2018年8月10日 公開

お盆に飾る、なすときゅうりで作る精霊馬とは?読み方や作り方、処分方法

精霊馬という言葉は知らなくても、なすやきゅうりに楊枝や割り箸を刺した飾りをお盆のころに目にしたことはありませんか?このなすときゅうりで作ったお盆飾りの精霊馬にはどんな意味があるのでしょうか?作り方、飾り方、そして意外と知らない処分の仕方までご紹介します。

精霊馬の意味とは?

お盆に飾られる精霊馬は、なすときゅうりを使って牛と馬をかたどったもの。読み方は「しょうりょううま」と読みます。ご先祖様の精霊がこの世に戻ってくるときの乗り物といわれています。

来るときは、できるだけ早く来ることができるように、ときゅうりの馬を使います。そして帰るときには、できるだけゆっくり帰ることができるように、となすの牛を使います。一般的にはこのような思いが込められています。

そして牛はたくさんのお供え物を持ち帰るためという意味もあります。

地方によって違う精霊馬

この精霊馬の時期ですが、多くの地域では8月13日の迎え盆から16日の送り盆まで飾ります。一方関東地方は、新盆の7月13日にご先祖様の霊をお迎えするために作って飾ります。なお西日本では多くのところで精霊馬を飾る習慣がありません。

また地域によってはゆっくり迎えるため、お迎えは牛で、急いで帰ってもらうためお帰りは馬という逆のところもあります。

このように精霊馬の習慣は全国でも千差万別です。

精霊馬の作り方

牛は、なすで、馬は、きゅうりで作ります。なすもきゅうりもまっすぐより少し曲がったものを選ぶことが、動きが出て動物らしく仕上がるポイント。

足には本格的なら麻幹(おがら)、通常は野菜が大きな場合は割り箸を折って、小さければ爪楊枝やマッチ棒をそのまま使います。

ヘタ側を頭にみたて、野菜が自立するようにバランスよく刺します。

精霊馬の飾り方

精霊馬は、通常は精霊棚または盆棚と呼ばれるお盆飾りのゴザの上に置きます。その際、牛と馬の頭の位置に気をつけましょう。

一般的には13日の迎え盆のときには、牛と馬の頭をそれぞれ仏壇側に向けて置きます。そして16日の送り盆のときには、仏壇と反対側に頭を向けて置きます。

地域によっては迎えるときは東向きで帰るときは西向き、また馬は仏壇向きで牛は反対向きといったところもあります。

実際に飾るときは年長のご家族に確認してみましょう。

飾ったあとの処分の仕方

MaraZe / shutterstock.com
お盆のあとには、昔は他のお供え物と一緒に海や川に流していました。現在では海や川にものを流すことはできないため、もし庭があるようなら土に埋めたり、お寺で処分する方法があります。

また一番手軽なのは、お清めの塩と共に白い紙に包んで捨てるという方法です。

精霊馬は野菜だからといって食べてしまったり、ゴミ箱にそのまま捨てたりするというのは不謹慎なためNGです。

子どもと一緒に準備したい精霊馬

ちょっぴりユーモラスな形が微笑ましい精霊馬は、作り方も簡単なので小さな子どもでも作ることができます。

お盆や精霊馬の意味、そしてお盆にお迎えする家族の思い出話などしながら、お子さまといっしょに精霊馬を用意してみませんか?
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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Mariko.K Mariko.K  大学卒業後、大手雑誌社広告営業、進学塾講師を経て、結婚を期に2000年よりスペイン在住。マヨルカ島にてスペイン人の夫、中学生の娘と暮らす。バレアレス州立音楽学院高等部でパイプオルガン専攻中。東京都出身。