2016年10月1日 公開

元はイギリスのお祭り?ハロウィンについて知ろう!

10月31日のハロウィンは、日本でもすっかりおなじみのイベントとなりました。お化けや魔女の衣装に身を包み、「トリック・オア・トリート!」と呼び掛けてお菓子をもらうのは世界共通。でも、イギリスが発祥だったのはご存知でしたか?本場の雰囲気を交えながら、ハロウィンにまつわる話題をご紹介します。

ハロウィン=お盆+大みそか?

ハロウィンは元々、イギリスやアイルランドに起源を持つケルト人のお祭り。ケルトの新年は11月1日で、その前日には死者がよみがえるといわれていました。また、収穫祭との関連性もあるようで、ハロウィンのシンボルカラーである黒とオレンジは、それぞれ死と豊作を表しています。日本でいうなら、お盆と大みそかが一緒に来たような感じですね。

イギリスでもすっかりイベント化したハロウィンですが、現在もケルト文化が色濃く残っているアイルランドでは10月31日は祝日となっています。

ハロウィンのシンボルの意味、知ってますか?

何気なく楽しんでいるハロウィンの飾りや風習にも、ひとつひとつに歴史があるようです。ここでは代表的な3つのトピックについてご紹介します。

仮装は死者から隠れるため

ハロウィンの仮装といえば「怖いもの」。10月31日によみがえった死者に見つからないため、彼らと同じような格好をしたのが始まりとされています。現在でも魔女やドラキュラ、ゾンビなどが人気ですが、最近ではディズニーやヒーロー映画のキャラクターもポピュラーになってきました。

魔除けのジャック・オー・ランタン

カボチャをくり抜いて作る「ジャック・オー・ランタン」には魔除けの意味があり、玄関に置くのがならわしとされています。怖い顔を彫るのにも理由があったんですね。実は、古くはジャガイモやターニップと呼ばれるカブの一種を使っていたようです。イギリスのスーパーマーケットには、秋になると大小さまざまなカボチャが並び、大変にぎやかです。

トリック・オア・トリート!は幸せのおまじない

ご近所を回って「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!」という、お子さんにとっては一番楽しみなこのイベント。この起源にも諸説ありますが、中世のソウリングというキリスト教の習慣から来たという説が有力です。ソウリングは10月31日や11月1月に行われ、家々をまわってケーキをもらう代わりに祝福の歌を歌うものでした。 オリジナルにならって、お菓子をもらったら「ありがとう」が言えるといいですね。

イギリス人のハロウィンの過ごし方は?

イギリスの子どもたちは、主にきょうだいや同級生でグループを作って「トリック・オア・トリート」をしに近所を回ります。ドアを叩くのはお子さんたちですが、親御さんが一緒に来て近くで待っていることも多いようです。訪問されるお家は、市販のチョコレート菓子や自家製ケーキなどを用意して待ちます。

このように、イギリスのハロウィンはとてもオーソドックス。一方で、イギリスならではの楽しみ方もあります。イギリスの公的な文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルのサイトからいくつかご紹介します。

アップル・ボビング

アップル・ボビングはりんごを使ったゲーム。水を張ったたらいやお風呂にりんごを浮かべ、手を使わずに口でくわえて取れるかを競います。ローマ人がりんごと死者を結びつけて考えていたからとも、中世の 結婚占いが起源ともいわれています。水びたしになるので、タオルの用意を忘れずに!とのこと。

ホラー映画鑑賞会

ハロウィンは怖い映画を観るにはとっておきの機会。とはいえ、本格的なものはお子さん向きではありません。代わりに、お化けやモンスターが出てくるアニメーションや、ハロウィンを題材にした映画を観るのはいかがでしょうか。

子育てサイト「Parenting」では、お子さんも楽しめるハロウィン映画として「ハリー・ポッター」や「キャスパー」「コープス・ブライド」など19作品を紹介しています。きっと家族で楽しめる1本が見つかるはずです。

お化け屋敷も!子ども向けイベントも豊富

イギリスでは、ハロウィンにまつわるイベントも数多く開催されます。最も多いのがお化け屋敷。英語ではホーンテッド・ハウスと言いますが、日本のお化け屋敷と同じようにお化けやモンスターのいる屋敷の中を歩き回って楽しみます。その他の恐怖イベントとしては、怪談の読み聞かせなどもあるようです。

一方、かぼちゃ狩りや、ジャック・オー・ランタンやオリジナルの仮面作りといった体験イベントも充実。首都ロンドンの近郊や有名なハイドパークでも子ども向けのイベントを見つけることができます。この時期にイギリスを訪れたら、現地の子どもたちと一緒に参加してみてはいかがでしょう。

大人もハロウィンに夢中?

イギリスでは大人もハロウィンを楽しんでいます。特に大都市ロンドンでは、10月半ばからハロウィン当日まで、街のいたるところでハロウィンを題材にした催し物が開かれています。

大人向けで最も多いのはクラブイベントや、パブを次々と飲み歩くパブクロール。多くはドレスコードが決まっているため、夜になるとゾンビや魔女の格好をした人たちがイベントに向かうところを多く見かけます。

また、ウエストエンドに代表される舞台でもホラー作品が上演されますし、ホラー映画を特集する映画館もあります。子どもたちだけでなく、大人も全力でハロウィンを楽しもうとしているのが感じられますね。

本場を取り入れてハロウィンをより楽しく

本場イギリスのハロウィンはいかがでしたか?定番のイベントから日本では珍しい遊び方まで、イギリス人は大人も子どももハロウィンをとても楽しんでいるようです。ぜひ、ご家族やおともだちとのハロウィンに取り入れてみてください!
■英語学習にもつなげたいですね!
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Sakiko Sakiko  在英5年目の経済・教育ライター。東京都港区育ち。幼稚園より雙葉学園に通い、慶應義塾大学法学部に進学。大学卒業後は出版関連企業に3年従事した後、渡英。ロンドンの大学院にて出版ビジネスを学び、現在もロンドンで暮らしています。紅茶とバラの国から、お子さんの明日につながる記事をお届けします!