2018年4月24日 公開

行動観察対策は失敗続き…「『お受験』はじめました!」vol.18

行動観察はどの小学校でも試験考査として採用しており、かつ、重視されています。いろんな経験を重ねて身につけていくものだからこそ、教えることが難しい項目でもあります。ママミーヤも、受験対策の中で最も苦労した行動観察。娘ミヤピーと取り組んだ対策内容をお伝えします。

行動観察は『小学校受験』を象徴する考査項目

行動観察、という言葉を聞いてどんなイメージを持ちますか?その名の通り子どもの「行動」を試験官が「観察」するものです。「行動」で課せられる項目と、「観察」のポイントが独特であるため、一朝一夕では身につけられるものではありません。

その小学校が施す教育内容とマッチする子どもであるかどうかを図るため、行動観察は小学校受験において非常に重要な項目となっています。中学受験以降では決して見られない特徴的な項目です。

学校によって評価の軸が異なる

たとえば「コップ積み」などのゲームを課せられることがありますが、共学校と女子校とでは評価軸が異なります。
※コップ積みとは、たくさんの紙コップを短時間で積みあげ、その数と高さを競うゲームです。通常はピラミッドのように積んでいきます。

共学校は主に「コミュニケーション能力」が問われることが多いです。大勢の中で自分の意見をしっかり伝えられるか、周りの意見をまとめられるか、他の人の意見を聞くことができるかなどの能力を主に見られることが多いようです。

逆に女子校では、お友達と仲良くすることができるか、困っている人がいたら親切にすることができるかなどの「女の子らしさ」を表現できるかが肝要になります(とくにカトリック校)。

志望校によってどんなふるまいが求められるかが異なるので対策が難しいのですが、基本的には「周囲への気遣い」というものができるかどうかが問われます。

わが家の場合

娘のミヤピーは塾なしで受験準備を進めていたのですが、ペーパーや巧緻性の準備がメインとなり行動観察まで手が回りませんでした。保育園でお友だちと仲良く過ごしているし、協調性もあるし……常識さえあれば準備はいらないのではないかとさえ思っていました。

とろこが、試しに受けてみた模試の結果を見て愕然。A~Eのランク分けの中でだいたいCかD。

極端な例として、ペーパーで1位を取った模試があったのですが、行動観察は下から2番めだったことも……。

どれだけ言い聞かせても行動観察の成績が伸びません。小学校受験に暗雲が広がってきました。

行動観察の「プロ」に聞いてみた

習い事でご一緒していた一つ年上の女の子が倍率の高いカトリック女子人気校に合格されていたので、塾の授業以外で行動観察対策としてご家庭でどんなことをやっていらっしゃったのか伺ってみました。

そこでわかったことは
・自分のことは自分でやる
・家庭の中での自分の役割を自覚する
・時間を意識して仕事を早くできるようにする
ということを徹底していたということです。

具体的には
・朝の支度を自分一人でやらせる。
・家の仕事のルーティンを決めて毎日やってもらう。
・母親の家事は必ず手伝ってもらう。
はじめは「決めごと」をたくさん用意して、徐々に自分で判断してやれるようにしていったということでした。

自分のことは自分で

恥ずかしいお話なのですが、時間を優先するばかりに朝の支度・帰ってからの片付けなど、ミヤピーが自分でやらなければならないことを手伝ってしまっていました。

まずはその朝と帰宅後の習慣からミヤピーが身につけられるようにと、わが家でもはじめてみました。

毎日のルーティンワークを書き出して壁に貼ったけど……

朝起きてからやることを順番に書き出して壁に貼りました。はじめはなかなかやりません。叱ってしまうこともありました。

時間に迫られてしまった挙げ句、やらなければならないことを一つ一つ命じてしまい……

結果として言われたことをやるだけになってしまいました。大失敗です。

時間を前倒しすればいい

先述したカトリック女子校合格者のお母様に習い事でお会いした時にその時の惨状について話し、アドバイスを伺いました。すると、
「うちもできなかったから出かける2時間以上前に起きて準備させた」
とおっしゃいます。

確かに、早起きして準備の時間を増やせばいいだけでした。そして朝ある程度勉強させれば夜の時間も効率的に使えます。時間が足りなかったら作る工夫をすればよかったわけです。

一朝一夕では無理!我慢の日々……

時間を作ったものの、ミヤピーは準備にはものすごく時間がかかり、自分から考えて行動することはなかなかできませんでした。

しかし、叱っても効果的ではありません。行動の原動力が「親に叱られないようにする」ということになってしまっては、何の意味もありません。

なぜ、このような練習をしているのか。ミヤピーに通わせたい小学校があって、そこに入るためにはこんな試験が必要で……と試験のことを話しました。そして、その試験がどうして必要なのかをお話しました。

私はこう伝えてみました。

「行動観察の試験は、小学校に来る子どもたちがお父さんやお母さんに人として大切なことを教わっているかを先生方が知りたいからやるんだよ」

「人として当たり前のことができるようになるまで諦めないのがお父さんやお母さんの仕事なんだよ。ミヤピーは神様からお預かりしている大切な子どもだと思っているから、ミヤピーがどんなに嫌でもお父さんやお母さんは何度でも言い続けるよ」と伝えました。

これは受験とは関係ないことですが、どうしても伝えておきたかったのです。

ミヤピーは「ありがとう」と言いました。今後受験の結果はどうであれ、親の愛が伝わったのならば嬉しいと思いました。

受験を通してですが、親が子どもにどう向かい合うか。どんなことを教えていきたいのか。そんなことも透けてみえるような気がします。

基礎訓練としてやってみた「当たり前のこと」

本来自分自身でやることを親がやってしまっていたので、それをできるだけミヤピー自身にやってもらうようにしました。

出かける前

・朝の着替えの準備
今まではママミーヤが選んで枕元に置いていましたが、自分で選ぶようにしました。

・着替え→片付け
パジャマ入れを用意しました。今まではベッドの上にぽいっと置いてあるだけだったのですが、収納場所をはっきりさせることで片付けの習慣を身につけるようにしました。

・食事の支度の手伝い
箸やコップなどを自分で並べます。

・片付け
食べ終わった食器を流しまで持っていきます。

・ベランダの花の水やり
お花などを育てているプランターに、あさのうちに水をやります。

帰った後

・手洗い・うがいを言われなくてもやる
・食事の支度の手伝い
・片付け
・洗濯物たたみの手伝い
・翌日の準備
たくさんあるようですが、内容はどれも簡単なもので大したものではありません。

しかし、こんなこともできていなかったのです。自分のことは自分でやるようになってから、ミヤピーはママミーヤの仕事を手伝う気遣いなど少しずつ芽生えてきたようでしたた。でも、なかなか模試の結果には反映されませんでした。

時間のせいにして、本来教えるべきことを見ないふりをしていたことを痛感しました。受験の有無は抜きにして、小さいときからしっかりと取り組むべき部分なのでしょう。一朝一夕では難しい領域であることを改めて感じました。

そんなわが家がどうやって行動観察の評価を上げていくことができたのか?
次回は受験で求められる行動観察の詳細とミヤピーの目からウロコが落ちたある出来事についてお話します。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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ママミーヤ ママミーヤ  フルタイムではたらくママ(時に数日にわたる徹夜あり)。 会社員から脱却し、フリーランスになるが前より忙しくなる誤算に悩む。 0歳から保育園に通う娘が一人。昨年、塾なしで小学校受験に挑戦して無事に入学。 0歳からの幼児教育・お受験の勉強を自宅で行うためのコツ・時間のやりくりなどをお伝えします!