2018年4月12日 公開

「フランダースの犬」の舞台、ベルギー・アントワープを訪ねて

日本では有名な名作アニメ「フランダースの犬」。幼い頃、あまりに悲しいお話に、涙したパパママも多いのでは?先日、ベルギー・アントワープの「フランダースの犬」にまつわる場所を訪ねてきました。主人公・ネロの観たかった絵や、その街並みをご紹介します。

覚えていますか?フランダースの犬のストーリー

アントワープ市庁舎は、ネロが絵画コンクールの結果を見に行った場所。
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1872年、イギリス人作家ウィーダによって書かれた“A Dog of Flanders(フランダースの犬)”は、現在まで長い年月愛されてきた、悲しい結末の物語です。

寝たきりの祖父と、パトラッシュという名の大型犬と暮らす貧しいミルク運びの少年ネロ。絵を描くのが大好きで画家を目指しますが、数々の困難に襲われついには絶望の果て、クリスマスイブの夜に、ずっと見たかったルーベンスの祭壇画の前で死を迎えます。

日本では明治41年に出版され、昭和50年にはテレビアニメ化。その後何度も再放送されています。

古い街並みと、ファッションの町アントワープ

アントワープは古さと新しさが混在する街です。
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フランダースの犬の舞台となった、ベルギーのアントワープは中世の街並みが多く残る美しい街です。ヨーロッパの中でも随一のファッションやデザインの街として知られ、若者でにぎわっています。

日本からの直行便はないものの、ブリュッセルから40分、フランスのパリやオランダのアムステルダムからも2時間ほど。電車で日帰り移動が可能な距離です。

ベルギーといえば、ビール、ワッフル、チョコレートなどの美食も欠かせません。

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ノートルダム大聖堂 ネロの見たかった絵

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「フランダースの犬」最終回と同じ風景がここに……。
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アントワープの市街中心部にそびえ立つノートルダム大聖堂(聖母大聖堂)は、1352年から長い年月をかけて建築された教会です。

「フランダースの犬」の物語の舞台となった時代、ルーベンスの「キリスト降架」は厚い布に覆われ、銀貨を支払わないと絵画を見ることができませんでしたが、現在では入場料を払えば見ることが可能です。

教会内は宗教的な作品が多く飾られ、美術館さながら。日本語のリーフレットも用意されており、日本人観光客の多さをうかがえます。

ノートルダム大聖堂の近くには、ルーベンスのアトリエ兼家も残されており、美術館として公開されています。当時、絵画が描かれた背景を味わうこともできます。

どちらもスペースが広く、静かすぎない場所ですので、子連れでも絵画鑑賞やヨーロッパ建築を楽しみやすいスポットです。

観光名所ですが、現在も信仰の場として使われています。
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ネロの観たかった、ルーベンス作「キリスト降架」「キリスト昇架」が展示されています。大変大きな祭壇画です。写真はキリストの降架のポストカードより。
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フランダースの犬は、ベルギー人には知られているのか?

2016年ネロとパトラッシュ白大理石の彫像が大聖堂の前に登場しました。
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フランダースの犬は、作者がイギリス人でイギリス文学に属するため、ベルギーではあまり知られていません。また、悲しい結末からあまり国内での評価も高くないようです。

フランダースの犬の舞台としてアントワープに日本人観光客が多く訪れることから、彫像がつくられたり、関連グッズが販売されたりしています。

また、今回訪れることはできませんでしたが、アントワープ郊外のホーボーケンという場所にもネロとパトラッシュの銅像があります。ホーボーケンはネロとパトラッシュが住んでいた場所で、ここから毎日アントワープまでミルクを運んでいたそうです。

Travis Juntara/CC BY 2.0

最後に

物語の舞台を訪ねる旅は、子どもと一緒に楽しむことができる大満足の旅になること間違いなしです。ヨーロッパに行く機会があれば、ぜひアントワープも旅の予定に入れてみてはいかがでしょうか。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Hitomi Hitomi  バリ島、台湾と旅するように夫と3人の息子と暮らし、現在オランダ暮らし2年目。ライター、アロマセラピー講師。hitomiarai.infoというオウンドメディアで海外子育てや、アロマ、手作りコスメ、自然で気楽なライフスタイルを提案しています。