ては、親にとってもわからないことだらけ。そのため、最初に産むなら育てやすい女の子がよい、という考えがあります。

また、第一子が女の子の場合、弟の面倒を見てくれる、という親の期待もあります。「女の子の方が、小さい子のお世話をするのが上手だし、よく手伝ってくれるから、親は楽になる」と考える人は多いでしょう。

わが家も子どもが二人ですが、長女が8歳のときに、下の息子が生まれました。周りから「一姫二太郎でいいわね!」といわれた経験があります。「お姉ちゃんが弟の面倒を見てくれるでしょ?ママは助かるわね。」という言葉は、今もよくいわれます。

ところで、「一姫二太郎」の言葉には、以下のような意味合いもあったようです。
(長男だけが家の財産を相続できた旧民法の時代に)最初に女子が生まれた人への慰めのことばとして用いられたとも言われている。
via 明鏡 ことわざ成句使い方辞典
昔の社会のあり方を反映した言葉なのですね。

本当に「女の子だから年下の面倒見がよい」のか?

現在、娘は15歳、息子は7歳になったわが家。これまでの子育てを振り返って、一姫二太郎は本当に育てやすかったか?というと……。

特にそうは思いません。

今の日本は、男女平等の考え方が進み、性別によって役割を決めつけるべきではない、という価値観の社会に変わってきています。その中で、「女の子はお世話好き」「女の子はお手伝いが好き」と考えることに、筆者は正直、疑問を感じています。

以前、男の子3人を持つママが、「長男は三男の相手をするのが好き、次男は一人でいたいタイプ。性格によるのよね」といっていたことがありました。

わが家の娘は、小さい子の世話を焼くのがあまり好きではありません。家でも、弟の相手をするよりは、自分の世界に集中したいタイプでした。しかし、娘のお友だちや同級生の中には、小さい子のお世話に興味深々な子もいました。

「下の子の面倒を見るのが好きかどうか」は、「女の子だから」というよりは、子ども自身の性格や好みによるのでしょう。上の子がお世話好きタイプだったら、親は助かるかもしれません。

今の時代だからこそ気をつけていること

今の時代は、女性も男性と同じ教育を受け、同じように社会で活躍する、という価値観が浸透しています。「結婚して家庭に入る」だけが女性の人生ではありません。そのため、女の子も男の子と同じように、勉強や自分のやりたいことに取り組む時間が大切です。

筆者は、「先に生まれた女の子だから」という理由で、「娘だけ」に家事や弟の世話をやらせないようにしよう、と気をつけてきました。子どもには、自分自身の学びに集中する時間が必要です。娘にも息子にも、同じようにその機会を確保してあげたい、と考えています。

また、家事を手伝ってもらう時は、必ず娘と息子両方に割り振るようにしています。

最後に

以上のことから、筆者の家庭では「一姫二太郎」でよかった、という感想は特にありません。どちらかといえば、「同性の兄弟姉妹の方が、遊び相手になってよかったのでは?」と思います。わが家の場合は、性別も違う上に年齢も離れているので、おもちゃも服もまったく共有できず、まさに「一人っ子が二人」いる状態です。

親としてのメリットといえば、女の子と男の子の両方の子育てが経験できたことでしょうか。わが家は、娘の方が度胸がある反面、息子の方が片付けは上手。子育てを通して、「男らしさ」「女らしさ」という自分の中の思い込みに気付かされます。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Chieko Chieko  成人した娘、小学生の息子を持つ、二児のママ。2013年より西オーストラリア・パースに家族移住しました。英語教育やオーストラリアについて書くブロガー・フリーライターをやりながら、プログラミング・機械学習を勉強中です。